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紙の本

孤独を知り、愛を見つけたうさぎの物語 子ども達だけでなく、大人のあなたへもお薦め!

2009/03/12 14:30

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る

 心は砕け、さらに砕け
 砕けちりながら生きのびる
 闇を、さらに深き闇を
 通り抜けねばならない
 ふりかえることなく

 本書の見開きに記されたスタンレー・クーニッツの「試金木」という詩だ。物語の副題である「エドワード・テュレインの奇跡の旅」を象徴するかのような詩である。

 主人公は、エドワード・デュレインという名の陶器のうさぎ。フランスの人形師の手による特注のうさぎで手や足、耳が、自由に動かせる仕組みになっていた。絹のスーツや小さな金の懐中時計も持っている。
人形の持ち主はアビリーンという名の女の子。七歳の誕生日に祖母からプレゼントされた人形だった。アビリーンもその家族も皆、エドワードを愛して、家族の一員のように大切にしていたが、エドワードは、窓ガラスに映る自分の姿に陶酔するばかりのプライドの高いうさぎだった。

 物語の冒頭で、祖母がアビリーンに「ペレグリーナと魔女の話」―愛されているのにだれも愛さない姫がイボイノシシに変えられる話―を語った後、「考えてごらんなさい。愛がないのに、どうやって“いつまでも幸せに”くらせますか?」という祖母の言葉が見開きの詩とともに物語の伏線となっている。

 ロンドン旅行に行く船旅の途上、いとこの男の子達から海に放り投げられ、アビリーンとの別れが突然に訪れたエドワードに苦難の旅が始まる。
スザンナと呼ばれ、老漁師夫婦のもとで可愛がられたり、渡りうさぎ・マローンとして渡り者ブルと放浪の旅を続けたり、貧しい兄妹のもとで病気の妹の人形として壊れるほど抱きしめられたり、エドワードは、その先々で出会った人たちのかけがえのない存在となっていった。
 エドワードが出会った人たちは、いずれも社会の片隅で貧しくひっそりと生きていた。プライドの高いうさぎが、その生き様に触れ、来し方を振り返り、自分がいかに恵まれていたかを知り、出会った人たちに心を開いていく。陶器の人形が心を開くとは、その人たちの哀しみや寂しさに耳を傾けること。
 出会いと別れをくり返し、愛することを知ったエドワードは、「ぼくは愛することを学んだ。でも愛なんてつらいだけだった。助けてよ!」と遠く語りかける。心が砕けちりながら生きのびたエドワードは、孤独を知り、愛することを知った。そして、深い闇を通り抜けなければならなかったのだ。

 人を愛するためには、まずプライドを捨て、心を開かなくてはならない。佐野洋子のロングセラー絵本「100万回生きたねこ」を彷彿させるかのようなChapter26に人生の意味―愛することと愛されること―が語られていて感動を呼ぶ。エドワードの心の旅は、少女アビリーンが大人になっていく心の旅とも重なるのかもしれない。あたたかい結末が訪れるChapter27に読者は深く心を癒されるだろう。各章に挿入されているバグラム・イバトーリーンの絵が印象派の絵を思わせるほどに美しく物語の感動を深くしている。
 ケイト・ディカミロは、人間の根源的孤独感を原点に人生の悲哀と人間の愛への深い洞察に満ちた児童向けの作品を生み出すことができる稀有な才能を持つ作家ではないだろうか。愛することと愛されることの本質を知り、深い孤独感が癒される物語として、子ども達だけでなく、大人へのあなたへもお薦めしたい。

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