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「あいつは、守っているつもりでその相手にすがっているからだ」
『動物園の鳥』は『青空の卵』『仔羊の巣』の完結編です。
共依存からの脱出がサブテーマ。メインはいつもの探偵ネタ。
滝本という、曲がったことの嫌いな警官と、妹の関係が痛かった。
病弱な妹の世話のために、中学校まで親戚の家に預けられていた子どもである滝本は、もう、実家に違和感なしには帰れない。
当然なんですけどね。
仲立ちをしてくれるのが妹。
元気になった妹は、ぎこちない両親と、兄の間で、子どもの顔をすることで関係の仲立ちをする。
その妹のわがままを聞くという大義名分のもとで、やっと家に帰れる兄。
妹が全てに優先する滝本には彼女も作れない。
そして主人公も…。
鳥井を守るという大義名分は、かつて自覚する前に終わったいじめへの恐怖から抜け出すための杖。
心が弱くて、とても弱くて。
いつも誰かに喜ばれたりありがたがられていないと不安で。
僕はこうやって生きてきた。
僕を手放しで必要としてくれる人の手をとって。
その人に支えられて。
そうやって生きてきた。
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引きこもり探偵、最終巻。2作の時に、坂木優しすぎる!と思ったのですが、それは坂木もいじめのために心に傷を負っていたからなのか…とわかりました。最後、泣きながら鳥井を突きはなした坂木と、ついに殻を破って一歩踏み出した坂木。二人の関係が「絶対」となるだろうことが素直に喜ばしく読めました。
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ひきこもり探偵シリーズ第3弾。
完結編です。面白かったです。堪能できました。綺麗過ぎるという意見もあるかもしれませんが僕はそれでいいと思います。小説なんだから。最後の最後の粋なプレゼント、嬉しかったです(謎)
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完結した〜。こんなに青臭い道徳小説は読んだことがありません。さわやか〜。ぎすぎすした社会で暮らす貴方へ・・・
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「ひきこもり探偵」シリーズ第3弾にして最終作。このシリーズにおいて、お互いを最優先させる坂木と鳥井、主人公2人の関係は、単なる「友情」だとか「親友」だとかを超えて、一種の「共依存」である。この設定には拒絶反応とまでいかなくても、ちょっと引いてしまう読者もいるかも知れない。僕もそうだった。しかし、本作ではその要素はかなり薄くなっている。それは、第1作から様々な事件に関わり、そのひとつひとつを解決するたびに新たな友人を獲得し、2人だけだった狭い世界が広がりを持ってきたことによるものだ。多くの人との出会いを通じて、今作で坂木はある決断に至り、2人の関係が共依存ではない真の友人関係へと変わる予感、そして引きこもりだった鳥井が外の世界に踏み出す予感を漂わせて終わる。扱う「事件」はいわゆる「日常の謎」系だが、その論理や着眼は確かだし、人間心理の襞、人間関係の綾を切り取る手並みは鮮やか。少し気恥ずかしいぐらいの、生きることへの前向きでピュアな感性がそこかしこに顔を出す。ここで描かれる人間観・人生観にどこまで共感できるかで、読む人の精神的な真っ直ぐさを測ることができる気がしないでもない。
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引きこもり探偵シリーズ完結です。すごいなぁ。嫌なヤツを書くのが上手すぎます、坂木さん。
これで完結なんてもったいないな。泣ける度は前2作の方が上だったような気がします、個人的に。
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青臭いと評判が悪い。若しくは青臭いと評判が良い坂木司の引きこもり探偵シリーズ完結編。
最近の事件を連想してしまうからかいじめ描写をリアルに想像してしまってつらかった…。
いやそれにしても良いラストだった。
私は青臭い以上に共依存が怖いなと思ってたので大人になる、という言葉にほっとした。
大人になったからって何もかも平気になったりするわけじゃないけど…やっぱり大人になるんだ。
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とうとう文庫が出てしまった…。ひきこもり探偵。大好きです。殺人ではなく、身近な問題を解決していくお話で、読後の爽やかな事。暖かい気持ちになれます。優しい気持ちになれます。出会えて良かった作品です。
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11月14日購入。16日読了。うむ,なかなか良かった。このあたりでシリーズが終わるのも丁度良い感じ。
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シリーズ完結。
読み終わったあと、あまりの幸せの余韻が大きく涙が流れた。
喜びと暖かさで胸が詰まる。
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ひきこもり探偵シリーズ・初の長編にして完結編。うどんすきが美味しそうでじゅるり。明子さんには何だか同属嫌悪。あの谷越ですら取りこんでしまう彼らと周りの人々のきれいな空間が凄いなとも思う。
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ひきこもり探偵第三弾。鳥井と坂木の関係が、少し変化した完結編。その変化が、どことなく寂しかったけれど、これでいいのだと微笑ましく読み終えました。サブキャラクター達がとてもいい。癒されます。
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3部作の最後。このシリーズを読むと、主人公たちの純粋さにいつも自分の悪さを再確認してしまう。最後に主人公たちは各々、未来への一歩を踏み出す。
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ひきこもり探偵シリーズ完結編。
年末年始用に買っておいた1・2がおもしろかったので,迷わず購入。期待を裏切らないおもしろさ。
私も安次朗さんに美人さんと呼ばれたい。
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ミステリとしての出来がどうこうよりも、このお話は本当に優しいと思いました。
10代の子が問いかけるようなたくさんの問い。でも大人になったからこそ必要な事なんじゃないかな、と。
子供っぽいお話、と言われるかもしれない。でもこの優しさがとても好きです。