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モンテッソーリ、シュタイナー、ピラミッドメソッドなど、世界から賞賛されるヨーロッパの幼稚園を現地取材した本。保育室内を充分に注意を払っていくつかの遊びスペースにデザインし、子供たちに自発的な遊びを促す。先端保育事情は一斉保育を脱しており、自主的な自由保育こそ幼児の成長を促す、という考え方がリードしているようだ。
一方、後半では日本の保育事情に触れているが、ここでは一転して騒乱に満ちた幼稚園・保育園事情を映し出し、一斉保育から抜け出せない現状を嘆く。果てには飽食世代の親たちの欲求が保育現場を混乱させる、とも批判の矛先を向ける。ベストキンダーガーデンについて述べる本なのだから、日本でも自由教育やモンテッソーリ教育やピラミッドメソッドを実践する幼稚園はあり、そういうところを取材してはどうか、と正直疑問に思った。
専門家が保育事情を情緒的に嘆くだけでは、何も解決しないし保護者の不安を煽るだけ。日本の幼保分離を批判しながら、比較分析もなくこども園に中途半端な期待を寄せていたり、と、ロジカルさに欠ける展開に読みながら呆れてしまったが、前半部のレポートには感謝したい。