投稿元:
レビューを見る
「自然界は物理法則によって支配されている」ことを軸にして、微視的な世界から巨視的な宇宙論の世界までを階層に分けて、各階層の構造について説明をしている。宇宙というスケールの大きいものと、素粒子というスケールの小さいものの繋がりを示していた点や、人間原理を哲学的な面と科学的な面から説明してくれている点が興味深かった。
投稿元:
レビューを見る
原子核と宇宙という物理の微視的スケールと巨視的スケールの関係に迫った本。応用物理学的な要素が強いか。数式もしばしば出てくるので、アレルギーのある人には向いていない。付録の「大きな数と小さな数」がコラム的で面白かった。不満は生物学的なスケールがあまり触れられていないことぐらいか。
・銀河内の星同士の距離は比較的遠いのに対して、銀河団内での銀河の距離は比較的近い。
・暗黒物質がないと数値計算において、銀河の円盤は回転に対して不安定で棒状になってしまう。
・WMAPの3年間のデータから、宇宙年齢は137億年+1.3億年または-1.7億年になる。
・P138 自然界にあふれた不思議なこと
・P141 自然界の絶妙なバランス(大気の窓など)
投稿元:
レビューを見る
素粒子から宇宙まで。この世界の階層構造を読み解く,まことに「スケール」の大きな本。
「宇宙の起源に迫るには素粒子論が不可欠」というよくある話にとどまらず,数式を用いてもっと興味深い事実も教えてくれているのがいい。それも,高校数学を履修していれば充分追えるくらいの内容だ。
特に第4章「微視的世界と巨視的世界をつなぐ」で,微視的世界の基本定数から天体のサイズを導きだしてしまうのは驚いた。恒星や白色矮星,中性子星や
銀河の質量が,陽子や電子の質量に重力/電磁力の結合定数比を組み合わせることでざっと評価できてしまうなんて。ミクロとマクロはこんなに密接につながっているのか…と感銘を受けた。