投稿元:
レビューを見る
理科離れが進んだのは、身の回りにあるものが複雑になりすぎたからだ、という話があります。昔の時計なら、分解するとゼンマイや歯車が出てきて分かりやすかったのに、最近の時計は仕組みが全く分からない。だから、それ以上興味がもてない、というのです。
そこで、そんな日用品に隠された科学の原理を探る、というのがこの本のスタンス。取り上げられている品物も興味深いものばかり。例えば、鉛筆、消しゴム、接着剤、洗濯洗剤、キシリトールガム…とこんな感じで、25項目も取り上げられています。(1項目の中に、2つの品物が取り上げられているものも。)
私が興味深かったのは、家庭用浄水器です。我が家でも妻が、浄水器をつけた上にペットボトルの水を買ってくるからです。仕組みが分かると、多少費用がかかるのは仕方なく思えてきます。
それと、ファクシミリの送受信の仕組みも、読んでみたい人が多いかも知れません。さすがにもういないと思いますが、出たての頃は、書類が電話線の中を通ってくると真剣に思っている人が、少なからず私の周りにもいましたので。
さて、全体的に興味深い内容で、友達にうんちくを語るときのよい参考書のなると思うのですが、私の個人的な感想で言えば、専門用語が多く、意外と読むのが難しく感じました。知らない物質の名前などは読み飛ばしたり、図などを参考にすれば、理解できないということはありませんが、このあたりは個人差でしょうか。
ともあれ、筆者も言っていますが、仕組みが分かれば親しみもわき、使い方も変わってくると思います。今までブラックボックス的に使ってきた人も、これを機会に、少し勉強してみてはどうでしょうか。