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物理学に興味がある人が必ずしも哲学に興味があるわけではないでしょうが、哲学に関心があるヒトの多くが、物理学や天文学、自然科学には大いに関心があります。
それは、自分の存在や、時間や、生き方そのものを問うとき、世界の物理事象がそれに影響してくるからです。
ニュートンの力学的世界から、アインシュタインの相対論的世界観、量子論的世界観に移行すれば、世界認識、時間認識に対する哲学的思考も変化して当然です。
デカルトなのか、ライプニッツなのか・・・ということではなく、ただ思考あるのみなのですね。
表題は「時間はどこで生まれるのか」というものですが、どこで生まれるか・・・という回答はありません。
色は波長、温度は振動、だから、ミクロの世界では色も温度もありえない。時間もまたアナロジックにミクロとマクロでは思考方法が異なる。
・・・というのは、目からうろこかもしれません。
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哲学のジャンルで「時間とは何か?」というテーマの書籍は色々あるのだけど、
近代物理学の成果を踏まえた、時間論の本はあまりない。
哲学者は、あまり最新の物理学に明るくないし、物理学者の専門家は「時間」という基礎的な事をテーマに本を書かない。
だから、こういう本はあまりなかった。
しかし、一般の僕らにとっては、時間というものへの興味はつきない。
哲学と科学の間の、知的好奇心の隙間を埋める、とてもいい本。
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物理の考えで、時間を考えるとどう見えるかを解説。
物理的時間と人間的時間が、色と温度とおなじように異なることを考察。
大変興味深い内容、面白い
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確か「タイトル負けだな〜」と思った記憶あり。
私が期待していたのはもっと哲学的・心理学的なアプローチだったのだけど、これは物理学から(のみ)のアプローチだったので、もっと主体的な時間についての話もしてくれるとよかった。
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「自分が感じている時間は自分だけのものであって、他者が感じている時間は自分の時間とある関係で結ばれてはいても他者のものでしかない」。
この本を読んだら、同じ時間を共有している相手でもどういう視点でその時を過ごしているのか気になるようになりました。一秒とは「セシウム一三三原子の基底状態の二つの超微細エネルギー準位の間の遷移に対応する放射の九一億九二六三万一七七〇周期の継続時間」だそう。ムズカシイ!また読み直します。
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時間はどこで生まれるのかという問題は解決したとしても、なぜ、意志などというものが生まれるのかという別の問題が生まれてしまっている(別の問題にすりかわってしまっている)ように見える。結論に、「意志」だとか「自然選択」だとかいう抽象的概念を使うようでは、明快性に欠け、ある種宗教のようにすら感じてしまう。少なくとも、物理学の明快性からはほど遠い。
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かなり哲学的で発想の転換を必要とする内容だった。ただ、説明は難しくなく、ロジカルで分かりやすく書かれていたと思う。
で、気になるタイトルの問いへの回答としては、人間が感じる時間というのは意識の産物にすぎないとしている。時間というのは色や温度と同様に我々人間の脳が感じた結果であり、時間が過去から未来への一定方向に流れていくのも人間の記憶の蓄積による感覚に過ぎないと説いている。確かに何となくそんな気がしてくる。
で、純粋な物理量としての物理的時間にはそういった時間の方向という概念はないらしい。この辺は分かるような分からないような。。。
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いわゆる
「時間をどこで作るか」
というビジネス書ではありません。
かといって哲学の本でもなく、純粋に科学の本です。
新書ですが極めて難解。
ある程度理系の知識がないと読むのに疲れるかもしれません。
しかし内容はかなり刺激的です。
理論上この世には時間を逆行する粒子が存在するなど、
凡人にはおそよ想像できない考え方が展開されます。
著者は大学受験の時にお世話になった参考書(物理)の
著者で、その時の参考書は大変分かりやすかったのを
覚えています。その分かりやすさがこの本にも反映されており、
ド素人な私でもなんとか読破する事ができました。
「最新の時間論というのはこういう事になってんだ」
というのをなんとなくわかったような気にさせてくれる
一冊です。
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もっと時間について奥入りしたかったのでこの本を手に取りました。
前半にたらたらと物理学を述べていましたが、結局何が言いたいかよくわかりませんでした。
でも時間の根底は理解できましたよ。
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時間論についての書籍。
一時期、宇宙論にはまっていたときから、時間論については読んでみたかった。
ミクロな世界において、時間は存在しないが、マクロな世界においては発生する。
そこにある違いは、秩序であり、意思決定である。
過去の記録と、新たな選択が時間の流れを決定するということは非常に納得できた。
また、エントロピーの法則から時間軸を遡ることが不可能であることを説明。
素晴らしい考察であると思った。
久々に、この分野を深ぼりしたくなった。
おススメ。
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特殊相対論の平易な概説に始まり、時間という概念を複数の重要物理理論の観点から斬りこんでいく切り口は面白い。哲学物理という新たなジャンルの萌芽か。
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アリストテレス『自然学』
アウグスティヌス『告白』
カント『純粋理性批判』
ニーチェ『ツァラトゥストラ』
ハイデガー『存在と時間』
ベルクソン『創造的進化』
梶山雄一訳『二十詩篇の唯識論(唯識二十論)』
竹村牧男『唯識の構造』
入不二基義『時間は実在するか』
滝浦静雄『時間-その哲学的考察』
渡辺○『時間の歴史-物理学を貫くもの』
渡辺○『時間と人間』
科学者
ポール・デイヴィス『時間について-アインシュタインが残した謎とパラドックス』
ピーター・コヴニー『時間の矢、生命の矢』
リチャード・モリス『時間の矢』
田崎秀一『カオスから見た時間の矢-時間を逆にたどる自然現象はなざ見られないのか』
数理科学編集部『時間論の諸パラダイム』
哲学者
植村恒一朗『時間の本性』
中山康雄『時間論の構築』
大森荘蔵『時間と存在』
大森荘蔵『時は流れず』
中島義道『「時間」を哲学する―過去はどこへ行ったのか』
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物理学による時間論。人間が感じるものとしての時間という方向に行かずに、あくまで客観的に時間を語ることで他の哲学書とは一風変わったモノになっている。ものごとを突き詰めていくためには、さまざまな視点から考えることが必要なので、こういう時間論がもっとあっていいと思う。
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科学音痴として、5章までは星4つ。世界系の小説やらアニメで取り上げられる法則の方向性を知る事ができる。作者も言っているとおり、専門的な説明を一切排除しているところがいい。あくまでも文学的にやってる。
しかし、6章以降の失速感、これはもったいない。まとまっていないことに疑義を持つべきではないのかもしれないが、省いてくれてもいいとさえ思った。~だから○○である、に「え?」となる。科学おんちにはおすすめ。
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平易に書いているぶん誤解されやすいし、また「人間の思考が時間を作る」風のインパクトあるまとめもあるので誤読されてしまう面もあるんだろうな。
面白い本だった。