サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

聖海のサンドリオン 陽に咲く姫と鏡の女王 みんなのレビュー

文庫

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー2件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (0件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本

幸せを運ぶのは「ガラスの靴」ではありません

2007/02/27 21:47

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オカメインコ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「無償の善意」という言葉を聞くと、一般的にはどんな印象を受けるものなのだろう?どこか綺麗事のようにしか聞こえなかった私は、この作品によって意識を変えられた。
 サンドリオンとはシンデレラのこと。
「世界一不幸な姫」とあだなされる王女サンは、継母の策略により島を追われ、船は嵐で転覆し……と、のっけから主人公の不幸度満点で始まったこのシリーズ作品も本書で5作目、そして、完結である。
作品舞台は、陸地のほとんどが水没し多くの人が海上で生活をしている未来の地球。ここでは海神たちが世界を治め、サンドリオンに限らず、白雪姫、青い鳥などなど、様々な童話を部分的に散りばめたユニークな冒険ファンタジーに仕上がっている。
 紆余曲折を経て、本書ではいよいよ島を乗っ取った継母であり現女王との決着の時を迎える。冷酷非道な継母から島を取り戻すことはもちろん容易ではない。味方にも、甘い考えだと言われても「誰にも死んでほしくない」の一点張りで主張を曲げようとしない主人公の”誰も死なない革命”の結末……なるほど、そうきたか!と、実にこの作品らしい決着のつけ方が、とても気持ちよかった。
 シリーズを通してずっと主人公の成長物語だと思い読み続けてきたが、実際幕を閉じてみれば、主人公の影響によって周りの人たちの心が変化していく物語だったように思う。
そして、この作品にはもう一人主人公がいた気がする。主人公の護衛のエスピオンだ。彼のための作品であったといっても過言ではないと感じるほどに、彼の背負った使命や、心の動きがツボで乙女心を刺激されドキドキさせられた。ね?女性読者の皆さん(笑)
 ただ、主人公があまりに純真無垢すぎるところや、童話要素が強いせいか、全体的にぬるさのようなものを感じてしまうことは否めない。でも、ぬるいけれど、クセになる心地良さのある作品だ。これからますます面白くなっていくだろう作品なのに、なぜここでシリーズ完結なのか。実にもったいないと思う。
 「無償の善意と真っ白な心」がテーマだったというこのシリーズ作品。
元々のサンドリオン(シンデレラ)の作者であるペローの『完訳ペロー童話集』の「サンドリヨン」の最後に、こういう教訓が書かれてある。
『美しさは女性にとってまれな財産、
みな見とれて飽きることはない、
しかし善意と呼ばれるものは
値のつけようもなく、はるかに尊い。
これこそ名付け親がサンドリヨンにさずけた賜物、
(中略)
美しいかたがたよ、この贈物は、美しく髪を結うことよりはるかに大事、
男の心を惹きつけ、目的をとげるには、
善意こそ仙女の真の贈物、
それなくしてはなにも出来ず、それあればすべてが可能。』
 サンドリオン(シンデレラ)は、ガラスの靴によって幸せになったのではない。どんな辛い目に遭っても他人のことを思う心を忘れなかったからこそ幸せを招き寄せることができたのである。
善意が善意を呼び、人と人の間に懸け橋を築いていく。本書では主人公・サンがその役割だったが、きっと誰もが懸け橋を築くことはできるのだと思う。
 この作品でいうところの、私たちが生きる”オールドアース(西暦の時代)”に、「無償の善意」はちゃんと存在しているだろうか。考えずにはいられない。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2009/12/17 22:25

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2 件中 1 件~ 2 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。