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京都の平熱 哲学者の都市案内 みんなのレビュー

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評価内訳

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24 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

作者の微熱

2007/10/08 19:38

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

京都を一周する「京都市バス206番」の路線沿いに、語り進められる京都案内である。作者はいま注目を集める哲学者、鷲田清一。この本では、京都を題材にした都市論が、京都人を題材とした社会論が、そして、それらを通して鷲田哲学が展開されている。中でもこの本の魅力となっているのは、幼少の、青春の作者が随所に顔を出し、微熱を帯びた語りが味わえることだろう。
 
 さらに、この本、京都(B級?)グルメ案内として使うこともできる。以下、ラーメンと喫茶店を抜き出してみた。

【ラーメン】(住所付き)
 ・サカイ御薗橋店(北区大宮東総門口町38-3)
 ・ますたに(左京区北白川久保田町26)
 ・新福菜館(下京区東塩小路向畑569)
 ・本家第一旭(下京区高倉通り塩小路下る)
 ・新進亭(左京区高野泉町6-73)
 ・吉林(上京区千本通一条下る東入)
 ・元町(上京区油小路出水上る大黒屋町)
 ・とんとん来(東山区四条通大和大路西入上る東側中之町210)
 ・天天有(左京区一乗寺西杉ノ宮町49)
 ・金ちゃんラーメン大徳寺総本店(北区紫野上築山町)
 ・麺許皆伝(大徳寺前 屋台?)
 ・力新(四条大宮 屋台)
 ・長浜ラーメン(中京区木屋町通三条下石屋町115)
 ・天下一品(左京区一乗寺築田町94)

【喫茶店】(自分で調べてね)
 ・わびすけ
 ・進々堂
 ・学士堂
 ・らんぶる
 ・えすぽあーる
 ・柳月堂
 ・りーちぇ
 ・みゅーず
 ・フランソア
 ・築地
 ・六曜社
 ・蝶類図鑑
 ・ZABO
 ・マンホール
 ・イノダ

 京都で学生生活を過ごした人には、懐かしい名前がいくつもあるのでは。
 次回、京都を訪れた時、是非立ち寄ってみたいです。

他に「うどん」「お好み焼き」などのグルメ案内に使えます。
(京都のうどん、お好み焼きは他の地方のとはまた一味違います。)

【出版社へ】
 ※すべての写真に住所(地名)を明記してほしかった。

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紙の本

ミーツ・リージョナルからとんがった部分を削り、アカデミックさを強化したような京都本

2007/08/13 21:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つきこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

つんと澄まし「うちらこんなええとこ住んどるんどっせ」と京都中華主義を炸裂させた従来の京都本とは一線を画した京都本。モノクロの写真に貧乏クサと思うか人情を感じるか、その辺が好悪の分かれ目です。京都の貧しさに踏み込んだ点が画期的。
 京都駅から今熊野、祇園・岡崎・百万遍、高野・下鴨・紫野、西陣・二条と来て四条大宮・島原経由で再び京都駅。東へ北へ西へ南へ。字面に過ぎ行く車窓の風景を容易に思い浮かべることができる人の郷愁を誘います。市バス206番の旅、始まりはたかばしから。
 B級グルメに奇人にけったいなもの。現在の「汚のなった」京都を見つつその視線は過去に遡る。それはアートか単なる汚屋敷か、古道具で飾り立てた骨董屋も今はもう写真の中にしかない。かつて~だったとその多くが過去形で語られる辺りもの悲しい。河原町ジュリーやDX東寺を登場させて、ディープ京都をぐるりとひと回りしつつ、なぜ京都にかくも異空間が広がっていたのか、京都人の美意識に迫りながら考察の旅は続く。
 80年代、全国から京都をめざして奇人が集結したという。言われて納得。果てを可視化した姿を目の当たりにした子どもは妙に物分りがよくなる。187頁、京都の子どもはこんなにも大人。後年彼らがイケズと呼ばれるなんて納得がいかない。よその人間はやっぱり世間を知らない。イノセントなニュータウン育ちの前ではイケズ爆弾も不発に終わる。奇人を呼び寄せた京都の魅力とは何だったのか。その多くが今は死に体で、そのエッセンスを充分に浴びて育った京都人を嘆かせる。
 キーワードは貧乏、そして格差。
 上を見ればきりがない。古き昔から連綿と続く由緒正しき方々が鎮座する都市。みなが千年この町に住んでるような顔をしているけれど、実はよそ者も相当多い。一代で追いつくのは土台無理。三代続いても貧乏ならやっぱり無理。絢爛豪華な京都とつつましい日常と、その越えられない格差を補う手段として共同防貧の考えが発達し、自立の精神を育んだ。歴史が長いからでもなく、神社仏閣が多いからでもなく、職人が多いからすごいのでもない。
越えられない格差ゆえにその美を拠り所としてきた人達の、自立精神こそが京都らしさの最も肝な部分。そのDNAを解しない人は住まいは京都でも京都人ではない。町家に住んでも京都人ではない。きれいね、いいね。貰うばかりでなく返せ。最終章、京都への提言をそう読んだ。
 どこにでも住める人間が次々と京都にやって来る。そしてそこにしか住めない人達は今もそこに居る。片っ端から京都本で学習したとおぼしき知ったかぶりを、イケズ爆弾でもって迎える人がいても不思議はない。彼らはまだ知らない、京都らしさは唯一ではないことを。皮膚に染みこむように体感してきたこれらの事は、よその人にはやっぱりうまく伝わらない。知らないから京都本が次々と出る。
 町家暮らしに憧れる前に読んでおくと、あなたの京都熱も少し冷めるかも。それでもやっぱり京都が好きな人はおこしやす。変化を好むのもまた京都人なのだから。

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2007/04/21 10:20

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2008/06/13 18:28

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