紙の本
「若者」はけっして、「ばか者」ではない。
2008/11/29 14:06
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:リーマン・シスターズ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の十年後、二十年後に位置している人が、会社からどういう扱いをされているかを、しっかりと若者は見ている。
そして、やればやっただけ等と言われて、十パーセント未満の昇給、それは年功序列時代の定期昇給と変わらない事をとっくに見抜いている。
派遣社員や契約社員と社員の差もとっくに気がついている。社員でさえもその行く末に、とっくに絶望している。
数字上の「コスト削減」と悪魔にささやかれて、付加価値を生む無限の可能性があるモチベーションと言う名の大切な資産を失ってしまったのである。
いまさら一体感回帰などと言われても、就業規則及び給料制度がそのままであることが、何を意味しているか、気付かないほどの「ばか者」では、けっしてないのである.
「せっかく一人ひとりが持っている知恵やアイデアも、チームワークの機能してない集団では、不思議なほど埋れてしまうことが多い」との著者の言葉がズッシリと腹の底に落ちていく一冊であった。
紙の本
「日本的経営のよさ」を取り戻す
2008/11/18 00:29
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の日本は「働くことと幸せになることが両立しない世の中」なのだそうだ。仕事にやりがいを感じ、いきいきと働く人が増えてきたとは言いがたい、と著者は言う。それは第1章に紹介されているアメリカの世論調査会社による会社への忠誠心の調査結果(2005年)にも表われている。調査対象の10ヶ国のうち日本人の働く意欲は世界最低だ!
これは企業にとってはチームワークや組織力を十分に発揮できず、生産性が低いことを意味し、国家の国際競争力という点では国力を低下させる由々しき問題である。そうした問題を制度やシステムだけで変えようとしても、「人」に対するかかわり方を変えないと、問題は繰り返されると指摘する。本質は「人の問題、および組織の風土・体質の問題」なのだ。
著者は企業風土・体質改革のコンサルタントを長年続けてきた方で、いろんな会社を見て、指導してきた。環境と前提条件さえ整えば、働く人の内発的な動機を引き出すことは難しくない、というように本書ではその環境と前提条件を整備して、組織風土・体質を変革する方法を説いている。自分の会社や組織を変えたいと考えている人には是非読んでもらいたい。
かつて「日本的経営のよさ」だった「コミュニケーションのよさ」「情報共有の密度の濃さ」を復活させる必要性があると言っているように、簡単に言ってしまえば、それだけなのだ。 OJTが機能するような職場を作り上げ、価値観を共有していくことで働き甲斐を感じ、仕事への意欲や熱意が湧いてくるのだ。
本書では新しいリーダー像を提唱していて、「スポンサーシップ」という言葉が出てくる。従来のリーダーシップとは異なり、部下一人ひとりを主役にする演出や、黒子的・世話役的機能を果たす人だ。部下と同じ目線で一緒に考え、答えをつくる。部下の主体性を強めて潜在的な力を引き出すようなリーダーシップである。それが相互の信頼感を醸成し、モノを言いやすくし、社員個人個人が一歩踏み出す勇気を支える「セーフティネット」になる。
第6章では「人の主体性を活かし、質の高いチームワークを機能させられるような会社へ変わるための5つの条件」を挙げている。前出のスポンサーシップ、セーフティネットと、残り3つが世話人、参謀機能、コアネットワークである。トップをサポートする「世話人」、その世話人がトップの思いを伝える「参謀機能」、その世話人たちのネットワークが「コアネットワーク」だ。
また、第5章では「プロセスデザイナー」という風土改革のサポート役も登場する。コミュニケーション不足の解消が変革の柱であるから、本業で忙しい中にも対話の時間が増える。それは覚悟しなければならない。そのプロセスデザイナーの役割の一つは対話する場をコーディネートすることである。
・オフサイト・ミーティング(気楽に真面目な話をする場)
・スポンサーシップ研究会(幹部陣向けの場)
といった場を作ることを勧めている。そうした場を通じて組織の風通しをよくし、意思の疎通を良くする。この変革により社員一人ひとりのモチベーションが上がり、能力を発揮し、また質の高いチームワークを作ることができれば、その組織の競争力は高まり、価値が高まることが期待できる。
また、変革しようとする組織の規模も様々だと思うが、「気軽に変革していくことにトライできる環境を整える」ならより小さな組織から始めてよいと述べている。小さな単位で低いハードルから始めればいいのだ。日本人が自信を取り戻せば、日本はもっと元気になるはずだ。そのためにもまず自分の所属する組織から変えていく。すると会社が変わり、日本も変わっていける。
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読了。現在あるお客さんのBRPプロジェクトに参画しているのですが、そのお客さんの
課題のひとつとつぃて、モチベーションの低下があがっています。自身の仕事に対するモチベーションを含めて、「仕事に対するやる気」というテーマについて、最近考えることが多かったので、読んでみました。やっぱり組織的なサポートなしにはモチベーションの向上を図ることが難しいですよね。また、上位のマネジメントと現場、そしてその中間層のリーダー、それぞれがどのように機能していくことが必要なのかも、いろいろ考える示唆がありました。頭の整理としては十分足しになったし、自分の会社のモチベーション低下の原因も少しクリアに成ったと思います。うちの会社では、このあたりの話が「コミュニケーションの不足」という話だけで片付けられようとしていますが、多分的を得ていません。これは、従業員に対するマネジメント層の現状認識の甘さ(理解度の浅さ)に起因しているのでしょうが、うちの会社の上位層にも読んでもらってしっかり考えて欲しいところです(まあ、読んだところで考えるだけの頭・能力に欠けると思いますけどね)。
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この本の主テーマは「組織の中のみんなが共有することによって必然的に組織や人が進化・発展していくモノの考え方とはなにか」を整理することであり、もう1つの大きなテーマは「人の内発的な動機はどのようにすれば引き出すことができるか」という問いに答えることである。
はじめに、の書き出しが「脳卒中で倒れても80%以上(通常はほんの数%)が歩いて退院する病院の取り組みとは」から始まっており、そのくだりを立ち読みしてしまうと、これは買わなきゃと思ってしまった。
リーダーシップを勘違いしていた。
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社風を変えていく方法論。日々の仕事をこなすだけになってしまいがちですが、仕事の喜びを今一度想起してみたいものです。図書館予約数は15(07/10/14現在)です。
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マネージャー必見。
今のコミュニケーションと、マネジメント(もどき)では、閉塞感はなくなりません。
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社員の内発的動機をひきだせるような組織作り。
というのがこの本の本論。
で、そのプロセスを述べてるんだけど、革新とかって言葉自体が抽象的で、結局なんなんだという感じ。
で、「内発的動機」=「自ら課題を認識、それを解決、実践し続けること」ってことなんですが、これって結局人それぞれの個性が大きな要素な気がします。
今までの短いサラリーマン人生、小学校〜大学までの学生時代。
それらを見比べても内発的動機的なモチベーションを高くもち、行動している人はいるし、やんない人はやんない。
それはやるべきが正論なんかも知れんけど、やっぱやんないやつはやんない。
そこで、そういった組織を作り上げるって、結局この本で否定している押しつけなんじゃないんかな?と思うのです。
この本で言うところの要素を並べたところでやっぱし押し付けがましいのです。
しかも、200ページ以上ずっーと同じことを言ってるという印象なのはオレだけだろうか・・・。
なんだか良くわからなかったですね、まじで。
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現状の分析、そしてスポンサーシップやセイフティネットによる企業改革の方法論でした。
実際のコンサルからの実例などは非常に実感がこもっており興味深いものでしたが、自分の勤務先にこういった制度がない場合一社員として何をすればよいのでしょうか。
上司になった際には一読の必要がある本ですね。
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業務改善会議に出ていたときに読んだ本。物を作らず、在庫も抱えず、設備投資もいらないPR業に必要なものは、モチベーションとストレスフリーな環境、と今でも信じている。
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真の組織変革のため、また、
社員が活き活きと働き、会社が強くなるために
必要なことについて書かれています。
社員の内発的動機、スポンサーシップ、セーフティーネット、
プロセスのつくり込みがキーワード。
やはり制度や仕組みを作るだけでは駄目で、
継続的に社員が主体性を持って改善、高度化していくこと、
そういった会社の風土、環境づくりが大事だということを
改めて実感しました。
(山)
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会社の、他部署に対する問題意識から手に取りました。
個人的な感想。
内容が一般的かつ抽象的で、あまり目新しい内容がなく、全く心に響きませんでした。ほかのビジネス書(問題解決、トヨタ式などなど)でも書かれているような内容を、しかも、何度も繰り返し記載されています。1/3くらいのページ分量で、伝えられる内容では。
これは、主にトップマネジメントを意識して書かれたものだからからかもしれません。
類書『不機嫌な職場(講談社現代新書)』の方が、やる気をなくしている社員の問題を考える上での”枠組み”をスッキリとした形で記述してあり、個人的にはお勧めです。
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● 答えが用意されている話し合いのことは「対話」とは呼ばない。それは「説得」なのである。
● 確かに、「愛情」の反対は「憎しみ」よりもむしろ「無関心」のほうが妥当かもしれない。
● つまり、「部下を引っ張る」といった今まで重要とされてきた役割ではなく、「部下の主体性を強めて潜在的な力を引き出すリーダーシップ」が「スポンサーシップ」なのだ。
● 質の高いチームワークをつくろうと思えば、いくつかの条件が必要になる。その中でも特に大切なのは、メンバーどうしで「仲のいいけんか」ができることである。
● 一生懸命働いている人が幸せになれない世の中などそもそも存在する価値がない、と私は思います。
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(K) 「会社はなぜ変われないのか」シリーズ3部作で有名な柴田昌治の最新版。会社が変革する原動力を、一人ひとりが内在しているエネルギーを上手く引き出して、変革力に変えていくというトーンはこれまでの本と変わらない。そういう意味では筋の通った話であった。本作は、その筋について人がやる気を起こす原動力という観点で掘り下げてわかりやすく解説した本であり、なるほどと思わせる内容が随所に散りばめられている。
インパクトを受けたのは、上り調子で元気の良い会社が、必ずしも高い内発的動機を持っている訳ではないという部分。自分自身も、結果が出れば人はやる気を出すということに対して納得をしていたが、結果が出ているときだからこそ考えなければいけないことがあるということに気付いたのは大きな収穫であった。
実際に実行していくには忍耐を要する活動になるが、小さなことからでも実行し継続することが大切なのであろう。
(S) 筆者のシリーズはすべて読んできたが、その中でも最も対象とする人が経営寄りに書かれている印象だった。
ペーペーとしては自分の行動に落とせるものがなかったが、問題認識を持たなければいけないのは経営者もペーペーも同じ。現状にとどまるのは、消費エネルギーが少なくて済むし、現状が最悪というわけでもないからますますそうなってしまう。
商品のアイディアを出すために自分自身で合言葉としてつかっているのは「21世紀の人間がやることじゃない」という言葉。何か面倒で手間がかかる作業があると、その言葉が思い浮かんでくる。
「21世紀の人間がやることじゃない」と同じような合言葉を職場活性のために設定し、それをクセにすれば自分の行動に落とすことにつながっていきそう。
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65万部突破の風土改革シリーズ「なぜ会社は変われないのか」「なんとか会社を変えてやろう」「ここから会社は変わり始めた」の著者による最新作。
以前に読み、衝撃を受けて、すぐ人に貸していたのがやっと戻ってきた。
一人一人の内発的動機が大切だと説かれている。
『内発的動機を引き出すことができるのは、チームメイト、つまり、同僚、上司、部下と夢を共有できる経営である。』
『これからはリーダーシップからスポンサーシップへ。』
これを読むとうちのディスカッションも捨てたもんじゃないね、と思えます。
こちらもお勧め。是非、ご一読を。
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自分にとっての会社での役割は「世話人」だなと思った。
何事も内発的動機なくしてできない。どうやって自分が内発的動機を持てるか、再度考え直したい。