紙の本
スリリングな表題作に、わくわくしました
2009/02/08 09:05
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦を舞台にした短篇が二本と、自伝エッセイ風の掌篇が一本、その前後に宮崎駿の漫画「ウェストール幻想 タインマスへの旅」を収めた一冊。
表題作「ブラッカムの爆撃機」が、実に面白かったなあ。1943年のイギリス対ドイツの空中戦。イギリスのウェリントン爆撃機、通称ウィンピーをめぐる怪談話。
まず、見開き二頁にわたって描かれた宮崎駿さんの「主人公ゲアリーの乗る(ウィンピー)C号機」の構造図が有難く、話を読んでいく時に参考になりました。
ストーリーでは、C号機クルーたちの連帯感が生き生きと描かれていたところ。面白かったなあ。途中から、大空の恐怖みたいな話が展開していって、終盤に向かってぐんぐん上昇していくスリリングな感じ。わくわくしました。
爆撃機もの(?)の中短篇では、フォーサイス「シェパード」(『シェパード』角川文庫所収)、稲見一良「麦畑のミッション」(『セント・メリーのリボン』光文社文庫所収)とともに、大好きな作品になりました。
次の「チャス・マッギルの幽霊」は、戦争がはじまった1939年にエルムズ屋敷に移り住んだ少年チャスが、その大きな家で幽霊と出くわす話です。ピアスの『トムは真夜中の庭で』、アトリーの『時の旅人』(いずれも、岩波少年文庫)に似た雰囲気が好ましいファンタジーでしたね。
物語がくるりと回転してフェイド・アウトしていくラスト。Gone,goneと尾を引く余韻に、妙味がありました。
紙の本
児童文学なの?と思える本です
2023/03/30 10:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争を楽しむブラッカム。そのブラッカムの末路。それらを描くことtで戦争で起きる惨さ、悲しさ、恐怖、残酷さを示していました。
これが、児童文学なのか、とも思いました。それだけ、深刻な悲しさがそこに横たわっているからです。
戦争で、兵士として死んでいく者、残された者、翻弄された者、その人たちの思いは誰が償うのか。戦争遂行者は生き残り責任を取らず、国民を犠牲にしたままだ。
やはり、戦争のどこをとっても一つも良いことなんてない。
それを静かに語っているような本でした。
投稿元:
レビューを見る
10月11日購入。31日読了。宮崎勤の漫画が掲載されていてお得感があります。ウェストール面白い。息子たちに読ませたいから揃えようかな…。
投稿元:
レビューを見る
宮崎駿さんが巻頭と巻末に漫画を付けてあると聞き、読んでみました。この巻頭の紹介漫画がかなり興味を惹くものとなっていて、本文の理解にもかなり役立ちます。第二次世界大戦時の爆撃機に乗っている少年たちとおやじさんのお話で想像力が豊かであればあるあるほど、恐怖心が肌に感じられる作品となっています。彼らの会話が耳元でリアルに聞こえてくるような気さえします。当時の彼らの心境や状況を察するには、私には経験が足りなさすぎますが、この作品を読むことで戦争というものの怖さが近くに感じられました。宮崎駿さんの漫画とともに拝見させていただいたことで、より大きなものがこの本から得られたように思います。
投稿元:
レビューを見る
第2次世界大戦中にブラッカム機長の英空軍機S機で起きた不思議な話。いったいS機はなぜ無事に戻ってくるのに、乗組員たちは無事でなくなってしまうのか。金原瑞人の訳はこういう話によく似合う。宮崎駿のマンガもウェストールをうまく紹介してくれて、物語に入りやすくしてくれている。そうまでして新版を出そうとした宮崎駿の意気もまたよし。
投稿元:
レビューを見る
2007年1月にLibroにて購入。
宮崎アニメが大好きなので気になって手にとって見ました。
短編集なので読み易いです。
何ともいえない、戦争に対するウィストールさんの思いを感じる一冊。
投稿元:
レビューを見る
請求記号:933/ ウ
資料番号:020160347
飛行機乗りたちの本①
第二次世界大戦中,ドイツ軍と戦った英国空軍の搭乗員たちの物語です。
主人公のゲアリーは無線士として仲間とともに,いわくつきのウェリントン爆撃機”S機”に搭乗することになります。
”S機”がドイツ軍のユンカースを撃墜した夜から,この機体に起こり始めたある恐ろしい現象とは・・・。
投稿元:
レビューを見る
『ブラッカムの爆撃機』新装版で、2006年に刊行されている。
宮崎駿のカラー書き下ろしをはさみ、短編を1作加え、著者の紹介のページをつけ、旧刊本よりも丁寧な道先案内がしてある。
宮崎駿のカラー書き下ろし効果、大。
投稿元:
レビューを見る
第二次世界大戦中、イギリスの爆撃機に乗り込む戦闘員達の話です。
ほぼその爆撃機の中の話。あとは隊員達に基地での生活を描くくらい。
これは宮崎駿の挿絵付きのを読むといいと思います。
爆撃機のイラスト書いてあるから、内容がわかりやすい。
投稿元:
レビューを見る
深夜読了。
+ + +
宮崎駿監督って、ホント飛行機好きなんだな…。。
と前編を読んでて思いました。
ウェストールの作品は読み始めたばかりなので、感想はまたこんど♪ 2009.06.28.
投稿元:
レビューを見る
確実に子供向けではない。大人が読んだ方か良いと思う。
親父殿のハムエッグを喰いにいくぞの科白が好きだ。
投稿元:
レビューを見る
福武書店から出たときに読んだからいいや、と思っていたけれど、読んでよかった。『ブラッカムの爆撃機』は、今回、鮮烈な印象が残った。訳し直したせいか、とも思ったが、ポイント、ポイントで直しただけで、全体的な調子は変わってない。ウェストールの話もすごいけど、金原瑞人さんの訳文に圧倒された。
『ぼくを作ったもの』には、ウェストールが祖父から受け取ったものが書かれていた。ウェストールにとって祖父は、同じ空気を吸うのもいや、というほど受け入れられない存在だった。それがある時、第一次世界大戦で亡くなった人たちの遺品のいわれを聞く機会があった。物のなかに流れる時間、祖父のなかに流れる時間を共有したあと、自ずとウェストールと祖父の関係は変わる。そして、そういう体験がウェストールを形作ったということなのだ。ウェストールの根っこはここか、と納得させられた。
他にも未訳作品も含めたリストやコンパクトにまとまった伝記が付いていたり、これはお買い得だし、読み得だと思った。
投稿元:
レビューを見る
宮崎駿イチオシの小説。
宮崎駿とロバート・A・ウェストールは顔まで似ている。
付録:宮崎氏によるあらすじと解説漫画。
投稿元:
レビューを見る
日本のホラーと通ずる ゾゾゾ がありました。
べらんめぇ喋りにグッときます。
宮崎駿さんのイラストがさらなる想像と臨場感を引き出してくれるなぁと。チェリーの煙草も登場。
訳者の娘さんが金原ひとみだったり。
投稿元:
レビューを見る
海外文学は苦手だったんですが、これは児童書なので読みやすかったです。チャス・マッギルの幽霊、これはいい話でした。