紙の本
マット・スカダー・シリーズ最新作、殺人鬼VS探偵
2007/09/09 23:32
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私、あんまりハードボイルドについては、熱心な読者でなくて、
この有名シリーズ、マット・スカダー物もきっちりフォローしておりません。
でも、最新作だとかで、二見書房もハードカバーのでの出版と力の入れ様で
読んでみました。
著者とともに、年を重ねたマット・スカダーも
御年、60いくつで、のんびりと(!?)AA(反アルコール活動)に通っています。
そこで、知り合った、女性の彼氏の素行調査を依頼されます。
一方で、殺人鬼がスカダーの妻、エレインの店でナイフを購入。
殺人鬼がひたひたとスカダー夫妻に迫ってくるのですが、、、、、。
ハードボイルドならでは、短い現在形を多用した研ぎ澄まされた一人称の文体に付け加え、
殺人鬼の描写は、三人称で書かれています。
これ、前作「死への祈り」の完全なる続篇でして、
前作読んでいない、私は、ちょっと戸惑いましたが、
前作は、この殺人鬼が逃げるところで唐突に終わっていたそうな、、、。
この殺人鬼、(名前は、最後まで曖昧に表現されています)
本当に悪い奴で、この人物造形に戦慄させられます。
(自分の身代わりに罪をきせた奴が、刑を執行されるのを、
見に行くぐらいですから)
この強烈な殺人鬼のパートに引っ張られ、
スカダーの活躍がちょっとぼやけてしまった感じで、
スカダーも著者のR・ブロックとともに歳とちゃったなぁ、と思っていました。
R・ブロックも半分引退の身だとかで、
ただ、スカダー共々、のんびり執筆活動をしているみたいで、
その、のんびり歳をとることを楽しんでいる雰囲気は、充分味わえます。
これから、本書を読まれる方は、前作「死への祈り」を読まれることをオススメします。
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大好きなマット・スカダーシリーズ最新刊。なのに……なんつうか、最後なのかもと邪推してしまうぐらい、シリーズを振り返る描写の多いこと。いや、スカダーももう68歳だし、本当に終わるのかもしれないなぁ。 (2006.12.21 読了)
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10年4月3日開始
10年4月21日読了
スカダーシリーズもこれで終わりなのかな?過去の作品を振り返る内容が多く、シリーズを締めくくる意図で書かれたとしか思えない。確かに70歳近いスカダーを狂言回しにしたミステリは書きにくいんだろうけどねえ。
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久方ぶりのマット・スカダー。こんなだったかな?もうほとんど守りに入っているという感じ。でも機知に富んだ会話や、軽妙な言い回しは、読んでいて心地よい。内容が、陰惨で、むごいという事は別にして。出来ればまだまだ続編を読みたい。
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マット・スタガーシリーズの最新作。前作から数年ぶりの作品である。ストーリーは極めてシンプルだ。乱暴にまとめて言ってしまえば、主人公のスタガーに恨みをもつ殺人鬼とスタガーの対決。プロットのつくりは、さすがにローレンス・ブロックという感じはするが、スタガーと殺人鬼の対決、というテーマに沿って考えれば、謎解きの要素等もほとんどなく、一直線に話は進んでいく。それでも、というか、そういうシンプルさは何の関係もなく、一気読みの面白さであった。ただ、それは私がこのシリーズをずっと読み続けていて、このシリーズの登場人物をはじめとするシリーズそのものに、かなりの愛着を持っているからであろう気はする。このシリーズで、私自身が最初に読んだのは、「八百万の死にざま」である。先日、このブログに感想を書いたスペンサーシリーズで海外ミステリーの面白さに目覚め、読書と言えば海外ミステリーばかりを読んでいた時期に出会った本である。この「すべては死にゆく」がシリーズ16作目ということであるらしいが、もちろん、シリーズの全ての作品を読んでいる。一時は、一番好きなミステリーのシリーズであり、マット・スタガーは一番好きな主人公でもあった。All the flowers are dyingというのが、この作品の原題である。これは、なかなか考えさせてくれる題名だ。スタガーは68歳になるらしい。作中、スタガーが妻や友人との会話のなかで、周囲の人間がかなり死んでゆく年齢になってしまった、という意味の会話をかわす場面がある。実際、スタガーの妻エレインの親友であるモニカは、この殺人鬼に殺されることになってしまう。あるいは、ダニー・ボーイという登場人物が、自分が癌に冒された際に、何のためにか、自分の知り合いで死んでいってしまった人の記録をつけていた、というエピソードが出てくる。またこの小説は、ニューヨークが舞台であり、スタガーとエレインの住むフラットからは、テロリストにより崩壊させられた貿易センタービルをかつてはのぞめた、という設定になっているし、そのエピソードは作中に何度か登場する。周囲の人たちが死んでいってしまうことに対する嘆きみたいなものを題名にこめた、というのが私自身の解釈なのだけれども、実際にはよく分からない。英語の原文で読めば、もう少し何かが分かるのかもしれないが、そこまでする気はない。訳者のあとがきがあり、その中で訳者は、この作品がシリーズの最終作になるのではないか、という推測を述べている。たしかに、そういう雰囲気を感じる。が、私としては、題名がAll the flowers "have died"になっていなかったことに望みをたくしつつ、シリーズの継続を願っている。
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前作から五年、ようやく決着がつくといった感じです。ひょっとするとシリーズ最終作なのかもしれません。振り返ると、多くの人々が登場し、去っていきました。
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ブロックの『処刑宣告』と『すべては死にゆく』読了。
スカダーものは『死にゆく』で最後なのかな。読み応えがあった。シリーズを通して読んできたので色々と感慨深い。 スカダーと刑事との話で、昔なら自分で解決するものを人に委ねている場面が印象的だった。スカダーも年をとったんだなあ。
9.11ツインタワーが象徴として何度も登場した。
...2008/08/05
※その後2011年に『償いの報酬』が出版されている。
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はらはらし通しだった。
前作の終わり方から言って、こういう展開になることは
ある程度予想はしていたが。
マット・スカダーに危険がせまる話は今までもあったが、
タイトルが"All the Flowers are Dying" なので、主要な人たちが、
次々に殺されてしまうのではないかと怖れて、
読み止めることができなかった。
次の作品が、最後の作品になるのだろうか。
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マットスカダー第十六作。
原題"ALL THE FLOWER ARE DYING"。
ほぼ前作の続編。
前半の展開は正直ちょっと間延びしているが、ラスト三十ページの展開は圧巻。
はっきり言ってスカダーっぽくないが、それだけ鬼気迫る感が出ている。
オールスター総出演の走馬灯は、ここまで全シリーズ読んできた自分としては、
ぐっと来るものがあった。
それにしてもマットの「老い」をものすごく感じる。
もう「皆殺し」の時のようなアクションは無理だろうし、
動き回る探偵としての活動はもう難しそうだ。
この後まだ「償いの報酬」がある。
これは回想とのことなので、今後続けるとしたらこういう形になるのだろうか。
しかし、ブロック自身ももう七十半ばである。
今後どれだけスカダーシリーズが出版されるかわからないが、
次回作が最後になる可能性もあるのだなあ。