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紙の本
”擦れ違い”が不可能となりつつある現代日本。最後のフロンティアは自衛隊にあり
2007/03/05 22:14
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つきこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
甘々恋愛モードにどっぷりと浸かってみたい気分だったので本書を手にとってみました。
全6編からなる短編集、全編甘々恋愛モード全開ですなのに、なのに何だか笑いの連続でした。爆笑、失笑、忍び笑い。
甘々恋愛モードに浸るには私自身がやさぐれすぎたのか、それともしょせん甘々恋愛バナシはたから見るとコメディでしかないという人生の真実をさりげなく衝いたものか。
(とはいえ”トイレが取り持つ仲”ロールアウトは掛け値なしによく出来たコメディですが)
「恋は始まるまでがいちばんいい」というこの本の帯にある北上次郎の言葉にしみじみと肯けるあなたはこっち側。そんな事ない、と思うあなたはあっち側。
とはいえ読後感の楽しさはこっちだろうとあっちだろうと同じく面白かったとなるでしょう。良くも悪くも恋愛は人の感情を上下に揺さぶります。この小説はうまく上方に振れた恋愛における楽しい・嬉しい上澄み部分をこれでもか、と読ませてくれます。
かつて恩田陸は「ライオンハート」のあとがきで「メロドラマと言えば擦れ違いであるが、きょうび擦れ違いをやるのは難しく、成立するのはSFしかないと思っていた」と書いていましたが、なんのなんの現代日本には自衛隊という最後のフロンティアがありました。
”すれ違い”や”会いたくても会えないもどかしさ”といったメロドラマには必須の要素も自衛隊という特殊な舞台を持って来る事でやすやすと解決。普通の恋愛模様も”自衛隊”という特殊なフィルターを通すと何だかドラマチックに変身してしまいました。まぁ同時に自衛隊の閉鎖性や特殊性も浮き彫りとなった訳ですが。
おおむね女の子の押しが強く男性陣は受身勝ちですが、日々厳しい訓練で鍛え上げられた肉体に実は相当真摯に彼女を思っているらしい、という女性にとってはパラダイスのようなお話ばかり。自衛隊員の株が上がりそうな話ばかりなので老婆心ながら苦言をひとこと。
人は立場で作られる。職業から醸し出される雰囲気というのはあるものです。制服を脱いだときの中身が肝心なのですよ、お嬢さん方。
とはいえその職業ゆえに長く不遇をかこっていた彼らがようやく普通の人と同じラインに立てた事を寿ぐべきか。
自衛隊ものを書かせたら有川浩、その評価を不動のものにする一冊に違いありません。
紙の本
幸せな恋愛
2007/05/22 22:27
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kasatok - この投稿者のレビュー一覧を見る
各作品ともそれぞれの世界の中で、みんな頑張っているんだ!
と言う雰囲気があってとても好感が持てる。
激甘の恋愛小説、と言うことで敬遠していたけど、海の底、
空の中と読んでしまうと読まずにはいられなくなって、買ってしまいました。
やっぱり、根っからの悪人がいないっていうのが救われます。
どの作品も、読み終わって気持ち良くなれるのが素敵でした。