紙の本
明日のことは分からない。本当に
2008/09/29 00:40
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投稿者:華雅美 由沙 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は2人。柏木陽と、永見明帆です。
普通の生徒と優等生。少しイメージは違うものの、普通に過ごそうとしている2人の少年。でも、それは、過ごそうと『している』にすぎない。
2人はおなじく、心に言い表せないものを抱えていて、周りとの違和感を隠そうと奮闘している。そんな2人が出会ったのは、1瞬にして訪れた、束縛からの解放。一夜にして、アパートと共に燃えた、家族と恋人。
なくしたものは違うけれど、2人が一様に、違和感を感じる対象が死んでしまった。
自分たちを迎えに来る。
夢や電話の声に、漠然とした不安を感じながら、2人はアパート消失の謎を探り出す。
一見、ありえなさそうな話かもしれない。
そんな、大人が何かを感じられるほど、深い闇を持ってる少年たちって、いるわけ?とか。
ネタバレになってしまうから言えないが、事件のもう1つの中心、藍子だって、身近すぎて、でもありえないんじゃないの?って感じの事件に巻き込まれるわけだし。
でも、実際、結構リアリティあるんじゃない?って私は思う。
私だって、同じ年代の子が、どのくらい心の中で闇を持ってるか知らないけど。
正直、全員が全員、闇を持ってて、違和感感じながらも、いつの間にか、誰かによって定められた普通を演じてるんだって、それが真実でも、実際にありえるんじゃないかって思う。
多かれ少なかれ、誰にでも、表で演じてる顔を持ってるわけだ。
誰でも、それについて考えたり迷ったりしたことがあるはず。
人によっては、理解できない。とか、何この終わり方とか、雰囲気しかつたわらない、とか。そんな感想を抱くかもしれない。
正直言うと、確かに好き嫌いの分かれる作品だと思う。
読感はいい方じゃないし、少なくてもバッテリーであさのあつこを好きになって、あの感じを求めるというなら、違和感を感じるのはしょうがないはず。
それに、その雰囲気を読む力がいるかもしれないし、特に、大人には受け入れられないことが多いかもしれない。
同じくらいの年代で、今くらいの年代の、不安定さとか、漠然とした不安とか。
そういうのを感じている私だからこそ、分かることもあるし。
その点、すっごくリアリティがあると思う。だって、同年代の私が同感できるんだから。
大人みたいな強さと、大人みたいな弱さを持っていない私たちだからこそ、理解できる、そういう部分もあるはずなわけ。
ちょっと背伸びして、大人になりたがったりしてるけど。
それでも、大人と違う部分を持ってるんだ。
世の中の疑問に割り切れる頭を持ってなくて。
心配されることを受け入れる余裕を持ってなくて。
そういうきわどい年代。
でもね、大人にも子供にも読んで欲しい。
多分、絶対楽しめると思う。まぁ、楽しむといっても、愉快、な方の楽しむじゃなくて、興味深い、の方ですが。
紙の本
タイトルから判断しない方が良いですよ!
2023/06/02 17:51
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投稿者:ムーミン・パパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あさのあつこさんのファンです。特に「少年モノ」が好きなので「爽やかな青春物語」かなと思い手に取りました。
…が、いい意味で裏切られました。ネタバレになるので詳しくは言いたくありませんが、世代を問わずオススメです!
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相変わらず微妙な関係の男子二人を書くのがうまい・・・それがリアルかというのは置いといて。周りがこいつは危うい・・・と見ているシーンは結構あったけど、自身に巣食うドロドロしたものをもっと表現してもらってもよかったかな、と思いました。全体的には、ちょっと不完全燃焼気味なので、★3つ。
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以前にも読んでいる本なのですが、再読。この著者の本は(『バッテリー』はあまり肌にあわなかったのですが)何冊か読んだ。どうもオチがあまり私の感覚ではすっきりせず、その辺りに不満は残るのだけれど、それでも読み続けるのは、この人の硬質な文章が好きだからだ。あと年齢がどれほど低くても、この人は子どもと侮った書き方をしない。その年齢なりに子どもも「大人」であり、悪意は持っているのだと、それを意識している作家だと思う。さてこの物語だが、やはり結末にすっきりしないものは残る。けれど彼ら三人の憎悪にも似た関係(明らかに女性でしか書き得ない関係だが――声の美しさの描写を同性の少年が感じるくだりなど特に)を見ていると、もうそんなことはどうでもよく思えてくる。単行本とは異なり文庫本には本編でほんのわずかに現れた少女の視点での短編が併載されている。ある意味で本編の三人は何かが突出した存在だ。それを傍らから見つめる彼女の視点が読めただけ、私は文庫本を手にとった価値はあると思う。
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「NO.6」とは違い、現実世界を舞台にしたサスペンス小説風。あさのあつこもこんな作品書くんだな。しかし、主眼が置かれているのは事件の行方ではなく、二人の少年の危うい内面。この辺り、やはりあさのあつこ。不満なのは、ここまでドキドキさせておきながら、不完全燃焼で話を終わらせること。最後はいつも含みを持たせた終わらせ方をする作者ではあるけれど、この作品についてはもう少し顛末を記してもいいのではないか。
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ハードカバー持ってるのに、短編に釣られてついつい買ってしまった文庫版。
久し振りに読んだけど、やっぱ結構好きですこの話vv
謎多いですけど…。
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思っていたよりもダークな内容。。
先が気になって一気に読んじゃったけど、読後の後味が悪い★★
07.7.8
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?6を思い出してしまいました。背負うものは?6のふたりより少なく、抱えるものは多い福音の少年のふたり。嫌いではありませんし、面白かったのですが、これで終わりなのかというラストに納得するのは難しいですね。心的な部分ではなくて実際どうなったの!? はっきりしないわね! と正直不完全燃焼…。
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16歳の明帆は同級生の藍子とつきあっていたが、
藍子のアパートが火事になり、彼女は焼死体で発見された。
そして、それは、単なる事故ではなかった。。。
明帆は、同級生の陽と2人で、
事件の真相を探ろうとするのだが。。。
そこから見えてきたものは、藍子の意外な一面。。。
この物語は、ミステリーとしても充分楽しめるけれど、
その中で描かれている、少年の心に注目したい。
16歳の少年が抱え持つ心の闇。。。
2人の少年のさわやかさの裏にある、もうひとつの顔。。。
少年の思春期の複雑な気持ちは、うまく理解できないけれど、
ここに登場する2人の少年たちは、とても魅力的で、
勝手に、ジャニーズ系の美少年を想像しながら、ドキドキ。。。
この先、彼らがどうなるのか気になるラストでしたが、
今までにない、新鮮な感覚で読めました。
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「バッテリー」とは全然違うなぁ、と思わされた。
ただ、登場人物が非常に魅力的なところは共通している。ただ、スッキリしない。なぜ、売春に手を出したのか?理由が出てこない。殺人者がどういう人なのかもよく分からない。これで解決としていいのだろうか?というのも疑問。少し消化不良かなぁ?
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2007.8
大人たちが逆にすごく真っ直ぐだった。
子供がかかえる「自分は人と相容れない」という思いはいつかキレイに消化されていくものなのかもしれない。
前半が○。
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「ラストイニング」が見当たらないので、代わりに買って読んだ。「代わりに」というのが、いけなかった。小説として上手いとも、面白いとも感じなかった。代わりに、ひたすら胸が痛む。とにかく、思春期の少年少女の心の動きをとらえる作者の目と筆は、本当にすごいと思った。
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氷が溶けきらない。闇はどこまでも闇で、限りなかった。少年たちの闇は凍っていて、水を滴らせながらも決して溶けきらない。少年はかくも深い闇を抱くものなのか。
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うーん。
なにがいいたいかぜんぜんわからなかった。。
バッテリー読んでみようかと思ってたけど
どうかなあ。
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ストーリー性はあります。はまります。が、若干謎が多すぎる気もします。読後スッキリ、とはまずなりません。