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紙の本
紀州の漁師のお話
2007/05/10 16:05
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やまさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
紀州の漁師町が舞台。フィクションですが、想像に難しくない、本当に実在しそうな主人公(源三)。そんな源三の、老いと孤独を悲哀ではなく、一人の漁師の人生とそれを取り巻く人々によって、たんたんと綴っています。
源三は、根っからの漁師。彼には幼い頃より、その技量の全てを注ぎ込んで育てた、自慢の息子(誠一)がいた。しかし、誠一は大東亜戦争に徴兵され、あっけなく逝ってしまう。誠一の変わりにと末息子の栄二に望みを繋ぎ、厳しく指導しするが、漁師になることを拒絶する栄二は村を飛び出してしまう。誠一の死の悲しみから抜け出せず、栄二や娘の美代子のことも案じながら、それでも夫と日常を送っている優しい妻の久。ある日、飛び出したまま行方しれずになっていた栄二が、ひょっこりと村に戻ってきた。かなりな借財をかかえて。途方にくれて久は嫁いだ娘の美代子に相談するが・・・。
漁以外は知らない無骨な源三が、哀しみではなく、人間はいつか老い、そしていつの時も一人なのだということを想わせてくれます。海の匂いとセピア色の風景が見えてきそうな物語です。紀州漁師町の独特の方言も物語に色を添えています。よろしければぜひ御一読下さい。
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