紙の本
ドタバタを楽しもう
2007/06/05 18:37
12人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さあちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学の研究室での人間関係のもつれから神経衰弱のレッテルを張られたおれ。教授の半ば強制的な勧めにより奈良の女子校に1学期間だけ赴任することになった。そして赴任第一日目。ここでも慣れない女子高生相手に感情的に振る舞ってしまい結果みんなから反感をもたれてしまう。努めて冷静に対処しなくてはと思ってはみるものの慣れない環境にとまどうばかり。一体どうすればいいのか・・・気分も腹も下り気味のおれはある日りっぱな牝鹿に話かけられる。「神無月だ。出番だよ先生。」とうとうおれの神経はいかれてしまったのか・・・混乱するおれに鹿はさらに驚くべき事を告げる。このままではこの国は滅んでしまうと・・・
最初の方は坊ちゃん風に展開するのかなあと思っていたら鹿が
喋りだしたあたりから古代史ミステリー青春SFコメディみたいな感じでどんどん続きが読みたくなる。王道をいく展開ではあるが設定がユニークである。地震となまずってねえ・・・またなんといってもユーモアたっぷりの語り口が心地よい。思わずにやりとすること請け合いである。それでいて最後にホロリとさせられ読後感は清々しい。心から楽しめる作品である。
紙の本
東大寺の裏手で、鹿とお話がしたくなる。
2009/11/09 20:45
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
鹿男あをによし 万城目学(まきめまなぶ) 幻冬舎
「あをによし」と聞けば奈良を思い浮かべます。「あをによし」の意味は知りません。でも「あをによし」は奈良なのです。枕詞(まくらことば)でしょう。
本書には奈良の有名な寺社・遺跡がたくさん登場します。観光案内書の趣もあります。ことに東大寺周辺の講堂跡、大仏池、転轄門(てんがいもん)などは、わたしも訪れたことがある場所なので、主人公が鹿と語る場面は、現実味がありました。
27歳ぐらいの主人公を、最初は大学生と思いましたが、その後の展開で、どうも大学院の学生さんか助手の方のようです。その主人公が東京から奈良女学館高等学校へ臨時講師として赴任するわけですが、「坊ちゃん」夏目漱石著や「二十四の瞳」壺井榮著のような雰囲気で始まります。
表面上は一見、平穏無事に流れているような現代社会ですが、一歩組織の一員として労働社会に踏み込めば、さまざまな問題に引きずりこまれることが世の習いです。今回は富士山噴火とか大地震の発生のようです。大ナマズに鹿、狐、鼠(ねずみ)の三角関係がからんできます。高校1年生堀田イトに対する主人公の叱責は世界が狭い。ネズミ、キツネ、シカの話はどこまで信用できるのだろう。
剣道の試合中継は、積み上げた練習の成果がないという不満をもちながらも興奮しました。「サンカク」探しの推理小説で、娯楽作品となっています。
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「女子校に赴任したばかりの新米高校教師が、ある日シカに話しかけられるという変な話。
誰も想像つかない展開に期待してください」とご本人が仰られていた通り、ぶっ飛んだお話でした。
「鴨川ホルモー」がお好きな方はきっとこちらもお気に召すはず。あぁ、面白かった!
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ラブコメに認定。異論は多々あるだろうけれど、彼女のために鹿顔で生きていくことを決意しちゃったり、鹿顔をなんとかするためにキスしちゃったりって絶対にラブコメだよ、可愛かったな。前作以上にけったいな話だけれど、好き。
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風邪で寝込んでいるときに、一気によんでしまった本。うちの店長がブランチで写ってた時に、紹介されていた本でした。
奈良の女子高で急遽働くことがきまったオレが、鹿に話しかけられて巻き込まれていく話。奈良が舞台なのでいきたくなるし、うまーく歴史とからめて話が展開されていくので、入りやすいのよね。設定がおもしろいし・・この人のデビュー作も「鴨川モルホー」だっけ?よんでみようかな。
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大学の研究室で、研究に励んでいた主人公は「神経衰弱」と決めつけられ、教授の提案で3ヶ月間、奈良県のとある女子校で働く事に。慣れない教師生活に困惑する彼が、出会ってしまった喋る鹿。奈良では、鹿が喋るのか!?物語が進むにつれて明らかになる、「奈良の鹿」「京都の孤」「大阪の鼠」「なまず」「サンカク」「運び番」――全ての謎が明かされる物語の結末は〜「不思議な物語設定」と「読んで楽しい」作風の万城目学の第2作。(2007.4.20)
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鹿の街、奈良。
鹿に不思議な使いを頼まれた男。
世界を救う為、サンカクを。
その訳の分からない使いから始まる、勘違い、欲望、願い。
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The Fantastic Deer-Man〜東京の右の方にある大学院で助手との揉め事から神経衰弱と噂される僕は,教授から2学期の間,奈良の女子校の常勤講師になるように勧められる。出勤第1日目,遅刻してきた生徒は堀田イトといい,何かと突っかかってくる。ある朝,牝鹿に「お前は目の運び番だ」と語りかけられる。狐の使い番から渡されるサンカクを神無月の内に持ってこいとも云われるが,ネズミがちょっかいを出すから気を付けろとも注意される。務めを果たさないと鹿になる印を付けられる。やがて,京都と大阪にある姉妹校との三校対抗戦があることを知り,剣道部の顧問を引き受けるが,その勝利プレートこそがサンカクに違いないと辿り着いた。必勝を期す僕の許に入部させて欲しいと堀田が申し出てくるが,強さは並ではなかった。堀田の活躍で手に入れたプレートがサンカクだとしたのは誤解だと分かり,堀田も鹿顔に変化しつつあるのを知った二人は,狐の使い番が京都の剣道部顧問であり,鼠の使い番が大阪の顧問ではなく,奈良の教頭・リチャードがそれであること,サンカクとはリチャードが隠し持つ三角縁神獣鏡であると辿り着いた。最近起こっている地震を鎮めるためには儀式が必要であることをリチャードに告げ,何とか儀式を執り行うことができたが,堀田の顔を元に戻すことしかできず,僕が京都から新幹線に乗ろうとしたとき,堀田がギリギリで見送りに間に合った〜鹿島と春日大社,大なまずの頭と尻尾,伊豆の地震と富士山の膨張,京都と奈良と大阪,狐と鹿と鼠・・巧いこと卑弥呼と三角縁神獣鏡も絡ませて,楽しい読み物にしている。鴨川ホルモーよりも良い出来になっている。日本の神の力と好い加減さを上手に遣っている
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読みやすく、わかりやすく、面白く笑える一冊♪
剣道の試合のシーンがとても好きでした。
堀田が可愛い☆
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この青春系の表紙からは想像できないくらいいろんな要素がごちゃまぜでスケールでかい。なんてったって日本をなまずから救う話ですからねww。でも途中途中で先が読めたりエンディングが読めたりしちゃいますね。それでもそんなに気になりませんけど。堀田さんの試合のシーンは好きです。
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ヒロインのキャラが今回も頑固で純情、そしてむちゃくちゃ強くて、ぐっと来ます。
まあ少し読んだら誰もが気づくだろうからネタバレにも当たらないと思うが、某有名国民的青春小説の本歌取りでもあるのだ。
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「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」;神経衰弱と断じられ、大学の研究室を追われた28歳の「おれ」。失意の彼は、教授の勧めに従って2学期限定で奈良の女子高に赴任する。ほんの気休め、のはずだった。英気を養って研究室に
戻る、はずだった。あいつが、渋みをきかせた中年男の声で話しかけてくるまでは……。;慣れない土地柄、生意気な女子高生、得体の知れない同僚、さらに鹿…そう、鹿がとんでもないことをしてくれたおかげで、「おれ」の奈良ライフは気も狂わんばかりに波瀾に満ちた日々になってしまった
表紙とあおり文句から普通の青春小説かと思っていたら全然違いました。いい意味で裏切られました。こういう歴史の知識は好きです。しかも剣道が出てきたのでなおさら気に入りました。前半は謎というか、明かされない秘密ばかりでやきもきしましたが、最後にはちゃんと答えが出たのですっきりです。ラストの終わり方も私好みでした。
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奈良の鹿は鹿せんべいをあげようとするとホントウにお辞儀をするんだろうか?
確かめに奈良に行きたくなった。
映像化しても面白そう
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奈良の女子高に赴任した28歳のおれが鹿に声をかけられる話。
設定がぶっとびだったけど、すっごく読みやすくてあっという間に読み終わりました。
マキメさんの本は初めてだったけど、嵌りそうです。
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『鴨川ホルモー』の著者:万城目さんの2作目です。鴨川は京都が舞台でしたが、今度は奈良が舞台です。奈良といえば、鹿!今回は鹿が話し掛けてきます!しかも、鹿の頼まれごとを失敗して鹿男に… 今回も奇想天外な話しですが、剣道の試合描写は気迫伝わるものでとてもよかった♪