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安冨さんの『複雑さを生きる』と同じシリーズでもあり,また橋本敬さんのファンでもあるので複雑系科学への第一歩として読んだ。たいへん触発された。この本で紹介されていたカルロ・ギンズブルグの本は何冊かこれから読もうと思ってる。
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知識が足りず、うまく説明できませんが面白かったです。図書館で借りたんだけど、これは買ってもう一回読もうかな、と思いました。
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[ 内容 ]
ふだん何気ない光景を目にしたり、あるいは何かに出くわしたりするとき、適当なことばではなんとも表せないような違和感を覚えることがある。
なぜそんな感情を抱くのだろうか。
そうした違和がなぜ生まれるのか。
「感じる」「感じない」の“見えない境界”を意識し顕在化させることで、どちらかといえば負のイメージのある「違和」の感覚が、まったく新たな希望の「知」を生みだす源泉であることを示す。
異分野の三人が共感し合うことで創造された佳作。
[ 目次 ]
序章 “境界知”を見出すまで
第1章 違和であり続けること
第2章 境界を生みだす脳と心
第3章 “境界知”の現場を探る
第4章 ことばと“境界知”
第5章 共通感覚の勇気へ
終章 “境界知”のダイナミズム
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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大学時代に第四章だけ読んで積読でした。
フィクション・ノンフィクションに限らずいろいろ本を読みたくなります。知的好奇心を刺激されました。
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π=3 と教わった世代に対し、僕たちが「違和」感を抱いたとする。
僕たちは、彼らの主観との間にズレがあることを「違和」として認識する能力を持っている。
僕たちと彼らを、上空から眺めてみたとする。
両者の間には、しっかりとした「境界」線が引けるだろう。
俯瞰から見出した「境界」は、僕たちと彼らが「異和」の関係にあることを明らかにする。
3.14→3→3.14という経緯に振り回されたことに「違和」を越えて共感(シンパシー)し、それぞれの立場からの苦労話に「異和」を越えて感情移入(エンパシー)することもできる。
僕たちは成長の過程でその能力を身につけてきた。
瀬名秀明らは、これを「境界知」と名づけた。
境界を認識し、違和を異和に変え、或いは違和の領域に留まることによって生まれる、自己に芽生える新たな認識。
その経験を象って物語とし、他人に伝播させ、社会に浸透するモラルをも変革させる可能性に「ダイナミズム」を見出し、看護学・言語学・民俗学・文化人類学などなどを引き合いに出しながら、「境界知」による未来を語る。
自分でも何言ってるのやらさっぱりわかりませんが、本当にこういう本なんだから仕方がない。
少なくとも「境界知」という言葉を知らなかったときの認識には後戻りできない。立派な哲学書であり、なんとなく文学だと思います。
恐ろしく読み難い本ですが、カミュの『異邦人』を語るくだりが最高に面白い。そこを楽しむためには通読しなくちゃいけない…。難儀な本です。
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瀬名さんとJAIST橋本さんの著作ということで,気になっていたので読んでみたわけです.
もともと,境界領域の研究者の方なので,学際研究についての理論展開の書かな?と,思ったら,
人が感じる違和感とか<異和感>について,様々な例を挙げながらかかれていました.
学際研究や異文化コミュニケーションだけじゃなく,日常生活の中で感じる違和感とはどういうものなのか?
と言うところに主に焦点が有った気がします.
結構面白かったけど,散文詩のように書かれた「へー」と面白い感じに読める本で,
新たな知の躍動みたいなものを感じさせてくれるタイプの書ではなかったかんじがします.
でも,瀬名さんが質的研究とか,系の内部に主体が入ったり,外部から記述したりすることの相互作用に着目しているのはおどろいた.
大学組織の労働者ってかんじじゃなく,横断的学際的な人々との相互作用をもつ中で,
やはり統合的な知を得る立場におられる故の洞察みたいなものが生まれているのかもしれないなあ.