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“「それなら心配ご無用。専用のヘリコプターで迎えにこさせるから。みんなのご両親には、わたしからちゃんとごあいさつするし、その点も心配ない。どうだい。来てくれますか?」
「行きます。行きます。ぜぇったい行きます!」
わたしは、大声でそうさけんだ。
そのとき、うちで飼っている黒猫のチョビが来て、シッポをボアボアに逆立て、ミカエルさんとマリアちゃんを、フギャーッと威嚇した。
「あら、どうしたのかしら、チョビ?」
「なにか、ただならない気配でも感じたんじゃないのかな?」
ガロアの冷静な声に、ミカエルさんが妙にたじろいで見えたけど、それはきっと気のせいにきまっている。”[P.81]
あかりはちょっと危機感なさすぎじゃ?と思いつつ。
クレープの魔法は想像つかなかった。
“ふふ。
魔女館のドールハウスに、新しい住人が増えたのよ。
リビングのソファに、イザベラとルシファーに向かいあわせて、ミカエルとマリアの人形をすわらせてある。
テレビも世の中も、もうもとのとおりふつうにもどった。
そして、みんな、ミカエルなんて名前も、ミカエルランドなんてヘンテコな夢の国のことも、ちっとも覚えていない。
「ほんと、お騒がせ者だね。あんたたちの一家。」
そうつぶやいたら、イザベラににらまれた。
「おまえに言われたくないね。」
でも、ルシファーは、パパが来てくれてうれしそうだ。
ミカエルとマリアは、まだ人形になったのになれてないらしく、むくれた顔してるだけ。まっ、そのうちなれるでしょうよ。”[P.273]