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読後、最初の感想が。
「透さん…っ!」
でした。なんてせつないラムダスなんだろう、と。
帯の「海の見える坂の街」の一言に負けて購入しました。
景色がとても瑞々しい。
春という季節も手伝ってか、凄く素敵な街に見えました。
ちらちらと垣間見える、少女達のほんの少しの憧れと好奇心。
わくわくとむずむずとぞくぞくが、何度も首筋をくすぐっていきました。
真実が示された時、自然に涙が流れたのは、過ぎてゆく(けれど確かにそこに在る)、少女達の宝物のような日々があまりにも眩しかったからかもしれません。
やさしい茶色の瞳のあの人が、世界の外側で微笑っていてくれることを祈るばかりです。
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大人になってゆく少女たちの物語であると同時に、時を積み重ねてきた老人の物語でもあり、また、壮年にさしかかろうとする母親たちへのまなざしも忘れていない。萩尾望都『マリーン』や、フィリパ・ピアスのかの名作を想起させる部分もあって、ストーリーもすばらしいけれど、それだけでなく、文章のそこここにはっと胸を衝かれる一節があり、心をゆさぶられた。
モチーフは『小公女』。わたしも好きだったな〜。この本はいつか読み返すことと思います。一度では味わいきれないので。
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小学校6年生から中学へ進学しようとする春休みに出会った3人の少女の友情と、それを取り持つきっかけとなった「小公女」にまつわる不思議なお話。
お気に入りの場所に名前をつけて3人だけの場所にしたり、
「小公女」の登場人物からあだ名をつけたり、なんとも乙女チックなお話。
うーん、きれいなお話なんだけどすこし物足りない。
主人公と同世代の女の子が読めば「こんな友情育みたい!」
と思うのかしら。
「小公子」よりも「秘密の花園」よりも「十五少年漂流記」に熱中していた私にはいまいちシンパシー沸かなかったです。。。
理由のひとつは彼女たちを取り囲む大人の描き方、存在感が薄いために「少女(空想)の世界」と「外の世界」の差があまりぴりっとせず「だから何ナノかな・・・?」
といいたくなってしまうのでした。
料理番の森さんの存在感と描き方はとても素敵なんですけどねー
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ベルベット・イースター ♪ と口ずさみながら読み終えました。今週読まないでどうする?
引用されている本・詩・短歌のどれもこれもがわたくしのツボです。 オンナノコに生まれてよかった。
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『わたしたちの帽子』が好きだったので、この作品も、
素敵だといいな〜と期待しながら読み始めました。
小学校卒業を目前に控えた時期に、ほんの些細なはずみで
学校に行かなくなってしまったまゆ子。
彼女が母に頼まれたおつかい先で出会った、テトとアミ。
3人の少女は、まゆ子がよく読んでいた『小公女』を
きっかけにして、あっというまに親しくなっていきます。
3人の秘密の場所、シャムロック。
テトとアミが4月から通う、丘の上の私立の女子校。
女子校の寮から見える塔の家にまつわる伝説。
3人の前に幾度となく姿をあらわす、やさしい眼差しの青年。
こうしてあげるだけでいかにも何かありそうと思われる事柄が
最後には『小公女』を軸にまとまってゆくのですが、
お話の持つ独特の雰囲気にどんどん引っ張られるように、
この作品世界にとっぷりと浸りながら読んでしまいました。
私はもう表紙を目にしたときから心をつかまれていましたが、
表紙といい、見返しといい、本文の文字といい(途中で
差しはさまれる、「透」視点の物語なんて、文字色といい
書体といい、大好き・・・!)、本のたたずまい自体が
とても美しく、それが作品の内容ともあいまって
すごく良質な児童文学を読んだ気分になるのです。
読み終えて、「ほぉーっ」とため息をつきたくなるような。
ただ、私は勝手に自分の中高時代の校舎の雰囲気なんかと
重ね合わせて読んでいたので、この世界にするっと
入り込むことができましたが、なにしろ強烈に濃密な
女子っぽさがただようお話(に感じられた・・・)なので、
そういうのが肌に合わないという方にはおすすめしません。
(まぁまず男性は読まないかもしれませんが、実際私の周りで
読んだという男性陣は、あまりピンときてないようでした。)
でも、これくらいの年代の女の子の気持ちの揺れ動きが
とてもよく表されていると思うので、
個人的にはすごく好きな一冊です。
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ファンタジーとまでは言えない感じ。
雰囲気勝負と言ってしまえばそうかもしれないけれど、かなり乙女思考な私にはたまらなかった。
読後感があったかい。
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12、13歳の頃の自分を思い出しながら読みました。あの頃は本当に人間関係に敏感で、友達の一挙一動に翻弄されながら、感情を振り切らせて生きていたけれど、それが見事に描かれています。一つの言動に至るまでに気持ちが揺れ動く様子は、あぁそうそう、こんなふうだった!と頷かずにはいられません。高楼さんの心中には少女が生きているのだなぁ。
あとは、児童書だけど説教じみてない点がとても好感を持てました。それでもこの物語の中に何か学びがあるとすれば、今目の前にあるかけがえのない日々と、日々感じることを大切にしようということ、そしてあなたたちは一人残らず美しくかけがえのない存在なのだということ、かなぁ。10代の日々は、人生のうちで感性をもっとも意識下で働かせている時期だと思う。そこでの思い出はずっと息づいていて、輝かしいものなんだって、あぁそうかもしれないって思いました。
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中学生期の女の子たちの気持ちが繊細に、丁寧に描かれていた。友達を手放しに褒められるのも、気持ちを打ち明けるのに不安を覚えるのも、ままならない感情に引きづられて本意ではない行動を取ってしまうのも、彼女たちが精一杯生きているからだ。
自分が世界にとって何者なのか分からない不安に押しつぶされそうになる怖さも、隣に誰かがいてくれるだけで立ち向かうことができる。
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なんか高校時代の同級生に会いたくなりました。今はしっかり主婦していますが、みんなふわふわ、すぐに心はイマジネーションの世界にワープしてましたっけ。高楼さんの「十一月の扉」は大好きですが、この本はたなぞうで知りました。ヒソノソさん、ritzさん、ありがとうございます。
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小6春休みから5月くらい・・・
ふとしたきっかけで学校に行けなくなってしまっていた まゆ子。母のおつかいを兼ねて 春に誘われるように 外に出た。
寮のある女子校で テトと呼ばれる背の高い明るい女の子、アミちゃんと呼ばれる 美しいものが大好きな瓜実顔の女の子と出会う。 はじめて合った日から 気があった3人は、「小公女」の話でもりあがる。
そして、それをきっかけに 一人の老人とも出会う・・・。
みずみずしい 思春期はじまりの時。 少女たちのすがすがしさ。
老人の想像の世界。
なんか、「柳沢教授・・・」でも似たよな図式があったなあと 思ってしまいましたが、
こういうことって、あるかもしれないと思わせます。
(あれ?私の視点も老人よりでしょうか。)
高学年の子なら、どんな風に感じるのかな。
読める子にしか 読めない、(女子で、かつ、この雰囲気が好きな子に)世界ですが、これに没頭してくれる子もいると思う。
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大好きな高楼作品、文句なしに☆5つ。
中1に学年が変わろうとしている春、3人の少女たちは出会い、友だちになる。でも、茶色の瞳の青年を間にしてちょっと微妙な空気になるときもある書き方が、とてもうまいなあって・・・
高楼さんが小公女を訳したと知って、是非再読したいなあって思ってます。小学校以来だから、楽しみ。
今回、森さん(寮の食事担当)や透さんに大変感情移入できたのは、自分が若くないってことをしみじみ感じてるからかなあ。
若いってことはそれだけで素晴らしい事なんだよね。
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背表紙には『小学校上級以上』なんて書いてあるけど、ちがう。
この本を本気で楽しめるのは、森さんの年代を迎えてこそだ。
自分は今、ミズネズと同年代にあたるのだが、この年代が一番浅い気がする程だ。
少女達の時間は大変濃く。
森さん達の時間は更に深みをましている。
その中間にある今はとても自由な気がした程だ。
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少女時代の不安定なときの体験て素敵だよね。
みずみずしくて、むねのなかに泉が湧いてるような感覚になる。
つってあまりにもときめきポイントが多すぎるのに、文体が好みではなかった…。
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三人の少女の弾んだ雰囲気がワクワクした気持ちにさせてくれる。 ひとつひとつの風景や物人間の描写が丁寧で、美しく よんでいて心地が良い。
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「十一月の扉」がすごく良くて、他の著書も読みたくなり、図書館で借りて読みました。
3人の少女とふしぎな青年、塔の家の不思議と小公女のお話とが絡み合い繋がっていく…。
少女特有の心の揺れや、大人たちの大切な思い出、つながっていた時間や語られる物語の背景に迫るドキドキ感が児童書とは思えない、読み応えのある一冊でした。