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2007/4
ツレから借りて読んだ。
「樋口有介は、主人公が停滞していて面白い。が、これはさほど停滞していない」らしい。
結末はむごい。端々の言い回しや地の文が凝っている。
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女子大生・三浦鈴女は、中学時代の同級生が相ついで殺害されたことに衝撃を受ける。彼女たちは二人とも、右肩に刺青痕があった。刺青同様に二人が消したかった過去とは何か。第一の、アイドル殺害事件のレポートを依頼された柚木草平は、鈴女たちの中学時代に事件の発端があるとみて関連性を調べ始めた―。鈴女の青春と、柚木のシニカルな優しさを描いた傑作、初文庫化で登場。
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登場人物の超然としたセリフ回しと諦めにも似た世界観がたまらない樋口有介の「柚木草平シリーズ」4作目・・・かな?
主人公は、過去の同級生が相次いで殺された事件に首を突っ込む文系メガネ女子大生。青春小説+柚木という感じで、柚木草平は事件解決のためにちょこちょこ出てくるだけなので、草平ファンには物足りないかも。若い人達に囲まれると柚木さんもおじさんですねぇ。でも、作者もあとがきで触れていますが、カッコ良すぎないか?柚木さん。
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元警察でフリージャーナリストの柚木草平シリーズの4作目。
今回は、三人称で、女子大生三浦鈴女(みうらすずめ)も事件に絡む。
うむむ。
一人称でない柚木が、いまいちなのは、どーしてなんだろう。
元同級生だったアイドルと、アナウンサー内定が決まっていた女子大生が殺されて、鈴女が事件にかかわってくるのは、さほど不自然でない。中学時代の淡い想いとか、そういう部分もよい。
なのに、消化不良の感じがどうしてもしてしまう。
うむむ。
多分、鈴女というキャラが生かしきれてないんだろう。
中学から、ぼんやりしていたちょっと変わった女の子、と描かれているのだが、このぼんやりが、ぼんやりというより、無気力っぽいのだ。無気力というと、キツすぎるかな。
この辺りの描き方は、北村薫の「私と円紫師匠シリーズ」に勝るものはないと思う。
つか、あれの「私」も随分ぼんやりしているし、仮に鈴女と同じようにいぢめられてても気づかないぐらいの鷹揚さがあるだろう。そうだ。鈴女と「私」の差は、そのあたりにあって、それが物語を支配しているといってもいいだろう。
事件解決のために、柚木だけの視点になることも必要だったろう。また、鈴女だけの視点も必要だったろう。
が、その必要をあえて、踏み越えて、いや、踏み倒して、昇華させるぐらいの器量があるはずなのにな、樋口有介。いったい、どーしたんだ。
解説で、当時の編集者に言われたことでボヤいてたけど、でも、あながちそれはハズレではないと思うよ。うん。コレに関しては、逃げてる。ただ、編集者の言い方は、まずかったかもしれない。
ともあれこれは2000年に講談社から発行されたものの文庫化だし、最近の「枯葉色グッドバイ」はめったにない秀作だったから、確実に成長していってる作家なんだろう。
と、信じてます。
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再読。
柚木草平シリーズの番外編。
女子大生 鈴女(すずめ)のか中学時代の同級生が相ついで殺害される。彼女たちは二人とも右肩に刺青痕があったというもの。
動機はやや無理があるような気もするが、面白かった。
鈴女の目を通した柚木草平がかなり格好いい。
2010.10.16
再読。
柚木草平シリーズではあるものの、女子大生 鈴女ちゃんが主人公。
鈴女ちゃんは樋口有介さんらしくないなあ。宮部みゆきのよう。
ストーリーはおもしろかった。
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主人公が2人、三人称など、シリーズ異色作。その異色さが成功しているかどうかというと、なかなか難しい。軽さと同居している意外性のあるミステリー、普通ならば青春もので書かれそうなミステリーがハードボイルドと言う変わった味付けによって印象的な読後感を残すのがこのシリーズの特徴であり、魅力だと思う。ところがこの作品では眼鏡のおっとりした大学生が登場することによって、中途半端になってしまった印象が強い。愛すべきキャラクターなので、作品の魅力となっていることは間違いないが、逆にそちらの視点だけでもよかったのではと思えてしまった。いつのまにか携帯が普及しているのや、歌舞伎町がまだまだ元気なのは時代の流れで仕方ないか。ただ一度否定しておいて実はというのは少しアンフェアという気がしないでもない。刺青も確かに鍵なのだが、終わってしまうとインパクトに欠けている感じがした。悪い点ばかり書いてしまったが、下町の情緒や主人公の一人のキャラクターは十分楽しめた。
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10月-15。4.0点。
中学時代の同級生が、連続殺人の被害者。動機不明の中、さらに殺人が。
柚木シリーズ第四弾。爽やかな恋愛もあり、面白かった。
四作の中では一番。今後も読んで行こう。
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びっくり! 主人公が女子大生だ。本書は<柚木草平シリーズ>の1作。これまでに3作読んできたが、本書は趣がガラッと変わってかなり本格的。あらかじめ張っておいた伏線を、最後に落としてみせる展開の切れ味は、前3作を軽く凌ぐ。巻末の解説をみると、やはり「特別篇」と位置づけている。これまでの厳格なまでの1人称視点ではなく、3人称視点で語られている。その上、主人公がかわいい女子大生で、中学生時代の同級生が連続して死んだ謎を追う設定なのである。柚木はほとんど脇役に近い。それでも、決めるところは決めるのは、さすが。恰好いい。興味を惹かれたのは、今回は3人称視点なので柚木の姿が描写されているということ。「脂っけのない長髪を無造作にかきあげ、黒いTシャツに綿ジャケット。歳は40前らしいがヤクザっぽい雰囲気のなかにへんな色気が感じられて・・・・・・」とある。客観的に描かれた柚木には、イメージしていたのとは違い、かなり危ない雰囲気が漂っていた。視点をかえるだけで随分と印象が変わるものだと、あらためて驚かされた。そうだ、はじめに「びっくり!」と書いたのは、もちろんいい意味で。際どい社会問題も取り込み、そこにピントはずれなかわいい女子大生の恋の行方も絡め、かなり重めな安定感のある作品に仕上がっている。真相は人間心理をついた深刻なもので、考えさせられる。それでも、ほのぼのとしたラストシーンにほっとさせられ、希望を感じさせてもらえたのは救いだった。
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鈴女ちゃん 21歳大学生 の周りで高校の同級生が二人殺される。
二人の事件の関係性は? てことなんだけど、鈴女ちゃんの父は雑誌の編集長で、そこのライターが柚木氏。そういう繋がりですね。
身近で二人も殺されて、偶然はないやろ~と素人も思うわけです。
でも、それは同級生だと知っているから、、なのね。何にも知らないところから接点を見つけるのは相当な偶然と、根気と刑事のカンってやつが必要なのでしょうねぇ。
今回は鈴女ちゃんがいたので、なんだか新鮮だった。
にしても、なんだか疲れた21歳ばかりだった。
もっとはじけて、尖がってるように思うんだけど。。。そういう21歳もいるってことか。
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図書館の本
内容(「BOOK」データベースより)
女子大生・三浦鈴女は、中学時代の同級生が相ついで殺害されたことに衝撃を受ける。彼女たちは二人とも、右肩に刺青痕があった。刺青同様に二人が消したかった過去とは何か。第一の、アイドル殺害事件のレポートを依頼された柚木草平は、鈴女たちの中学時代に事件の発端があるとみて関連性を調べ始めた―。鈴女の青春と、柚木のシニカルな優しさを描いた傑作、初文庫化で登場。
柚木が脇役状態でした。ちょっと残念。
ただ鈴女からみた柚木が見れたかなという視点の違いがおもしろくはあったけど。
中学時代を引きずる大学生。
誰もが子供時代を引きずるけれど、それがあだとなることも、あるのね。
鈴女と万作のこの後はないのでしょうか?
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ミステリーと云う感じがしませんね。
主人公の女の子は、変人から普通の女の子になっちゃったのがちょっと残念。
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会話のテンポとちょっと気恥ずかしい青春時代の匂い。
すーっと読めて、読後感も良い。
ミステリとしては物足りないなど関係ない。読んでて気持ちいがいいです。
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探偵ライター柚木草平シリーズ第四弾。
前三作とは異なり、今回は「主人公」が別にいて、
柚木のことは第三者目線で描かれる部分がある。
そのせいか、前作と比べても「よりハードボイルド」で、
シリーズ1・2作目で醸し出していたユーモラスさは
主人公のスズメちゃんが担っている(?)。
事件の発端がなかなか扇情的なのに比して、
謎解き...と言うか事件の背景を掘り起こすくだりは
かなり鬱々とした展開。
スズメちゃんの淡い恋模様が救いか(^ ^;
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柚木草平シリーズの番外編。
主役がちょっと変わった女子大生で、いつもとだいぶ趣が違うが、主役に好感が持てる。
真相の意外性はそこまでではないが、話は丁寧な作りで面白い。
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柚木草平シリーズ、4作目。
今回は柚木草平目線は少なく、三浦鈴女(すずめ)という女子大生の目線で描かれる番外編的なシリーズ作。
ハードボイルドな探偵の中年男性から女子大生の若い女の子に主人公が変わって、正直そういうのあんまり好きじゃなくて期待はしてなかったんだけど、意外とこのすずめちゃんが可愛くて、最初から楽しく読めた。不器用な恋愛模様も、ほのぼのとしてて、好印象。第三者目線から描かれる草平の姿も新鮮だった。事件の方は打って変わってドロドロした人間関係だったけど。
主人公が変わって、それまでの3作とは雰囲気が違ったけど、これはこれで面白かった。すずめちゃんが再登壇することってあるのかな。