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この手の本にありがちな「あれ買え、コレ買え」といった溜息満載のものとは異なり、ウイルスとかパスワードとか言う前の、ほんとに基本的なセキュリティの考え方を説く。また、セキュリティの問題を通して、Windows、Mac、Linuxといった区別なく、コンピュータ全般についての基礎も学ぶことができる。
ウイルスやパスワードのカラクリについて解りやすく説明しており、プロ仕様ではない一般的基本書としての価値が極めて高い。実際にウイルスの作り方を実験しているが、これを試してみるとなんとなく抱いていた恐怖がスッと和らいでいくのがわかるだろう。また、パスワードについては「数字を使った場合」「数字とアルファベット小文字を使った場合」「数字とアルファベット大文字小文字を使った場合」の安全性の違いを具体的な数字を用いて説明しており、漠然とした安心感から身の引き締めた考え方へと意識改革を図ることができる。
なんとなく便利だから使っているだけで「何かあればサポートに頼めばいいや」というパソコンカスタマーにとっては無用の知識かもしれないが、自ら使う道具はできる限り自分でコントロールしたい、というパソコンユーザーにとっては非常に有益な一冊。