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中国産業、主にPCや自動車、携帯電話などの産業構造を解説している。全体を通してのキーワードとして産業の垂直分裂があげられる。歴史的、また社会的にそのシステムが中国では種となり、今の産業界にプラスとマイナスの両面を抱えている。そして、その点についての日本の産業界の動きも記載しており、両者の対比、そして国際的に今後どうなるか分析されている。
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中国の企業は、垂直分裂により急成長をとげている。垂直分裂は政府の政策。コピー商品を作る風土は共産党時代のなごり。コピー生産をすることで共通プラットフォームが自然に出来上がった。
中国はブランドを取って海外に進出する戦略が見える。
日本は基幹部品を売る戦略を取った方が良いか?
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[ 内容 ]
繊維、鉄鋼、電子製品で世界最大の生産を誇り、自動車など日本が得意とする分野でもトップの地位をうかがう中国。
あらゆる産業で地場企業が台頭し、聯想、TCLなど外国企業を買収する企業も増えてきた。
本書では、中国企業の特徴が最もよく現れた家電、IT、自動車という三つの産業から、その強さと弱点を明らかにする。
また、中国の産業が拡大するなかで日本企業がどこに活路を見出すべきかを探る。
中国企業一覧付き。
[ 目次 ]
プロローグ 低迷する日本ブランド
第1章 垂直分裂と互換性―家電産業
第2章 脇道のイノベーション―ビデオCDとPHS
第3章 製品開発と流通構造―携帯電話機
第4章 同質化の行き着く果て―パソコン産業
第5章 オープンな垂直分裂―自動車産業
エピローグ 中国企業の将来、日本企業の可能性
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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現代中国の白物家電、携帯電話、自動車などの産業構造と中国独自の発展経緯に関する著者の考察がまとめられています。
中国フリークにとってはとても面白い本なのですが、「垂直統合」の反意語が「水平分業」ではなく、「垂直分裂」と書かれているのがとても読みづらいです。この点については著書でも弁明されていますが、真意はともかく、読みやすくはありません。
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期待していませんでしたが、興味深かったです。キーワードは、「垂直統合」と「垂直分裂」です。「垂直統合」とは、一つの企業、企業集団が、販売、製造、部品まで、一貫して担当することである。日本の製造業は、このパターンです。それに対して、「垂直分裂」とは、販売、製造、部品をそれぞれ別の企業が担当することである。例えば、部品会社は、複数の会社に部品を供給する。複数の会社と取引するので、標準化が進む。それに対して、「垂直統合」の場合、その企業、その企業集団特有のものとなり、標準化は進まない。中国の製造業は、このパターンです。「垂直分裂」の長所は、資本力がなくとも、技術力がなくとも、容易に市場に参入できることである。その短所は、誰でも参入できるので、激しい価格競争にさらされることになる。中国において、「垂直分裂」が採用された理由は、一つの企業、企業集団だけで、製品をつくることができなかったからである。つまり、競争の激しい中国市場で勝ち抜く中国企業は、メンツにこだわらず、外注できる部分は、積極的に外注するのが流儀なようです。ただし、日本企業のように、自らの手で、全てを生産できるわけではないようです。また、「VCD」に関する解説は、非常に興味深いものでした。テレビドラマが繰り返し再放送される中国において、テレビの録画需要はほとんどない。そのため、テレビの録画機能を持つ「ビデオ」は普及せず、テレビの録画機能を持たない「VCD」が普及したそうです。テレビドラマが再放送されない日本において、「ビデオ」が普及したそうです。