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亡国の「東アジア共同体」 中国のアジア覇権を許してよいのか みんなのレビュー

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紙の本

日本がアジアって誰が決めた

2008/08/03 03:10

14人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 太平洋戦争の本当の戦犯は、近衛文麿であり松岡洋右であることは岡崎久彦も再三主張しているし、ちょっと勉強すればおそらく自明のことと言ってよい。しかし、ちょっとかじっただけでは分からない内容が本書の主題である。
 多くの共通の理解というのは、おおよそ昭和大帝の御心に反するにも拘らず、暴走し日独同盟という最悪極まる愚挙を犯したということであろう。それゆえに、対米戦は決し、戦略上の負けを戦術で覆しようもないというものだ。
 だが、近衛がアジア共産化の首謀者であり、大東亜共栄圏はまさしく日本を滅亡に導いてでも共産化を目指すための道標であったという。本書では学術的には十分とは言い切れない部分ももちろんあるが、新説の場合はやむを得ないものであるし、これはこれで十分な説得力は持つ。少なくとも、各種資料分析を丹念にやっていることは本書から理解できる。
 私などは、近衛に関する何冊かの著書を読んだが、愚鈍なアホという印象しか持っていない。しかし、大東亜共栄圏という道標を立て、日本滅亡を一里塚としてもなお謀略に身をやつしたとすれば、目標の設定自体がそもそもニワトリなみの低能ではあるものの、策士ということになってしまう。
 何とも言えないが、大事なのはそこではない。歴史の本を読むとき、目的は常に未来をどう考えるかに置くべきである。そうであればこそ、歴史研究は一挙に未来研究そのものという、他の学問の追随を許さぬ光沢を放つ。大事なのは、大東亜共栄圏的発想が再燃しているということだ。
 日本一の外交官は陸奥宗光である。彼こそまさしく日本をアジアの愚鈍な連中に一切期待を抱かず、英国を同盟相手と見定めた慧眼の持ち主であり、行動家であった。それを後押ししたのが、福沢諭吉である。彼は、脱亜論をはじめ、彼らを新聞紙上ほか媒体を使い国民の蒙を啓くことを通して、これを後押しした。その後、小村寿太郎と続く有能な外交家が鬼籍に落ち、やがて日英同盟は終焉する。直因は、欧州派兵を拒否したことにあり、これこそが日本敗戦の1番のターニングポイントであったろう。その後は、破れかぶれの日独同盟と大東亜共栄圏の滅亡レクイエムである。
 東アジア共同体などという愚かな夢想はすぐに捨てることだ。そもそも日本はアジアとしての共同文化の地盤は何一つない。一つもないのだ。言語も宗教も無く民族的交流もない。まして隣にいるのが、一日中竹島音頭で大合唱の痴呆民族韓国であり、共産中国である。そういえば、韓国は遠からず再び国家破産することが大体見えてきた。なにしろ東京くらいの予算しかないのに、対日戦争用の軍拡に60兆以上使うつもりなんだそうだ。要するに、こんな国しか隣になく、唯一の反日国2国のうち2つがアジアにあるのだ。
 つまりは、日本はアジアではない。無論欧米でもない。日本は日本であるという現実に気付かなければならない。現代版脱亜論ともいうべきものである。陸奥宗光が今生きていたら彼の気性からして、中韓などとうに見捨て、親米派筆頭の国会議員になっていたことだろう。絶対に友好などあるはずもなく、あるとしても何百年先という幻想的友好に、陸奥宗光が支持の御旗を上げるとは到底思えない。日本はアジアとはほどよく付き合うだけでよく、場合によっては孤立してもいい。
 日本の孤立というのは、6カ国協議などのチンケな集まりでもそうだが、アジアではあり得ない。だって、日本がなくてアジアで何ができよう。韓国は間もなく破産だし、そもそもあの国土とGDPおよび国家予算ではとてもアジアのリーダーにはなれない。中国に対しては、本音では東南アジアは一国たりとも信用していない。そりゃ、あの南沙諸島への軍事侵略は、東南アジアの心胆を大いに寒からしめたことであろう。
 ことに、アジア内で銀行を作ったり、貿易機関を作ったり、取り決めをしたりなんにしてもすべては金である。つい数年前までアジア全部を足しても日本一国のGDPに及ばなかったほどの巨人である日本無くして出来ることなど何一つない。安保についても日本なくして中国を抑えることはできない。日本が入らなければ、結局中国を盟主とした奴隷集団になることは自明だから、結局共同体などできはしない。
 日英米豪および印度。共通点は強固な民主主義国。これこそが、日本の求むべき道である。豪州では、日本語が20%の高校で第2外国語として選択されるほど日本への関心は高い。国連常任理事国など諦め、民主主義連合を作り、そこの理事国になった方がよほど価値がある。外交はアジアにとどまらず、世界を相手にダイナミックに展開すべきであり、著者がいつも以上に舌鋒鋭く「東アジア共同体」を否定し尽くすのには、十分すぎるいや万分すぎる説得力があるわけである。
 日本はアジアっていうのは、地政学的な話で、数式という神の声ではない。別に英国気取りじゃないし、両者は全然違うのだが、少なくともポンドを据え置き、空威張りでも胸を張る性質は、アジアにおける立ち位置として例うべきところが多いかもしれない。

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紙の本

「東アジア共同体」は亡国の大東亜共栄圏の焼き直し

2007/07/11 14:54

13人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る

極めて刺激的な書である。歴史を振り返った上で、現在の東アジア共同体を論ずるものだ。
 まず、東アジア共同体とEUとの比較から始まる。欧州石炭鉄鋼共同体に始まり、40年かけて欧州連合(EU)まで発展してきた、そのEUの歴史を振り返り、現在の東アジア共同体論議がいかに荒唐無稽なものであるかを論じる。
 それ以上に重要なのは、東アジア共同体がかつての大東亜共栄圏と同種の思想であり、日米同盟を自壊させる、まさに亡国への道、いつか来た道だという視点である。
 かつて20年ほど続いた日英同盟が崩壊すると、やがて大きく国策を誤ることになった。東亜共同体、そして大東亜共栄圏の構想へと進んだ。大東亜共栄圏は親ソ・反米英の思想だった。親ソ、つまりアジア共産化への道だったと著者は論じる。この点、現在の東アジア共同体論議は、親ソが親中に変わるだけなのだ。
 そして、アジア共産化を日本国内において主導した中心人物が、当時の首相だったとしている。まさに驚愕である。
 著者は現在でも戦時中の歴史の捏造が行われているとして、最近出版された著作数点について内容を強く批判している。
 一方で、著者が高く評価する著作としては、三田村武夫著「大東亜戦争とスターリンの謀略」(自由選書)が挙げられる。この本は評者も3度読んだ。岸信介元首相ら有識者も巻末に書評を載せている。近衛文麿の側近だった尾崎秀実らが日中戦争を誘導していた様子が書かれた衝撃的な本である。是非、併せ読んでおきたい。
 さて、本書については、読者によって評価が大きく割れるかも知れない。しかしながら、第二次大戦に絡む歴史はまだ十分に研究し尽くされていない。欧米でも90年代から明らかになった史料に基づいて研究途上だとも聞く。著者の主張を決して妄説と決めつけることはできないのである。
 ともあれ、本書の内容がほぼ的を射たものだとすれば、実に怖ろしくもある。よく、日本は「右傾化」している、などと言う人がいる。それを言うなら「右傾化」ではなく「正常化」だと評者は思う。ところがところが、それは表面上のことだけで、深部では現在でも「極左」の策動が活発なのではないか、それが表面に顔を出してきたのが東アジア共同体論議なのか、そう思わせる書なのである。
 ところで、著者は本書の中で、一部の保守系論客を痛烈に批判し、こき下ろしてもいる。これについては、いかがなものか。いくらなんでも・・・、と感ずるのだが。

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