紙の本
社員一人ひとりが主人公の会社に
2007/11/19 23:24
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はワタミの創業当時から全社員に向けて毎月一通ずつのメッセージを送り続けているという。それをまとめたのが本書である。「まえがき」で書いているようにそれは「家族的絆」を前提とした社員へのメッセージであるが、単なる内輪話だけではなく、経営を通して著者が常日頃考えていることが分かり、ワタミ社員でも何でもない私にも興味深かった。
第2章で「自然の法則(神の意志)に反しない限りにおいて、時間と予算が無制限であった時、不可能なことはない」と言っている。著者らしい考えだ。条件が合えばこの世に不可能なことはないのだ、と言うのだが、現実的には前提条件や制限条件(時間と予算)があり、その範囲内でゴールを設定しなければならない。勿論、その点にも触れている。
また、第3章ではドキリとさせられることが書かれている。会社の内情を知っているアルバイトからの入社希望がないことの理由を並べているが、このような会社によくないこと(世間に知られては恥ずかしいこと)も本にしてしまってよいのかとも思ったが、そこも著者らしい。ただ、ドキリとさせられたのは、そのことよりも、理由に挙げられている理由(内情)が、私自身にも、また私の会社にも当てはまるのではないかという点。
「社員が明るくのびのびと仕事をし、颯爽として、確信と誇りをもっていて、会社には勢いがある」という理想の会社、社員にとっても魅力的な会社についても語っている。どうしたらうちの会社もそれに近づけるだろうか、と考えてしまう。
著者は2006年に政府の教育再生会議委員に就任されているように、教育問題に強い関心をお持ちの方である。それもあってか、本書の印税は世界中に学校を作るNPO法人へ寄付されるという。
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最初読んでて違和感感じるところもあったんですが、読み終えてこの人は事業を通じて日本を良くしたいんやなと感じるようになりました。ワタミの今までの歩みにしろ、コムスンの介護事業引き継ぎ宣言にしろ、一貫して行動にブレがないところが憧れるところですね。視点を高くそして広くもつことの大切さを感じました。
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心優しい人とは、他人の喜びをともに喜べ、他人の悲しみをともに悲しめる人。「お客様がしてほしいことをする」「お客様がしてほしくないことをしない」、これこそがサービスの原点。「こんな店があってよかったなあ」とお客様に思ってほしくて、私たちは戦っている…。ワタミの創業社長、渡邉美樹氏が全社員に贈り続けた熱きメッセージ集。
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この本は渡邉社長が月2回社内報のために書いたものの抜粋である。
私が勤めるのも、サービス業なのでここに書かれていることは痛いほどよくわかる。
居酒屋和民で起こったクレームや事件について、ここまで書いていいのか、と思うほど正直に自らの恥を公にしている。それは、その失敗を生かすために、みんなで共有しようといった前向きなスタンスのたまものである。
渡邉社長は本気の人である。よく和民のスタンスを「異常」といった言葉で形容する。それはほかに適当な言葉が見当たらないからだ。酔った新入社員から「新興宗教」のようだと言われたという。ある意味そうなのだと思う。和民はただ生活の糧を得るためだけに働く者を求めず、自らの人格形成のために、人類の幸福への貢献を目指している。一般のサラリーマンがいだく、会社の価値観とは一線を画する。
どちらが「まとも」かは、社会が判断してくれるのだと思う。正しい評価のためには一定の時間が必要なのかもしれない。しかし、すでに渡邉社長の夢は、病院の設立や、学校の運営、日本の農業や国際貢献などさまざまな分野で実を結んでいる。
たかだか居酒屋が掲げる崇高な理念。しかし、その「経営目的(理念)」を徹底的に貫く会社運営。有言実行している渡邉社長のスタンスに強く心を打たれた。
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サービスマインドについて知りたくt読書。
15年以上前の内容を中心に構成されている。クレームの質が変化していくのは2000年以降だと認識しているので、最近の様子を知りたいと感じる。
接客業、対面サービスは大変だと思う。特にお酒が入る業種、仕事はクレームの質も想像を絶するものがある。そんな中で信念、社訓を貫き通せるのはすごいことだと思う。特に組織が大きくなると往々にして創業者の意思は伝わりづらくなるものであるから。
著者は今年の東京都知事選挙へ立候補したが、個人的には超巨大企業”東京都”の経営を拝見したかったものだ。
最後の泥棒からの手紙が印象的。
まえがきにもある本来、人間がもつ「思いやり」や「誠実さ」「謙虚さ」「感謝する心」などの資質をたかめるためである(p5)
品格、原理原則主義でこれも強く印象に残る。
読書時間:約45分
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仕事への意欲が減退しているとき、喝を入れてくれる本。
自分の甘い考え、姿勢を戒めてくれる。信条のような部分はさておき
仕事の厳しさを再認識させてくれる。