紙の本
古典的文章法とブログとのミスマッチ
2007/10/13 14:58
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブログの本は多数あるが,文章のかきかたについての本はほとんどない.したがって,本書は希少なものだといえる.とはいっても,本書ではブログの文章を特別なものとかんがえているわけではなく,まずコラムとエッセイに分類し,エッセイのかきかたとして「枕草子」,「方丈記」,「徒然草」という 3 つのコースからえらぶことをすすめている.非常に古典的な分類だといってよいだろう.しかし,文章法について書いているにしては文章構成について書いてないのが弱点である.後半はブログの内容を出版することからはじまり,小説のかきかたまで書かれている.
全体をとおしてみると,中途半端だという印象がぬぐえない.エッセイはともかくコラムはどう書けばよいのかもよく書いてない.著者は小説家なので小説へのおもいいれが書かれているが,ブログをもとにしてどうやって小説が書けるのかもわからない.著者の文章とくに小説に関する古典的なかんがえかたとブログというあたらしいスタイルとのミスマッチを解くことができない.
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「日本インド化計画」という大学サークルは、オウムだった。ブログ文章の入門書だと思ったら、全共闘勧誘文だった。みたいな。
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blogというよりも一般的なエッセイや日記の文章術の解説として読めました。blogの書籍化の裏側なども面白かったですね。
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心の中を覗き込み、自分をどう料理するのかちょっと考えてみる。
どういうキャラに設定したら本当のことが書きやすいか、考えてみる。すると「連帯を求めて孤立を恐れず」というコピーを、地でいけるようになる。
それは案外大切なことでないかと思う。
宇野千代はこう言っている。
先ず、「雨が降っていた。」と書く。或いは「隣の娘が泣いている。」と書く。
座ったその瞬間の、自分の身の廻りのことをスケッチする。何でもスケッチする。正確にスケッチする。それから、そのあとで、それらの具象的なことがらを抽象して、或る結果を書く。その順序で、凡てのことを書く。随筆になったり、小説になったりする。書くことは人によってそれぞれ違うが、先ず、最初は凡ての事柄のスケッチ、凡ての出来事のスケッチ、凡ての情念のスケッチをする。その結果が、人によって、天地雲泥の差があるとは、何と言う面白いことか。
宇野千代「文章を書くコツ」
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難しい。ブログを始めてみようかなと見楽なつもりで読んでみたが,さすがは小説家の書いた本,日記文学の話から始まる。これからブログを始める人向けというよりは,むしろブログに限らず,文章の書き方やテーマの選び方に悩んでいる人向けのように感じる。「とことん好きになれるものを探せ」「ターゲット読者層を絞り込め」という言葉には頷けた。5人,10人に読んでもらえるものを目指す。そのために自分の本当に好きなものを見つけて,その分野の先人が用いた表現を吸収する。確かに闇雲に始めて行き詰まるよりは,好きな分野とテーマを定めて,読んでくれる人をイメージしながら書いていく方が先々発展していく可能性が高いはずである。いい勉強になった。
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タイトルはおもしろかったんだけど,う〜ん,普通の事を書いている。
普通にブログを続けることとか,どんな切り口で行くかとか,とっても当たり前のことばかり。
でも,それができないんだよね。
私もこうやってブログ書いてるけど,とりあえず継続は力なりでおります。
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お手軽な内容だと思って読み始めたが、意外と正統派的というか、
しっかりした内容であった。まぁ、どこらへんが?と言うと、純文学あたりに
まで突っ込んで話しを展開している辺りである。
著者が、アメブロの編集者だからかなんだか作家養成講座的な内容に
なっているのがとても残念だが、それでも文章やブログを続けるための
一助となりえる事は変わりがないと個人的には思うので、気軽に読む事を、
みなさんにお薦めしたい。
そして、要は、
1.自分が好きな事をテーマにして、普通に書け。
2.接続詞や文体に気をつけろ。
3.時間軸を侮るな。
4.ターゲットを限定する。(絞り込む)
の4つかなと思う。これらの自分自身に当てはめて考えると、
本を読むのは好きな事、個人的な内容に関してはリアルタイムで書いている。
ただ、接続詞や文体等までは考えているんだけど、考えてない・・・かな(笑)
こうして考えてみると、語彙力がないなと感じてしまう。というよりも
知ってても、いざという時に頭に浮かばない事が多いかもしれない。よって、
備忘禄的に綴っておこうと思う。
順接:したがって、それで、だから
逆接:けれども、しかし
並列:および、ならびに、また
添加:さらに、そのうえ、加えて
説明:つまり、なぜなら
選択:または、もしくは
転換:ところで、さて
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ブログを書くためのテクニックに限定されず、
文章を「書く」ということについて語っている。
「書く」ということがいかに奥深く、そしてそれを公の場に持っていくことが、著者が言うように「怖い」ことでもあり
だからこそとてつもなくすんばらしい体験にもなる。 なるほど です。
新たな言葉を作り出す人はいない。 すべての人が既存の単語を使って表現をする。 ただしその表現の仕方には無限の可能性がある。 言葉って面白い。
著者の歴史への造詣の深さにも圧倒されました。
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[ 内容 ]
欧米のブログがジャーナリズムを変えつつある一方、日本のブログはタダの日記にすぎないと言う人がいる。
しかし、じつは日記こそ自己表現の原点であり、豊穣なる日本文学の母胎と言えるのではないか。
ブログに何をどう書き、いかに「作品」を生み出すか。
小説家でありブログ発ベストセラーの仕掛け人でもある著者が豊富な事例を交えて語る、Web2.0時代の文章作法。
[ 目次 ]
第1章 「タダの日記」ではいけないのか?
第2章 記事、論文、コラム、エッセイ、小説
第3章 あなたのブログがつづかない三つの理由
第4章 なぜ書くべきか、何を書くべきか
第5章 読みやすく魅力的な文章とは何か?文体をめぐって
第6章 ブログ文学の誕生
第7章 ブログを書籍化する
第8章 小説を書くためには
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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文章を書くことは自分をみつめること。
普段、自分がどのように物事を考えているのかを教えてくれる。
ブログというツールを使って文を書くのが億劫にならないように努めたい。
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文章を書くということは曖昧模糊としたカオスを整理していく過程である。好きなものや自分の体験を言葉にするということは、それらの対象に自分なりの形を与えるということ。
この文章にこの本の価値を見出した。
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恥ずかしいタイトルだが、中身はしっかりしている。
基本的に抽象的な文章論本は好きなのである。
満足度7
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私が複数のブログを開設し、更新し続けている理由はなんだろう?その答えが、この本の中にある。著者の山川さんは、『ほんの少し「書く」ことを意識するだけで、文章は格段に上達する。書きつづけていくことが「書ける人」になるための方法なのだ』と仰っている。そう、私は「書ける人」になりたいのだ。
では、私は「書ける人」になって何が書きたいのか?その答えも、この本の中にある。山川さんは『ブログというメディアには「本音でなければ意味がないのだ」という暗黙の掟が存在するような気がする』と仰っている。そう、私は、自分が気付いた視点を、その視点を必要としている人に伝えたいのだ。
山川さんは「誰かに伝えたいと思える感動を数多く集められる人は、豊かな人生を送れるだろう」と仰っている。そう私は、感動は誰かに伝えることでより大きくなることを知ってしまったのだ。
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抽象的な話が多いため実践的とは思わない。、小説やエッセイ、コラムの定義などは初めて知る事柄だったので面白かった。
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「とりとめもない文章は近代以前の日本文学の王道でありおおいに結構。」「日記は書き手が表現しているから面白い。当たり障りが無いものではつまらない」「今を書く」ここら辺の話が心にのこり、ブログを書く際の心意気に気を入れてもらいました。ただ、著者が1953年生まれのため若干分からない例が多く、共感のズレを感じました。これは世代間ゆえやむなしですが。