紙の本
SF?ファンタジー?とにかく不思議な物語です
2007/03/06 21:48
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さあちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙には意味深な目つきの天使。アナンシって何なんだろうと思いつつ著者の写真を見てみればこれが結構イケメン。あらいい男じゃんと思い読み始めたという極めて不純な動機である。
主人公はファット・チャーリーと呼ばれるごくごく平凡な男。ある日疎遠にしていた父親が死亡する。そしてその葬式に出席したチャーリーは驚くべき事実を知る。実は父親はアナシンと呼ばれる神だったのだ!おまけに双子の兄弟の存在まで判明する。同じ兄弟なのに神としての力を持ち魅力的なスパイダーに婚約者を奪われ仕事を滅茶苦茶にされたチャーリーはスパイダーを追い払うため世界のはじまりに行き鳥女とある契約を結ぶ。そしてそのことにより世界は大きく変わっていく・・・
こんな兄弟が突然現れたら頭にくるのは当然。という訳でチャーリーに肩入れしながら読んでいるとどんどんどんどんこの物語に引き込まれていく。まさに蜘蛛の糸に絡め取られるように。ちなみにアナンシとは蜘蛛のかたちをした神様らしい。そして最後にはすべての出来事か整然と繋がってまるできれいな蜘蛛の巣が張られているよう。その真ん中でウインクするアナンシがみえてくるのだ。
この物語の下敷きとなっている神話をまったく知らないので所々これってどういうこと?と思われる場面がででくるがあまり気にしないで読んで欲しい。すべての物語はアナンシのものなのだから。
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何もかも正反対のきょうだいに婚約者を寝取られ、仕事もめちゃくちゃにされ、ついには横領の濡れ衣まで着せられたチャーリー。残された最後の手段は?
バタリ (o_ _)o ~~~ †
最後まで頑張って読んだけどやはり私には合わなかった。
荒唐無稽な小説が嫌いなわけではないんだけれど・・・
小説の内容よりこの翻訳に引っかかったのかもしれない。
どうしても文章に入っていけなかったです。残念。
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苦手なファンタジー。たまにぴたっとくるのがあるから懲りずに読むんだけど、これは…。面白くないわけじゃないけど…。なーんか平板に思えるんだよね…。
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あー面白かった!飛び切り素敵なB級映画を見終わったみたいに、語られる物語に大興奮しましたよ! 何もかも正反対のきょうだいスパイダーに婚約者を寝取られ、仕事もめちゃくちゃにされ、しまいには横領の濡れ衣まで着せられたチャーリー。スパイダーを追い出すために「世界のはじまり」で、ある契約を交わしたが…。 アナンシとは、アフリカの民話や神話に登場するトリックスターで、クモでありクモ男であり、神なのだとか。英雄でもあり道化であるアナンシがこの物語では「物語の神」として登場。現実世界での息子の平穏無事な生活を引っかきまわし、ひっちゃかめっちゃかの大騒動を起こしてくれるのでした(笑)。 だけど、もつれにもつれた人間関係と物語の糸が、見事にあるべき姿へと収まり、最後の最後に美しくも見事なクモの巣が一丁上がり!なところが、たまらなく気分爽快。すかっとします。 それに、全編を覆うコミカルかつユーモラスな雰囲気もたまりません。些細な箇所にもつい反応して、くすくす笑いながら読んでましたよ。愉快愉快♪ ぜひ映像化を!ぜひ「世界のはじまり」の世界の光景を、見てみたい〜!
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上質です。ホントに上質。
読んでいて映像が鮮やかに頭の中に描き出される近代小説は久々に読みました。
実写化したらきっとがっかりするだろうな、とは思いつつ、でも動く絵でこの世界を観てみたい気もします。
ラストも納得して、あぁ良かったなぁという爽やかな読後感に浸ることができました。
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驚くべきことに、上巻であれだけ読むのに苦労した本作、下巻はその半分以下の時間で読破してしまいました!
早い話、面白かったです。下巻。
好きな登場人物はいないわ、内容がよくわからないわで上巻は事務的に、義務のように読み進めたわけですが、下巻に入ってそれが一変。
まず、お気に入りの登場人物ができました。
メイヴ・リヴィングストンと、デイジーです。
二人とも巻頭の主な登場人物の項で一番最後に名を連ねている人物ですが、私が好きになるキャラと言うのは大抵出番が少なかったり、高確率で死亡しますから。
この二人、いや、全登場人物共通して、下巻でひと皮もふた皮も剥けると言いますか、人物像に深みが増すと言いますか。
上巻ではさらりと表面上をさらっただけだった人物像の裏側に触れたり、また、各人それぞれに気づきを得て成長を見せるんですね。
内容も、つかみどころが無く、『?』ばかりだった頭の中が、下巻で『!』に。
無駄に思えるわけのわからない細かな部分まで計算された伏線だったわけです。
途中でリタイアせず最後まで読んで良かったです、ほんと。
話のラストも落ち着くとこに落ち着いてホッとしました。
まさに『お話』的な幕引き。そこが良かった。
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しょっぱなからナンシーおじさんのお葬式でぎょっとした。「アメリカン・ゴッズ」で一番好きだったから。しかし献辞が良い。ウッドハウスに、そして読者に。軽やかでジョークが(翻訳ですら)効いていて、とにかくお腹が空く!良い児童書の条件の一つに私は「食べ物がおいしそう」をあげるのだけれども、西インド諸島の料理やらジェファケーキが食べたくなる。
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本当にこの人が書く物語はすごいと思った.
訳者解説にもあったけれど,二ール・ゲイマンはまさにアナンシ,『物語の神』ですね.
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翻訳家金原さんの翻訳は本当にすごい。欧米とは文化の全く異なる日本人にも海外作品を馴染みやすく読ませてくれる。