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ノンフィクション・ノベルとあるだけに凶悪犯の犯罪の事実が日時、時間を追って事細かに展開されていく。非常に緊迫感のある、ずっしりと読者に迫る迫力を感じる。内容も犯罪それも殺人である。また詐欺事件の手口も騙される側が何で気がつかないのかと思わず苛立つ場面もある。
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自分でもよく分からない趣味なのだけど、犯罪実録ものをよく読む。精神的に弱っていた時代にひたすら読みこんでいたので、ちょっと暗い趣味かもしれない。
そのころ佐木隆三をよく読んだ。
先日違う動機から手にとって(現在、精神的には非常に健全だ)、久しぶりに読んでみたら、やはり結構面白い。そこで、彼のデビュー作を読んでみる。
犯罪版吉村昭という感じだろうか。内面を書かずひたすら事実を積み上げていくドライな手法は、読んでいて実に心地よい。
「事実」とはいうものの、冒頭のだいいち死体発見者からして嫁への愚痴と朝鮮人侮蔑から始まるし、実際の事件を題材にして大丈夫なのかな、これ。
ふた昔前の日本社会(舞台は昭和38年)の地べたを這いずるような気分が濃厚にするのも、昭和人としては悪くない。
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5/29:クライムサスペンスではなく実録であった。生々しいのではあるが、榎津が何故あの様な凄惨な事件の加害者になったのかが不明瞭。東大出身を押しすぎだよね、変身願望が強すぎるとはいえ、そりゃーバレるだろうよ。
情報伝達速度が今より何十倍も遅かった当時だからできた犯罪だよね。
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佐木さんの本、最近読んでるので。
題材にされている事件が生まれる前なのでやはり詳しく知らず。
いったい、何がどうしてこうなってしまったのだろう?
それは裁判で明らかになるべきことだった。
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榎津巌ほどの境地に達すれば“悪魔といえども三舎を避くる”とのこと。罪を犯し続けるうちは、他者への激しい怒りに動かされているわけではない。遣りきれぬ内心への苛立ちを外に向かってぶつけ、吐き出していく。それすなわち自らを破滅へと導き、処刑することなり。復讐するは我にあり。
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実際に起きた犯罪者の逃避行の記録をたどっているだけの体裁なのにスリルがあった。
登場人物の深みについては、読者の想像力でかなり補完しなければならない。
昔の小説ってそういうものなのかな。
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作者が最近他界され、新聞で知ったので借りてみた。なんだか淡々とした文調、いわずもがなノンフィクションを得意としている作者なのでそうなのかもと思った。話としては特に面白くはない。
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一応実際の事件がもとになっています。
間違いなく人たらし。
だけれどもある種の挫折が彼を
犯罪の重ねる破滅的な男へと
変貌させてしまいました。
確実に本来は頭も切れ、
人間関係も良好だったはずです。
だけれども消えることのない傷が、彼を荒廃させ
恐るべきまでの犯罪、殺人、詐欺へと
駆り立ててしまいました。
この事件は戦後最悪の事件と呼ばれた
事件です。
裁判官すら「悪魔」とも言わせた彼。
だけれども人はきっかけ一つで
その悪魔を飼う可能性が付いて回るのです…