紙の本
お笑いは“つかみ”が大事。小説も同様だ
2006/11/07 20:39
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:7ひきのこぶた - この投稿者のレビュー一覧を見る
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」−この書き出しで始まる作品は、言わずと知れた『雪国』(川端康成著)である。そして、すぐさま読者は風景が目に浮かび、本に引き込まれる。宮城野昌光は、どの作品かは忘れたが、「最初の一行が書き出せたとき、ほぼ書きあがったようなものだった」というようなことを、あとがきで述べている。ことほど左様に、作品の書き出しは大事である。
本書は過去の芥川賞・直木賞受賞作品の一行目だけを、網羅したもの。配列はコンピュータでランダムに並べ、人的な思惑は入っていない。両賞が設立されたのが昭和10年(1935年)。300本の作品を、時代と作者も“目隠し”で賞味したらどうなるか。案外、昔のものが新鮮に映るかもしれない。もっとも、博覧強記といえるほどの読書量の持ち主なら、大半、読んでいるかもしれないが。だが、私の場合、幸い? なことに、芥川賞は皆無といってよいくらい読んでいないし、直木賞も芥川賞と比べればましという程度。新鮮に読めた。
1ページに1作品の1行。それ以外に情報はない。巻末に「何ページにあるのは誰の作品で、第何回の芥川賞(または直木賞)受賞か」が、載っているから、かろうじて感銘を受けたり、気になった作品はページからはわかるが、逆索引(というより、整理という点ではこちらのほうが索引だろう)はない。だから、例えば「第1回(昭和10年上半期)芥川賞受賞作品はなにか」というのを知ろうと思っても、手間がかかる。それが難点だが、編者はそれを意識して行ったのだろうか。
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芥川賞と直木賞受賞作の一行めだけを
ランダムに載せているという謎な本。
本文に作品名は載っていないのだけど、
でも「石神」という苗字が出てくれば
それは「容疑者Xの献身」だな、とわかる。
そういうおもしろさだと思う。
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衝動買い以外の何者でもない。しかも表紙買い。余白に色々書き込んで〜とありますが、勿体無くて書けません。
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歴代の芥川賞・直木賞受賞作品の文字通り一行目だけを抜粋して掲載している。
もちろんストーリー性などはまったく読み取れないが、最初の一文への苦心のあとを感じようと思えば感じられる。
せめて、巻末とか訳注でいいので、その作品についての寸評が載っていると良かったのだが、分量的にそれは不可能かもしれない。
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タイトル通り、小説の一行目を集めた本。
直木賞・芥川賞受賞作品からの抜粋。
色々想像・妄想してみるのが楽しい。
(図書館本)
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ドキ
全部一行目オンリー。
知ってる話は
”あっ”というアハ体験
知らない話も
”いかにも事件おこるんやろな”とニヤリ
なんか新しい感じの本
もっとほかのばーじょんも読みたいと思う。
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こういうのあまり読んだことがないんですが、面白かった。
小説の一行目だけを抜粋して掲載したもの。一ページに一文だから結構じっくり見てしまうし、強烈なのは目に飛び込んでくる。
作品名は巻末にまとまっているので、余計な先入観もって見なくてすむし。
以下、自分が気になったもの。
いつか読むかもしれないし、読まないかもしれない。読んだことあるのは「空中ブランコ」くらいかなぁ。
「あんたはきっと、来年は忙しくなる」
陸に上がった後も海のことがいつまでも忘れられない。
夜風とともに星明かりが窓からはいり込んで来てるけど、おいら、まだ当分は眠れそうにもなかった。
急な坂道の上に立ったとき、一カ月ぶりの雨が降りはじめた。
その巨大な生物は、荒れ狂う波浪に翻弄されながらも、確かにひとつの意志を持って自らの体をある水域へ運ぼうとしていた。
豚の、スナック「月の浜」へのちん入が正吉と三人の女を真謝島に向かわせている。
『仮面ライダー』のイントロが流れると、若い連中は一斉に笑った。
地上十三メートルのジャンプ台に爪先立ちし、山下公平は軽く目を閉じ、深呼吸した。
次に生まれてくる時はプラナリアに。
可愛らしいピンク色のウサギと青色の子グマが手を繋いで横に並び、眼前に立ちはだかっている。
仮名書露文「―――」と表紙に小さく飾り字ふうにペン書きされた大学ノート七冊を見つけたのは去年の六月の終わり、萱葺き屋根の補修作業のために帰省していた生家二階の隅でだった。
河原の石ひとつにも宇宙の全過程が刻印されている。
数年前、地下鉄神楽坂駅の伝言板に、白墨の字で「平川君は浅田君といっしょに、吉田拓郎の愛の賛歌をうたったので、部活は中止です。平川君は死んだ。」と書いてあった。
知らないひとに、どこか愉快な場所の話をするときには、いきなり扉を開けてその場所の中身をみせちゃだめだ。
→まほろ駅前多田便利軒
→海峡の光
→虹の谷の五月
→聖少女
→遠い海から来たCOO
→豚の報い
→ビタミンF
→空中ブランコ
→プラナリア
→グランド・フィナーレ
→おどるでく
→石の来歴
→赤目四十八瀧心中未遂
→自動起床装置
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直木賞、芥川賞作品の「一行目」に着目し一行目だけを並べた本。
本当に一行目しか書かれていないので直感で面白そうと思えばその作品を手に入れてみるのもいいかも。
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アプリのセールで85円やったし、それならまあよかったかな!って感じ。
内容を知ってるからやろけど、
「スプリットタンって知ってる?」
がやっぱええなあ。
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図書館福袋イベントで出会った本。
(もちろん借り本)
司書さんの発想にはびっくり。
日本語の文を英語にしてみよう。
ていうのはとても良い!してみたい!
と思ったけれど力不足。
でもできるようになったらきっと楽しいかな。
何と無く あ、これは昭和のかな と思って
確かめてみるとやっぱりそう。
意外と感覚でわかる。
平成的なものも中にはあったけど。
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確かに小説の一行目って大事なんだよなーと思わせてくれた本。
いつも読むジャンルが偏りがちなので一行目を参考に本を選ぶのもいいかもしれないと思った。
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一行目で全体を語るもの、あえて隠すもの、一気に非日常に導入するもの、日常を淡々と語るもの、工夫を凝らした跡の見えるもの、ごく自然に出てきたようなもの。。
いろいろですが、これから話を書こうという人には参考になろうと思います。一行目だけ読んで、その後の展開を予想するのもまた良きかな、です。
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賞を受賞した小説の、一行目に着目したのが面白い。やっぱり掴みが大事。
短い言葉で綴られてるのが好きだなって思った。気になった小説を読んでみたい。