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高校一年のときから、ひきこもりとなったあたし、鏡田小夏。あたしを訪ねてくるのは、親友の秋だけ。秋は、奔放なイマドキの女の子。今日も、恋の一部始終を報告にやってくる。そう、ひきこもりのあたしにだって、恋にも将来についても悩みはある。そんな二人の女の子が遭遇した、七つの出来事を描く青春ミステリ。
私の周りには引きこもりの知り合いはいませんが、実際はこんな簡単にはいかないんだろうとは思います。でも設定としては面白かったです。ラストはかなりあっけなかった気がしますが、それまでは日常のミステリを解き明かしていくヒロインや、彼女を取り巻く親友や恋人(引きこもりなのにこれがすごい!!)達との絡みも楽しく読めました。
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高校一年のときから、ひきこもりとなったあたし、鏡田小夏。あたしを訪ねてくるのは、親友の秋だけ。秋は、奔放なイマドキの女の子。今日も、恋の一部始終を報告にやってくる。そう、ひきこもりのあたしにだって、恋にも将来についても悩みはある。そんな二人の女の子が遭遇した、七つの出来事を描く青春ミステリ。
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ヒッキーの女の子とその親友、日常のミステリーをヒッキーが解き明かす、と書けば坂木司の「青空の卵」の二番煎じと思われるかもしれませんが、さすが柴田よしき、実にさわやかな青春成長恋愛ミステリーに仕上げています。ミステリ部にやや強引さは感じられるものの、気持ちのいいエンディングでほっとします。
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11/2 引きこもりについて軽いタッチで当事者の少女目線で書かれた話。母親の子どもに対する想いの記述がぐっときた。意外とこんなものなのかな、と思った。
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「ひきこもり」の小夏と、その友だち、夏との日常。その二人が出会う日常の不思議なこと、ミステリー。小夏がそれらの出来事を通じて成長していく。
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2008.01.21. ヒキコモリになった小夏の家に、なぜかずっと遊びに来る天真爛漫な秋。この子がいい。ちょっと「Taiking アスカ」を思わせる感じだけど、もっと明るいというかなんというか。ヒキコモリは、これくらいで脱出できるのか。な。どうなんだろう。小夏の冴え渡る推理は、とてもいいと思うんだけど。インターネットが便利すぎるのって、やっぱり良くもあり悪くもありなんだとつくづく思った。
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引きこもりの女の子とその友人のお話。
人の感情とかの書き方がすごく細やかでこの作家の本はすごく好き
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心がほっこりと温かくなりました。
ヒロインの周りの人たちがみんな優しくて魅力的なひとばかり。
頑張れ,って急かされないから,
頑張ろう,って気持ちになれる。
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高校からひきこもりになった19歳の女性の周りで起きるちょっとした事件。それによって色々な人と出会い、少しずつ変わっていく。
大きな事件や動きはないけれど、読み応えあり。
ヒッキーには通ずるところあり。最近やたら手に取るのも呼ぶものあり?
〔図書館・初読・3/18読了〕
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20才を迎える小夏の物語。母子2人暮らしの「ひきこもり」の女性の身辺。北村薫風の日常のなかのミステリー要素も組み込まれていて……。
さらりと読めたが、内容はじわっと来る。
作成日時 2007年10月20日 16:09
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いじめが原因で高校生の頃からひきこもりになった主人公の小夏が、彼女を取り巻く友人たち、家族と関わりあいながら、日常の謎にふれていき、一歩ずつ外へ出るステップを昇っていく。そんな優しくて、どこかユーモアなお話です。
ミステリーと銘打っていますが、ほとんど期待はできません。どれもこれもこじつけ的な解釈で、合理的な謎ではありません。それなのに、主人公、小夏の一人称の語りがとても爽やかでリズム良く、親友の秋との会話がユーモアに満ちていて、読んでいて飽きません。ミステリを読もうと思っていたのも忘れて、小夏という女の子の感じること、想う事、彼女がどういう道を選んでいくのかという部分に夢中になってしまった。
一概にひきこもりやニートと言っても、いろいろと分類があって、決して全ての人を同じケースと言って片付けることなんてできないんだろうけれど、小夏の場合は、不安症を伴うパニック障害の一種なんでしょうね。普段はなんともないのに、外へ出ると人の気配に脅えて、電車の中など、人ごみで過呼吸を起こしてしまう。それに近いんだと思う。
決して外に出たくないわけではなく、単純に外に出る必然性を感じなくなった彼女は、ひきこもりといった暗いイメージからは遠く離れて、明るく、前向きな文章で描かれています。遊びに来る親友の秋と笑い合ったり、母親の代わりに家事全般を引き受けて、料理に拘ったり、通販で下着を買ったり、外に出るわけでもないのにメイクをしたりとか、そういった彼女の前向きな日常が、すごく明るく、爽やかで、けれど、閉ざされた部屋のベランダからしか外を見ることができない、彼女の狭い世界を思うと、どこか切なく思えて仕方ありません。
明るくポジティブな文体に、ふと混ざる、将来への不安、現状への甘え、突破したいと苦しむ心。
すごく、身に染みる。
痛いくらいに。
親や友人に甘えて生きている人は多いと思うけれど、わたしもその一人で、小夏の感じることに、かなりの部分で共感してしまった。
そして、彼女が様々な出来事を通じて、外へ出て行くことに、勇気付けられて、心が震えた。優しい気持ちになれた。
小夏は、恵まれていると思う。秋という親友がいて、自分を好いてくれる人がいて。
ひきこもりが外に出るためには、誰か自分を引っ張ってくれる人が必要なんじゃないかな、と考えていたことがあります。それも、家族じゃなくて、家族以外の、「家族だから」という理由以外で、自分に接してくれる誰かが必要なんだと思っていた。
そんな人がいないから、わたし達は自分の殻に閉じこもって、「だって誰も構ってくれないから」と駄々を捏ねて、部屋から出ることをしないでいる。だからひきこもりが増えていく。そんなふうに思っていたんだけれど。
わたしが中学時代にひきこもっていたときはそう思ってた。そして、高校生になって外に出てから、もしかしたらそうじゃないのかもしれないと思うようになった。
うまく言うのは難しいけれど、誰にだって、家族以外の誰かは、自分を見てくれているのだ。よく遊んでいた友人でもいいし、それがいないのなら、あまり顔を合わせないクラスメイトでもいい。それがいないのなら、近所のおばさんだっていいと思う。
誰かは、少しくらい自分を見てくれていて、ちょっとは気に掛けてくれている。その事実にわたし達は目を背けて、「ちょっとじゃなくて、もっと気にしてよ!」と駄々をこねてわがままを言っている。ただそれだけのような気がする。それに気付けるのは、けれど、外に出てからなのだ。
小夏は恵まれている。それは確かだと思う。事実は小説のようにうまくいかないし、これはフィクションだ。小夏はどこか前向きな性格をしていて、それが彼女のいいところなのだと思う。ポジティブだからこそ、他人からの介入を無下に拒んだり、否定したりせずに、なんとかしなくちゃ、と焦って、焦るだけに留まらず、実行に移そうと努力する。そういう努力を、人間ってなかなかできない。昔のわたしは、絶対にしなかっただろう。
ただ、小夏の心理描写を読んでいるとどこか勇気が湧いてくる。自分も自立しなくちゃ、という責任感が湧いてくるのだから、少し不思議だ。
日常の謎は、こうした主人公の成長物語と非常に相性がいいと思う。大げさな事件ではなくて、誰もが体験するような、些細な出来事を、ちょっとした謎で味付けして、くるんであげて、物語にする。そうすることで、ミステリーという枠組みでありながらも、心理描写に深く追随できるようになる。
ああ、いいお話に出会えたなぁ。
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理由なんて人それぞれ。引きこもりの数だけ理由がある。
高校を途中で止めて自宅に籠もるようになった小夏。尋ねてくる親友の秋が持ち込む騒動と、鮮やかなミステリー。ある意味、安楽椅子探偵、か?(笑)
見事な連作でした。ラストまで非常にあったかい感じで。
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高校1年のときからひきこもりになった主人公と、親友の二人の女の子が遭遇した7つの出来事を描く青春ミステリー。
良かったです。ミステリーとしてはやや強引ですが、ひきこもりの子の心情を微細に描いていい物語でした。
周囲の人が(特に母親)主人公を急がせないでゆっくりと見守る感じがヨイ。
親友の秋がすごいいい子。まわりに流されない自分の価値観をもっています。こういう友達がいるなんてひきこもりの子の中では恵まれていると思います。
少しずつひきこもりから脱却していく過程が自然で無理がありませんでした。やっぱり支えてあげる人の存在って重要なんですね。
「どの人もみんなそれぞれ他のヒッキーとは違う特徴や状況があるのだ」という言葉、なるほどなと思いました。
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一応ミステリーにするけれども、正直その推理はどうなの!っていう場面がたくさんある。ミステリーとしては楽しめないけれども、ふつうの小説としてはまぁそこそこ楽しめた。
2009/2/27
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ひそかな日常の謎ミステリ。でもメインは謎解きよりも、ヒロインの成長物語なのでしょう。
引きこもり、とはひとくくりに言えないんだなあ。どうしようもない場合もあるものね。それでもそのままじゃいられないのが現実、というかなり痛い話……。しかしそれをしっかり理解して前進しようとするヒロイン、応援したくなりますね。なんだかぐだぐだ悩んで考えるところなんかも、非常に親近感がもてるし。ああ、それは同感、なんて思ったりも。
友人の秋もいいキャラです。本当、こういう友達がいてくれるといいよね、と思えます。ほっこりとした気分になれる一冊でした。