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紙の本
若い女性の描写がもう一つ
2008/06/15 21:14
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木雄一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
熟年の男性と若い女性、若い男性と熟年の女性の組み合わせが、セックスの相性はいいのだろう。若い男性の激しさでは、若い女性に本当のよさを感じさせてあげることができないし、感覚がうまく開発されないこともある。それに対して、悦びが深まりし頃させ頃となった女性は、若い男性の激情をうまくいなして自らを満足させることができるだろう。
この作品についていうと、夫以外の男性と関係を持てしまう逡巡の描写が、熟年女性に関してはまあ理解の範囲内だが、若い女性に関してはうまくいっていない。浅くそしてくどいのである。これほどに逡巡していれば、ことはこのように至ることはないだろう。原因はこの熟年男性のテクニックのなさだ。若い女性にはもっと時間をかけ、蕩けるような快感をもたらしてあげなければ、2度目、3度目はないだろう。
熟年妻の方は、まあ官能小説なのでこれくらい淫乱になっても納得である。エンディングはなかなかスリリングでいいと思った。
紙の本
倉田作品の異色作
2008/10/03 00:16
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
痴漢物といえば倉田稼頭鬼、倉田稼頭鬼といえば痴漢物、という作者にしては隣人物という異色作。我が妻になんとなく満たされないものを感じていた夫達が、それぞれの隣人妻に魅力を感じて一線を越えていく、というストーリー。当然ながら熟妻と若い夫、若妻と熟年夫という関係で進んでいく。お互いがそれぞれに自分の妻(夫)にはないものを感じてのめり込んでいく。特に熟妻と若い夫の方にそれが顕著で、若妻は熟年夫に抵抗しながらも惹かれていく形にしている。このパターンでは、最後は盛大に乱交かスワッピングになると思われるが、本作はちょっと意外な形で結末を迎える。若干どうかな、という気がしないでもないが、なんだかホッとするラストである。正直なところ、ストーリーはそれほど感が漂うがエッチシーンの描写は充分に扇情的で良い。
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