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表紙に惹かれて去年買ったもの。
実在(健在)する推理小説作家らが登場人物である。綾辻行人、京極夏彦、北村薫、喜国雅彦などなど、他にもたくさんいらっしゃいます。もちろん竹本健治さんも。
東京都内のある洋館で、竹本健治が漫画を書くことになる。それを手伝いに訪れた竹本健治の友人たち。彼らを包む洋館の謎。そして事件は起こる……。
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まあ某小説家目的で買ってしまったのですが、見知った作家が多数登場するわ実話を織り交ぜるわと色々とネタが多くて楽しめました。こんなに書いてても平気な竹本さんは人徳者なんだろうなあ。
しかし好きな作家が続々と殺されていくと何だか変な気分になります。前作・前々作でも好きな作家が被害者だったり容疑者だったりしたのでもうどうしようかと。
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知的興奮の極!!
古色蒼然たる洋館で古典名作ミステリ見立ての連続殺人事件発生! 錯綜する謎また謎に、幾多のミステリ作家・評論家・編集者たちが挑む!!
詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file4/naiyou6806.html
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あああ、あの人やあの人がこんなことに……ときどき「フィクション」ということを忘れそうになってしまうこのシリーズ(笑)、今回も本来と違う部分でどきどきしていた気がします。
事件も見立て殺人でかなりツボでしたが。やっぱり館がいいよ館が!
とりあえずこれを読むにあたっては、「黒死館殺人事件」を読んでおくべきでしたね(見立て殺人だったのか!)。切実に思いました。実際「黒死館殺人事件」読みたくなりましたよ……いつか読みます、いつか。
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ミステリ作家や評論化が実名で出てくるシリーズの3作目。綾辻行人や京極夏彦の言動が本当にその人のキャラに合っていて凄い。実際に交流があるからできること。
そして巨大で底知れない秘密とペダントリーに満ちた館という舞台を考えると、この作品が『匣の中の失楽』の系譜でもあることが分かる。
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<主な登場人物>
綾辻行人/河内実加/喜国雅彦/北村一男/北村薫/京極夏彦/国樹由香/倉阪鬼一郎/篠田真由美/千街晶之/竹本健治/遅塚久美子/南雲一範/西澤保彦/東雅夫/福井健太/南澤大介 ―
完結!!
歴史的飛翔!!
我らのウロボロスを礼讃しよう!!
竹本は虚構の終結を今までのウロボロスの如く文章の分断をせずに、一つの玲瓏たるシークエンスを構築した。劈いた悲鳴に驚愕する登場人物、殺人事件に隠された宵闇の坩堝。カオス。そして、凋落。
ウロボロスのベクトルを変えることで本格ミステリの回帰、そして、夥しいキッチュとディストピアのインテグレーションに成功したと言える。
いわずもがなこの作品は瀟洒な純正音律であり、エントロピーの封印。その完成品。夾雑物の排除も行われ、衒学たる散文はもちろん、洒落た諧謔も含蓄されている。
白亜の如きの人工物、しかし純度の高い脆弱さを兼ねる館の現れ。華麗なる血痕と見立て殺人。そしてダイイングメッセージ。これぞ戦前より我が国に発生した推理小説ないし探偵小説の末裔であり、正統なる血統。蠱惑的、病的な中毒症状を持ち、禁断症状が免れない完全なる竹本。彼の非凡さはこの作品で間隙なく埋葬される。顕現したのだ。
この「純正音律」の発表までいずくんぞ誰が彼の名作のオマージュだと思っていただろうか。三大ミステリの一つにしてペダンチックの長、『黒死館殺人事件』。黙祷を捧げよう。その著者小栗虫太郎へ。瑕疵一つもない圧倒なる墓標。チューニングされたかのように異物(遺物)と感じられないほど、この双頭の鷲はリンクしている。まるでジンテーゼ!!
そして忘れてはいけない。囲碁。竹本の溢れ零れる才能。それこそが囲碁である。もちろん彼の名著『囲碁殺人事件』や登場人物牧場君を忘れてはいけない。ある意味異端と言っていいほどの戒律を持つ囲碁。竹本の美学はそこにあるのだ。白と黒の支配。その三千世界のルールは相手を殺して奪うのみ。そして決着。ゼロサムゲームではなく、完全なる奇跡であり、二度と起こらない棋譜。そう、まるで、この世の人間と殺人事件の縮図ではないか。囲碁と事件は共に無機質であるが、それ故にその終焉は静謐。たった一回の誤りによって時空は原点より移動する。不可逆に進行していく。嗚呼、その様子は、呵呵大笑せざるを得ない。囲碁、それは桃源郷であり、地の獄であることを誰が知ろうか。竹本自身も迷路で彷徨い続けている、いや、自らその迷図を進行(信仰)しているように見えるのは気のせいか。
この物語のエンドは世界的なる彼ら(彼らは彼らである、そう先駆者にして実践者)に対するイマーゴとして終わった。彼らから矜持(教示)を受け継いだこの小説は彗星のように炯々と光り輝いてそして墜落する。隕石として研究所や博物館に設置され、時には膨大のレプリカが創られるが、それはやはりいかに精巧に作られていてもダミーにしかならないのだ。そうこの作品も幾星霜経過していくにつれ、稀覯本の一冊となり、熱狂的な読者によってイスラーム教のコーランの如く経典になり、そしてまもなく彼は神となる。歴史を刻む一ページに名を残すのだ。
凛と暁光の光が宵闇を退けさせた彼のウロボロスの果てに我々は世界を見て、そして、祈った。これからのミステリの発展を。彼のユートピアを。
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再読。ウロボロスシリーズ第三弾。今作は前作たちとは違って多少は真っ当な話(あくまで比較的にはだが)。ただ相変わらずオチはぶっ飛んでるので沢山の本格ミステリらしい小道具が出てきても普通のミステリと思って読んではいけない。まぁそれはウロボロスシリーズ全般に当てはまる話ではあるけれども。今回は京極夏彦先生もメインに出てきてるぞ。