投稿元:
レビューを見る
面白い。
この前読んだなんとか温泉ってのは、どうかしたのかとも思ったし、今月帰省したときに飛行機の機内誌に載ってたのもどうかと思ったが、これはよかった。
投稿元:
レビューを見る
男女問わず、読めば怖く感じるはず。胸を抉られるようで辛かったけど、読了感を味わえた。吉田修一はどんどん郊外型作家として進化してるなぁ。
投稿元:
レビューを見る
好きな作家の新作.携帯サイトで知り合った女性を殺害した男。$び男は別の女性と逃亡を始める。一つの事件を、様々な人たちの感情を交えて描く。すごい本だった。一人の男の殺人が、様々な人々に語られていく。被害者、加害者、家族、友人…。$$その誰もが心の中に何かを抱えていて、誰が悪人なのか、誰が悪人ではないのかがわからなくなる。ただ、その悪人の考え方の中には、僕自身にも当てはまるものもあって、心が見透かされているようで鳥肌が立つ。こういう作家さんだっけ?って思うくらい、新境地を開いたね。殺人は悪。でも彼は被害者とも言える。
投稿元:
レビューを見る
タイトルにある「悪人」とはどんな人間のことを言うのだろうか。
殺人はもちろん許されない行為。だが、しかし・・・と悶々といろんな事を考えさせれた。
投稿元:
レビューを見る
なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った
女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は
互いの姿に何を見たのか? 残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ
動く二人の純愛劇。一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を
静謐な筆致で描いた渾身の傑作長編。
投稿元:
レビューを見る
帯で浅田彰が「新聞小説とはかくも面白い物だったのか!」と絶賛していたけれども、確かに面白い。400ページを越える長編作だが、ちっとも冗長ではない。作者渾身の力作である。ただ、ただ単に面白いだけ、という印象もどこかで拭えない部分もある。(これはあくまで私の印象だが)出会い系サイトという設定自体、少し時代遅れな感がするし、肝心の「悪人」の描写がもう一つだったかなぁ、と個人的には感じた。テーマ設定自体はすごく上手いし、提示の仕方も非常に私は好きだっただけに、もう一つ何かあったらなぁというスッキリしない印象が残った作品だった。
投稿元:
レビューを見る
首を絞められて殺害された死体が、峠のがけの下で見つかった。読む側は事件前・事件・事件後と時系列が進んでいき、被害者の家族や友人・加害者(容疑者)・加害者の家族や知人など視点を変えながら、事件の真相を知ることとなります。視点が変わることによって、事件によって登場する人々の気持ちや人生が狂わされてしまう過程が伝わってくる作品です「悪人」は、いったい誰なのか・・・? (2008.2.16)
投稿元:
レビューを見る
一つの殺人事件によって生活が変わってしまう人々が丁寧に描かれていました。
この本の中に絶対的な悪人はほとんど登場しなかったと思います。流れによって、ベクトルを変えられ偶然に生まれてしまった「悪人」というものの悲しさを感じました。それを運命と呼ぶには残酷すぎる…
投稿元:
レビューを見る
朝日新聞の連載時、新聞小説ってちょっと取っ付きにくい…という先入観のせいで遠ざかっていた。読むきっかけはダヴィンチの『プラチナ本オブザイヤー』だった。400ページがこんなに短く感じられたのはいつ以来だろう。ニュースや週刊誌から真実は見えてこない…というか、真実って何?と深く考えさせられる。
投稿元:
レビューを見る
約420ページ。長いようで短い。暇だったせいもあり、一気に読んだ。驚くことに、ものの3時間で読了してしまった。個人的に吉田修一の本は読んでも記憶に残りにくい、
のだけれども、これは格別。面白い。本当に面白い。帯に書かれた、著者の最高傑作の言葉。嘘じゃない。
九州で起こった殺人事件を軸に、それにまつわる多くの人の人生が描かれていく話。 一見関係ない人物が読み進めるうちに、キーパーソンになったり、誰かとつながっていたり。第三者的視点で物語は進むので、感情移入しすぎる、ということもなくどれも、すぅーっと入ってくる。これも読み進めるからこそわかる面白さ。 とりあえず
いろんな人の人生がいっぱい詰まっている。濃い、人の、匂いがする。悲しくなる。
投稿元:
レビューを見る
もう読まないと思ってた吉田修一。
メディアであんまり持ち上げられてるものだから
とりあえず購入。
パラ読みしたら、すべての事件、かかれてる場所がオガタの生活圏or担当地域だったのでさらに。。
今まで読んだものと全然違ったなぁ。
どうしたやろか?内容的に平野啓一郎の顔のない裸体たち?に通じるものがあったけど。
こちらの方が事件を広く深い角度から書いてるような・・・。
誰が悪人で、悪とはなにか?
悪の定義がありますか??(この前の有栖川の火村シリーズでやってたな)
いったい、誰が悪人なんだろう。
すくなくても、いる。
投稿元:
レビューを見る
ある一つの殺人事件と、それに絡む登場人物の背景を丁寧に描いた作品。
宮部みゆきの『理由』に近い感じがした。
殺人事件を犯すにはそれなりの理由や経緯があるし、加害者・被害者の性格や、その性格が形成されるに至った歴史がある。
TVやネットでニュースを眺めているだけだと、事件があって、犯人が捕まった位しか報道されないことが多いけど、裏にはそれぞれの人生があるんやということを改めて感じさせてくれる小説やった。
投稿元:
レビューを見る
良い奴とやな奴ってのはすごく分けやすい。感覚的に分別することが出来る。好きか嫌いかみたいな。ただ、今回のテーマである「悪人とはどのような人と定義するべきか?」というのは本書を読み、ますますわからなくなった。悪いことをした人が皆悪人であるとは限らず、イイことをしている人が皆、善人であるのかと問われればそれはもちろん否である。 初めてこの人の本を読んだけど、風景としての立場から、それぞれを見るような書き方はとても感情移入しやすく、ワクワク感も出やすかった。Aさんが見た景色を次の節でBさんが見ている。みたいな始まり方ね。 にしても、今年の本屋大賞はどれも面白いな。まったく。 にしても、やるな。朝日新聞!!まったく。
『大切な人がおらん人間は、何でもできると思い込む。自分には失うものがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。失うものもなければ、欲しいものもない。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ。』
(08.03.22)
投稿元:
レビューを見る
恋愛小説を読んだことがあってので、他の作品はどんな感じなのかな〜と、
先輩から借りてきて読んでみました。
これってジャンルは何になるんだろう?
そして、誰の視点で書いてあるのか、読みづらかったように思います。
う〜ん、ごめんなさい。
恋愛小説もそうでしたが、私はこの作家さんの作風を理解できないようです。
投稿元:
レビューを見る
もちろん殺人は最悪の罪だし、ちゃんと罰せられなければいけないもの。
でも世の中にはそんなはっきりした形ではなくても、罪にならない悪、法に触れない罪が満ち溢れている。
物語の始めから犯人が割れてしまっていて、
話は犯人の生い立ちや、加害者被害者の親族の心境、そしてその後の展開へと進む。
読み込んでいくにつれ、「もしかして犯人の祐一っていい人?」という気分になってくる。
愛想はないにしろ、黙々と働き、黙々と祖父の面倒をみる。
出会い系サイトで知り合った女性にのめり込んだとしても、そこに罪はない。
要するにマジメなのだ。
被害者佳乃と彼女が想いをよせる遊び人増尾に罪なき悪意があり、
祐一が殺人を犯す要因を作ってしまったとしても誰も彼らを責めることはできない。
殺人犯になってしまった後、祐一は一人の女性と会い、恋に落ちる。純愛だ。
世間から身を隠し、なぐさめ、はげまし、温めあう二人の姿は涙を誘う。
もっと早くに出会っていれば・・・運命のいたずらか・・・・・まぁ作家のいたずらなんですけどね。
世の中には善と悪の倒錯がいっぱいあるんでしょうね。