紙の本
というわけで「失踪日記」の便乗本。それ以上でも以下でもない。
2008/07/07 15:47
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
コシマキには「『失踪日記』の吾妻ひでおがすべてを語りつくした日記三部作完結編!?」とあるが,巻頭の描き下ろしマンガ「受賞する私」には「てかこれ『失踪日記』の便乗本じゃないのっ」「そうすよ」「…」「…」という編集者とのやり取りに続いて「皆さんこの本買わなくていいです!漫画だけ立ち読みしてください」という作者の独白が(笑)。
本編(というのか)であるインタビュー部分は,別冊漫画ゴラクに連載したものがモトになっているらしいが(その手の漫画雑誌を読まなくなって随分経つので伝聞調),これがなかなか読ませる,というか面白い。確か「うつうつひでお日記」を読んだ時,ここに「こういう読み物の評価ってのは基本的に書き手に対する興味の関数なんだ」,てなことを書いた覚えがあるが,インタビューもそうだよね。
我が身を振り返れば失踪話よりアル中話の方が(いまのところは,かも知れんが)身につまされ,「コントロールできなくなっちゃうのが依存症だから,普通に夕方何時から飲んでっていう人は依存症にはならない」という言葉に胸をなで下ろしたり……なで下ろしててどーすると思うかも知れんがなで下ろしちゃうものはしょうがないの。で,そのなで下ろしちゃう心根の底をよーく見据えると「だって依存症になったら吾妻さんみたいに酒飲めなくなっちゃうんだぞ」ってのがあるわけで,これはもう潜在的には依存症かも知れません(お願いですから誰か「違いますよ〜」と言ってください)。
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『失踪日記』がバカ売れした時、あ、やばいな、と。こんな調子で吾妻作品がもし売れ続けることがあったら、日本はとんでもないことになるな、と。でも、売れなかったみたい。非常に安心した。まあ、がっかりも、した。世間はロリコンブームのように見えるけど、実はそうでもないのかもしれない。要するに、「3次元が駄目だから2次元」という人員が多すぎるのかもしれない。それはたんなる病理な気もする。
本の内容で一番面白かったのは、やなせたかし(アンパンマンの人)への悪口。あの人に、気に食わないジジイだ、とか、言えるのはこの人だけだと思う。
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『逃亡日記』(吾妻ひでお)は、最近の吾妻さんの作品の『失踪日記』、『うつうつひでお日記』に続いての「三部作完結編」といったところか。『失踪日記』『うつうつひでお日記』が漫画で書かれているのに、多少の漫画はあるものの『逃亡日記』は、対談のみ。漫画家デビューから最近の大ブレイクの今日までのあれこれはわかるにしても前2作と比べると、もう少し漫画で表現して欲しかったと思った。
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これは,2005年度の漫画界の話題を総ざらいにしたヒット作「失踪日記」の便乗本だそう(著者自身みとめている)。が,悪くない出来。中身は,失踪日記の内容に沿ったインタビュー形式の文がメインで,その他,失踪時のゆかりの地巡り(写真),編集さんや奥さんや娘さんなど関係者の証言(笑),漫画によるイントロダクションと後書きなど。失踪日記では描けなかったというエピソードが満載なので,失踪日記が好きな人なら「買い」では。
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「失踪日記」の公式(?)便乗本。インタビュー集ですね。
吾妻ひでおのマンガ家としての歩みがかなりの分量を占めている。
「失踪日記」が売れて評価されたのはいいけれど、ロリとSFとナンセンスという三大得意技と全然関係ないと文句言ってるのが可笑しい。
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「失踪日記」と一緒に読んだ。中島らものアル中が「耽溺」だとすると、吾妻さんのアル中は「惰性」なのかな?って思った。いや、よく解からないけど。とりあえずホームレスには憧れる部分もある。2007.12.1
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2007年2月25日読了。
「失踪日記」「うつうつひでお日記」に続く三部作完結編? でもこれ全部違う出版社からなんですけど。いままでのはマンガ日記だったのが、こちらはマンガ少々、文章というか編集部のインタビュー形式がメインですね。マンガはかなり深刻な内容でも笑えるんだけど、言葉でリアルに伝えられるともうなんというか、すっごいの。口絵の、メイドさんと一緒に失踪地を歩く写真がたいそう和みますが、内容はそれに思いきりダマされます(^_^;)
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インタビュー本。前半は失踪日記の副読本的要素があるので、先にそちらを読んだほうがいいです。後半は半生記、面白く読めました。
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内輪ネタだけでもたせた本。漫画の中に、これは「失踪日記」の便乗本ですよ。という言葉があるが、まさにそんな内容です。
漫画だと読めるが、活字で読むにはちょっとしんどいかな。
というところもあります。
一般的な読者には向いていないのでは。
少なくとも「失踪日記」を読んでからこれを読むべきだと思います。
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『失踪日記』の便乗本(笑)。インタヴューが大半で、『失踪日記』の失踪MAPに楽屋落ちなど、『失踪日記』を補完する内容になってるので、『失踪日記』を手元に置いて言及箇所をチェックしながら読んだら、楽しいかもしれない。 印象に残ったのは、後半の吾妻ひでお自らの漫画史を語る(漫画家残酷物語)とアル中の話。体験談だけに説得力ありあり。こんなに簡単に人間て、アル中になれるんですねえ(怖)。アルコールを受け付けない体質に、思わず感謝しちゃった。 アシスタントAこと奥様による『失踪され日記』が読みたかったりして(笑)。しっかし素晴らしくよく出来た奥様&娘さんですねえ!
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著者自ら認めている「失踪日記」便乗本。
「失踪日記」では描けなかった部分を文章化。
「買わなくていいです!(巻頭の)漫画だけ立ち読みしてください。」
との作者の言葉に、一層の興味をそそられる。
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これ、やっぱり、奥さんがなによりもすごいよな~。
なんで、こんないい人のところから、逃げたいと思うのだろうか?
いったいなにから逃亡しようとしているのだろうか?
逃亡と放浪癖は、同じものですか?
やはり、芸術家だからか?
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一部に熱狂的なファンを持つカリスマ漫画家が、次第に仕事が減り、それに反比例して酒量が増し、アルコール依存症とうつ病を併発、死に場所を求めて放浪するうち路上生活者となった・・・その過程を切実に、そしてコミカルに綴った『失踪日記』(イースト・プレス)は数々の漫画賞、文芸賞を受賞した。本書は、この『失踪日記』の便乗本とのこと。(本文中で「便乗本」と開き直る、その潔さは見事だ)
もうね、他人事じゃないですよ。もちろんカリスマと自分を比較するのは無謀だと百も承知だが、途中までは身に覚えがありすぎる。深刻なアルコール依存症にならなかったのは、私の内臓が日常的に酒を飲み続けられるほど頑丈ではなかっただけのこと。
著者は現在、酒を断って漫画家として復帰している。とても喜ばしい。それにしてもエピソードの中に知ってる編集者が出てきて、笑いながらも背筋が寒くなった。
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本人が書いているように「失跡日記」の便乗本ではあるけれど、それはそれで読ませる。
吾妻本人を楽しむための本、という感じで、少なくとも一時期雨後の竹の子のように出てきた「水木しげる本人を楽しむための本」よりは内容があるような。
(誤解の無いように書くと、僕は内容の無い水木本はかなり好きである)
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「失踪日記」をフォローするような内容で、本としてはまずます。でもインタビュアーの人はだいぶ存在感がある人のように感じたので、なんとなく気になった。でも昨日この本を読んで、実際に吾妻さんがホームレス暮らしをしていた小金井公園に行ってみたのは面白かった。