紙の本
向かい合う決意
2008/12/21 22:52
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ第1巻、第2巻と、サブキャラクター達の物語を深掘りして来たが、今回は井上心葉のクラスメートである芥川一詩に焦点を当てる。
天野遠子のオケ部への対抗心から、文化祭で劇の上演をすることになった文芸部。演目は武者小路実篤の「友情」。文芸部だけでは人数が足りないので、琴吹ななせ、竹田千愛、芥川一詩が助っ人として借り出されることになる。ところが、練習が始まると、芥川は携帯で誰かに呼び出され、抜け出していく。不審に思った心葉たちが後をつけると、事件に遭遇してしまう。
劇中人物に己の姿を見出し、立ちすくむ芥川。そしてこれまでも渦中の人物と出会い一人傷ついてきた心葉は、今回も傷だらけになりながら、芥川と向かい合い、過去と向かい合う決心をし始める。しかし、芥川が出す独白的手紙の宛名が二転三転するとき、過去の亡霊が現れる…。
次巻では波乱の展開になりそうな予感。
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シリーズ3作目★
思い込みが間違ってたことに気づきました。うまくだまされてたの…今まで…!
終盤はあっけにとられました。爽快。
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ロリ系後輩、ツンデレクラスメイト、妖怪女と、異色ヒロインが揃ったこの作品。怒涛の展開が素晴らしい。野村美月さんは、才能が多々あるお方だ。
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文化祭間近ということで今回は舞台をやることになった文学部。今回は芥川君の話。彼もちらほら出てきてましたがまさかあんな過去があったとは。
「友情」という作品にうまい具合に絡みあっていたと思います。
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自分は愚かしくて仕方がない。
こんな自分は絶対に許されない。
許されてはいけない。
許してもらえるはずがない。
許して欲しいと懇願しても決してそれはありえてはいけないことだ。
だって許されてしまったら自分はどうして良いか分からなくなってしまう。
でも許して欲しい。
愚かしい自分を。
そんなことを考えている愚者が出てきます。
どうして世界はこんなにも自分に冷たいのだろう。
どうして世界はこんなにも敵意に満ちているのだろう。
でも大丈夫。どんな世界であろうともあの人がいるから。
あの人がいれば大丈夫。
あの輝かしい私だけのあの人がいれば大丈夫。
そんな愚者が一人出てきます。
過去に繋がれている僕はきっと誰とも関係を持ってはいけないんだ。
過去に傷を持っている僕は世界と対峙してはいけないんだ。
過去が怖い。過去に繋がれている。この鎖は何時切れるのだろう。
いや切ってはいけないんだ、きっとそうしたら過去が怒るから。
そんな過去に囚われた愚者が登場します。
この味は何の味かしら。
この味はどんな味かしら。
分からない分からない分からない。
でも良いの。
この世にはおいしいものもあるから。
味なんて“想像”すれば大丈夫だから。
だからきっと大丈夫。
そんな文学に取り付かれた愚者が存在します。
様々な思いは人々を繋ぎ、様々な傷に人々を囚われます。
繋がれた愚者達は一様に足掻きますが、それぞれの足掻き方や結果はまるで違っていて。
しかし喘ぐ姿はどれも同じように悲しみにあふれていて。
まるで古びて黄ばんでしまった過去にいつまでも囚われている文学研究家のように愚かで。
しかしそれでも過去があるからこそ人は在り続けることができるのではないかと思います。
これは過去に繋がれた愚者達のお話。
過去という名の鎖は太く、されども酷く脆い。
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芥川くんの過去のあやまち。
文化祭での劇を通して、彼の心を解き放つ。
毎回著名な作品をテーマに描く本作。
面白いですね。本好きにはたまりません。
遠子先輩は今回もモリモリ物語を食べてます。
今回の題材はあの有名な・・・
文芸部が文化祭で演劇をやる?
物語を愛する部活 → その物語を実際に演技したくなる・・・で。
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主人公・心葉と、新キャラ芥川の友情話。そして二人の過去の話。さらに未来への波紋を投げかける話。 いつもながら、懐石料理と一緒にハーブティーを出されている気分になる。 けれど、その本を読んでみたくなる表現方法は上手い。台詞や心情が多すぎてくどいけれど、平易な言葉で書かれているのでわかりやすくて読みやすい。 いつものごとく、内容は重いけれど。
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この本の救いでもある遠子先輩が可愛くて可愛くてvv 心葉くんとのやりとりが凄い好きです。今回の題材は「友情」。
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今回は武者小路実篤の「友情」
シリーズの中で一番よかったなぁ。
芥川君にああいう深い過去を背負わせたのかぁ〜。
今まで、武者小路実篤の作品は独りよがりな印象を持っていたけれど、解釈の違いで、独りよがり=自分の再生のために必要なこと、になっちゃうのかぁ、と感心した。
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前巻とは対照的に爽やかなエンドだった。 この作品の特徴である人物たちの淀んだ心理がどうにも「ウダウダ言ってんじゃねえ!」と言いたくなる。 相変わらず、遠子先輩が妖怪?である設定が浮いており、必要性が感じられない。感じられないが、食べ物の味がわからないということにはなんとなく切なくなる。 芥川の秘密も明らかになり、心葉とななせの関係性の変化にも注目。 衝撃、驚愕のラストに次巻以降が楽しみになること必至である。
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芥川くん(と朝倉〇〇との関係も最後に)
更科さん
小西さん
ななせの告白(中学時代の心葉との出会い)
武者小路実篤『友情・愛と死』
その他
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武者小路実篤の友情は読んだことがことがあったのですが、今回の話ではさほど引用されていなかったように感じます。
3作目にしても未だに話の構成が良いので、買い続けることにしました。
本作で、続きが気になる箇所がでてきたので、読み終わったその日に本屋巡りをしたのですが、
次の巻がみあたらず、その2日後に別の本屋で次の巻をみつけました。
見あたらなくなる前にキープしておくべきと思い、すぐに買い込みました。
2008.04.20. 読了
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今回の主役は芥川一詩。彼の物語であり、コノハが失くしたモノの欠片を取り戻す物語でもある。
すれ違う心と想い、求めあい、傷つけあい、歩み寄る物語。
今回の題材は武者小路実篤の「友情」です。
恥ずかしいですが、私は読んだことがないです、なので、この劇中劇ではじめて内容を知ったかたちですね。
芥川の、過去から現在に続く苦悩と葛藤、その中で芽生えていく信念と友情。
心葉の苦しみと恐怖、そんな二人の背中を押したのは・・・
見せ場はやはり劇中劇かなと思うんですが、それでも、ちあの出てくる場面が好きですね。
基本的にミステリーなんですが
天野遠子は推理はしません、ただ想像をするんです。
本を読んだときに、その物語の世界に思いをはせるように。
とてもおめでたい想像を。
本当にそれはあくまでおめでたい、幸せな想像にすぎないのかもしれないけれど。
そんな想像で、人を救うことはできないかもしれないけれど
それでも。
最後に一言
芥川。。。お前苦労するぞ。。。
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天晴れ、としかいえない。もう、これミステリとはとてもじゃないが言えない作品なんだけど、そんなことを抜きにして、良かった。読めて良かったと思う。
確かに、毎回、愛憎が絡んできて、昼ドラマ風のありがちな動機が飛び交っているんだけれど、そんなことを抜きにして、今回の演劇シーンのクライマックスのカタルシスは良かったと思う。純文学をここまで美味しく料理し、読み手に素晴らしさを伝えるラノベは、他には無いだろう。
毎回毎回、とにかく、有り得ないくらい登場人物が不遇で、救いようの無い話なんだけれど、その環境の中でも、立ち直り、歩き出す姿勢が綺麗だ。美しい。
しかし、作者は昼ドラが好きなのだろうか。
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個人的に『愛と死』の方が好きなので、『友情』に変更されたのは残念でした。でもノリノリの遠子先輩を見ていると『友情』もいいかも…という気分に(苦笑) 原作をもう一度読み返したくなりました。(2008.05.11読了)