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趣向の異なる作品集。鮎川哲也が“本格の最右翼”と評するだけあって、どの作品も実に手厳しい。「論理の極限において辛うじて成立するトリック」とは何と難解なのだろう。砧シリーズの完成度の高さにホレボレしていたが、表題作を読んでパニックに陥ってしまった。ありがちなアリバイものだと思ったら、第二章では別の事件に上書きされる。しょぼいオチで萎えながら最終章に突入したら、そこには驚愕の展開が待ち受けていた。殺人的とも言える論理の蟻地獄。脂汗が噴き出した私の脳ミソでは理解不能で、あまりのショックに途中からの記憶を失くす始末。ここまでやる作家はまず見当たらないだろう。万全な体調でもって再挑戦したいと思った。
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論理の極限とはまさにこのこと、という印象。
表題作は一回読んだことがあるので、再読ということになるのだけど、それでやっとトリックが理解できたという感じ。
複雑怪奇なロジックはミステリファン冥利に尽きるのだけど……自分の力の無さに悲しくなる。
短編も素晴らしかった。
まだまだ次が待っていそうなので、楽しみ。
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(収録作品)砧最初の事件/銀知恵の輪/死の黙劇/金知恵の輪/扉/神技/厄日/罠/宗歩忌/時計/離れた家
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砧シリーズおもしろかった。
表題作とかもう1回くらい読まなきゃだめかな。あんまり理解できてない。。
2008.10.7
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読書完了日2008年09月21日。2008年度このミス国内6位。昭和の匂いがします。江戸川乱歩とか好きな方は良いかも。
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本格という定義がどういうものかよくわからないけど、全てが読者に晒されるという意味なら当てはまるか。トリックを駆使したというだけでは本格じゃあないよね。
しかしまあ、離れた家、ここまでやりますか?という趣向。都合9人(?)を巻き込んだ時間のトリック。何せ事が殺人ですから、ここまで力を入れないと果たせないという事か。それでも天網恢恢疎にして漏らさず。犯罪は割に合わない。
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殺人事件を扱ったいかにもなミステリっぽいのはすべて好みではなかったけど、「罠」「宗歩忌」の二篇は良かった。「宗歩忌」の将棋の世界の狂気じみた執念と、幻想的な因果の物語は印象的。
ミステリ作品が好みでないのは、読者への謎解きではなく、まさしく作者=探偵の謎解きだと思ったから。真相で用いているネタがどうも受け入れ難い点があったりして。
客席から、観客は入り込めない凝った手品を見せつけられている感じ。
表題作も同様だけど、ここまでやってくれると楽しかった。
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鮎川哲也に“本格の最右翼”とも評された著者の作品集。謎解き要素以外を極端に排した、「ここまでやるか」な緻密で複雑な論理構成に舌を巻く。レトロな大阪の雰囲気が味わえるのも嬉しい。
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このミスベスト10、2008年版6位。本格の鬼、ロジカルモンスター。50年以上前に作られた作品がメインの短編集。プロの評論家も理解できない難解なトリックを売りにした推理小説。登場人物の名前は記号にすぎず、トリック=手品のタネの論理のみでゴリゴリくるようです。まあ、本格とはそこまでやるものと解説にはありますが。。。当然、自分には理解できず、感情移入とかと無縁の文書を延々読まされるという罰ゲームの世界。文庫化されてなく、ハードカバーを中古で購入したけど、やっぱ文庫化されてないものは、高い、重い、面白くないの3重苦につきあうハメになります。できれば避けたいのですが、このミスベスト10読破のノルマ達成のためにしかたないのです。あと何冊ハードカバーがあるのやら。
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1924年生まれの著者による本格ミステリー。時代的に清張や横溝と同じように思うが、背景が単調でトリックの種明かしに固執した感があり、登場人物にも犯罪にもイマイチ感が拭えなかった。