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滝山コミューン1974 みんなのレビュー

  • 原 武史 (著)
  • 税込価格:1,87017pt
  • 出版社:講談社
  • 発行年月:2007.5
  • 発送可能日:購入できません

第30回講談社ノンフィクション賞 受賞作品

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みんなのレビュー29件

みんなの評価3.4

評価内訳

  • 星 5 (4件)
  • 星 4 (10件)
  • 星 3 (9件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (3件)
28 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ノスタルジック、サスペンス、システム

2007/08/14 12:28

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:わたなべ - この投稿者のレビュー一覧を見る

1970年代初頭、いわゆる「政治の季節」が終りを告げ、団地に象徴される「私生活主義」が台頭したと言われる時代を、保革伯仲と激化する労働争議を背景に、政治闘争が別の次元に移行した時代と位置づけ、その例証として著者自身の体験したある小学校とその小学校にほとんどの児童を通わせていた団地住民(専業主婦たち)によって作られた「コミューン」の記憶を綴った本。ほとんどノンフィクションのノリで、ノスタルジックにかつ多様な資料を使って当時を再現していく手法は一面的であるだけに臨場感たっぷりでなかなか面白かった。まあ同時代、あるいは近い過去については、まずこうやってその時代を生きた人々の主観に基づいた証言がたくさん書かれるべきで、その意味ではこれはかなりインパクトのある内容なだけに他の証言を引き出す呼び水になるんじゃないかと期待させられる。もっとも「コミューン」が形成されていく中で強烈な疎外感に襲われ塾と鉄道にだけ救いを見出していく幼い著者の姿は、意外に70年代初頭という時代を超えたある程度の普遍性を有しているんじゃないかとも思った。多かれ少なかれ、あるいは遅かれ早かれ、強烈な孤独と自我意識に落とし込まれざるを得ないような仕組みが学校という組織あるいは制度にはあるんじゃなかろうか。

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紙の本

1970年代論の試み。残念ながら踏み込み不足。

2007/09/06 19:58

7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GG - この投稿者のレビュー一覧を見る

80年代に比べて70年代はその時代を論じた評論の数が圧倒的に少ない。ニューアカ、オタク、バブルなどのキーワードで語られる1980年代を論じた書物は、たとえば、ずばり一九八〇年代論という副題を持つ大塚英志『「おたく」の精神史』(講談社現代新書)や、堀井憲一郎『若者殺しの時代』(講談社現代新書)、あるいは吉崎達彦『1985年』(新潮新書)など、新書の棚だけでもこれらの書目をすぐに拾うことができる。

また、60年代だったら1968年というメルクマールがある。世界システム論のイマニュエル・ウォーラーステインというビッグネームがこの断層に注目しているほどなのだから、1960年代論(厳密には60年代末論)が多いのも無理はないか、と思わされる。

その点、間に挟まれた70年代はなかなか正面から論じられることがない。それは60年代末の若者叛乱が敗北した後の「鉛の時代」だったゆえ、とされることが多い。この「新左翼史観」に異を唱え、1974年という年を、当時の小学生の目線から辿りなおしたのが本作である。

舞台となっているのは、東京都北多摩郡久留米町の第七小学校。ここで1969年4月の入学から1975年3月の卒業までの6年間を過ごした著者が、当時の出来事の一つひとつを当事者へのインタビューを行なって辿りなおし、さらには学者らしい手堅さで外枠のデータを埋めた上で、滝山コミューンの消息を描いている。滝山コミューンとは、1974年の第七小学校に成立したという「国家権力から自立し、児童を主権者とする民主的な学園の確立を目指した地域共同体」のことを、著者が思い入れを込めて命名したものである。

私のようなほぼ同年代の読者にとっては、既視感のあるような記述が続く。一体どんな生徒会執行部が成立するのかとハラハラするような場面もある。子どもたちのドラマが深まっていきそうな雰囲気が感じられ、小学校を舞台にしたリアルな少年小説の趣きがあるのだが、期待されるほどのクライマックスの感じられる展開とは言えない。残念である。

では、評論としてどうか。学者独得の慎重さゆえか、それぞれの事象についての強い断言を著者は避けているので、評論的な部分でも食いたらない感触をもってしまう。たとえば、まとめの部分で、中学以降を過ごした東急沿線のとの対比を、もっと突っ込んで行なうこともできたはずである。

意欲作だが、物足らない。これが私の正直な観想である。しかし、著者がどうしてもこの作品を書きたかったのだという気持ちは、ほぼ同じ年代を過ごした者として(僭越ながら)わかるような気がする。オススメの読み方は、坪内祐三『一九七二』(文春文庫)や四方田犬彦『先生とわたし』(新潮社)と並べて、当時の自分も参加させながら読むことである。そのためのデータを挙げておく。原武史1962年生まれ、坪内祐三1958年生まれ、四方田犬彦1953年生まれ、である。蛇足ながら、評者の私は1963年生まれである。

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2007/09/03 01:22

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2007/09/13 14:04

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2007/09/16 13:36

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2007/09/24 08:04

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2007/11/08 22:53

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2007/12/30 01:19

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2008/02/15 15:18

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2008/07/23 09:36

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2009/03/16 13:23

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2011/01/22 13:16

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2010/04/13 14:31

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