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「世界は見えているものだけでできているんじゃない」。中学生の灯子の不思議な一年の物語。でも不思議な部分より、いじめという程ではないけれど、順番に誰かが少しだけクラスから浮いた存在になってしまう…とか、友人の心無い一言とか、日常部分の不意のリアルさが印象的でしたね。…個人的に10代というのはもう思い出したくないこと満載な時代なので、どこか痛々しい気持ちを抱えつつ読んでいました。
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表紙の優しさに惹かれて手に取った。マグノリアとは木蓮、辛夷、泰山木、などの英称らしい。
「だれもいないと思ってはいけない。ひとりぽっちで生きてるなんて決して思ってはいけないよ」と死の間際に語ったおじいちゃんの言葉を思い出すシーンが印象的だった。
作品としては『黒森の宵まつり』がよかった。
『頭のうちどころがわるかった熊の話』の味わいとはまた違った作品。
作成日時 2007年09月17日 18:35
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【収録作品】竜宮の使い-美帆ちゃんとのふしぎな五月、循環バス-凜さんとのふしぎな七月、真実のハート-千夏とのふしぎな九月、黒森の宵まつり-関田くんとのふしぎな十一月、雪幽霊-きいちゃんとのふしぎな一月、マーブルクッキー-おばちゃんとのふしぎな三月、エピローグ
中学生の少女の一年間を描く。誰が見ていなくても自分が知っている。ちょっとした出来事で心はたやすく傷つく。その痛みを無視することもできるけれど、そっと寄り添う勇気がもてたら。そう思える一冊。
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感じやすいものの、どこにでもいる普通の女の子12歳の灯子の1年を、彼女を取り巻く6人の人達とのふれあいを絡めて描いた佳作。灯子が特別な誰かじゃなくて、読む人それぞれが自分を投影できる女の子と描かれていて、初恋や友情や人間関係に悩み迷い傷つきながらも、自分を見失わないところがすごく良かった。 各話とも必ず不思議な体験に遭遇し、立ち竦む灯子の手助けとなるのもいい感じ。この年頃の少女ゆえのスペシャルなのかな、なんて思ったり。 大人が読むと、ちょっとご都合主義的に感じてしまうところもあるけど、思春期の青少年(あ、特に女の子ね)にこそ読んで、感じて欲しいなと思う作品だった。 初めて安東作品を読んだんだけど、好感触。追いかけて少しづつ作品を読んでいきたい。
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知らない作家さん。マグノリアってなんだ?という疑問から借りてみました。モクレンとかのような樹のことみたいです。そんなかっこいいくくりかたがあったなんて!主人公の女の子とリンさんの関係がすきです。中学生のころってむずかしいだろうに、でも、その当事者でなくなると、色々と薄まってしまうことのかなしさを感じました。戻りたくないけど、あんな気もちになれるなんて、今じゃむりなんだよ、という気持ち。さらっと読めます。
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よい雰囲気を持った本でした。日常から別世界への転調と、それに伴う心情の変化が主人公を通して静かに描かれていました。
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辛口のユーモアが目立つ安東さんが、小学高学年から中学生向けに書いたファンタジー。
プロローグとエピローグで語られる言葉。
『世界は見えているものだけでできているんじゃない、、、』
その言葉どおりの情景が12歳の少女・灯子の目をとおして映し出される。
夢見がちな女の子だったに違いない、安東さんの想像力が発揮された作品。やや少女趣味に傾きかけている気がするが、意地悪をする友人たちのひとことふたことに、安東さんらしい一面を見た。
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中学生や高校生のころにぶつかった突然なそして漠然とした不安を思いだした
ああ、あのときああすればよかったなあ、なんて思うことを主人公は不思議な現象に助けられ実行されていくから胸がすかっとした
ムーミンの曲を聴きたくなった
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ずっと気になっていた表紙。装丁を見るとセキユリヲさんでした!YAにもこんなおしゃれな装丁の本が出てきたのか~と感慨深い。嬉しいよね、私が中学生だったら、こういう本、小脇に抱えていたい。
家族や友達同士の会話が好きでした。「見えないってことはいないってことにはならない」「おまえの幸福を願っているものたちが、いつもそばにいる」というおじいちゃんの言葉が生きるように、全てのお話がファンタジー。と思ってしまうのは、大人になったからか。小さな頃は不思議な世界に生きれていたのかな、いや、そんなこともないか。私は「千と千尋の神隠し」の始まりと終わりの空気、言うなればたそがれどきのようなあの感じがとても好きなので、楽しめました。抵抗ある人はあるかもなぁ。
★3.5
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いつもより少しだけ優しい気持ちになれた。これまでより少しだけ不思議を信じられる気がした。
素晴らしい読書の時間でした。
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世界は見えているものだけでできている訳ではない。
不思議な世界は我々のすぐ側にある。
昼でも夜でもない夕暮れ時、異界との境界が薄れ、この世のものでないものに出会うこともある。
亡くなった祖父がお別れを言いに来たり、悲しい伝説の二人が数百年の時を経て幻となって甦ったり。
悩める中学生・灯子の周りで起こる、ちょっと不思議な出来事を巡る連作短編。
確かに私も、学校帰りの夕暮れ時は少し寂しい気持ちになることがあったっけ。
いつもは友達と帰るのにたまたま一人で帰る時など、頼りなくて訳もなく怖い気持ちに負けそうになったり…。
灯子の大好きな叔父さんが遺したマグノリア(木蓮)は、白くて丸い花に清々とした香を漂わせながら静かに灯子を見守ってくれている。
「灯子、おぼえておきなさい。見えないってことはいないってことにはならないんだよ。きれいな魂を持ったものたちがいつもおまえを見ているのだから」
懐かしさと優しさに包まれた物語だった。
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子どもと大人の境の
ピリピリした思春期の感覚と
軽いオカルトのような
メルヘンのような
その辺のブレンド感がとても良かった
こども古本店ツナギ畑本店にて購入
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世の中は、目に見えるものだけでできているわけじゃない…という一節がありました。ホッとしますね。嬉しくなりますね。