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HIVをめぐるアフリカの問題・・・全然知らなかったなぁ。薬のことが1番びっくりしました。。後半になって、一気に話が進んであっという間にラスト。ラストの劇の場面が好きでした。
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遠いアフリカで何が行われているかを知ることができる本。日本人が無関心な大陸で、日本はじめ先進国の施しが国の自立を妨げている現実を著者は厳しく指摘している。
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十人に一人がHIVに感染している国南アフリカ。かつて白人極右組織による黒人抹殺の陰謀を打ち砕いた日本人医師・作田信はいま、新たな敵エイズと戦っていた。民主化後も貧しい人々は満足な治療も受けられず、欧米の製薬会社による新薬開発の人体実験場と化していたのだ。命の重さを問う感動の長編小説(amazonより抜粋)
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アフリカの蹄を読んでいないのですが読みました。南アフリカ、そしてはびこるエイズの現実。。何も分からずに死にいく人々。何もならないけど、それでも村の診療所で孤軍奮闘する医師。大国のエゴ。当事者の意識の欠落。どこかで起きている現実に、目の前のことから一歩ずつと思います。生きるということは力強くあること。
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ノンフィクションなのではないか?
と思わせるほどの小説でした。
アフリカに蔓延るエイズ、そのエイズと政府に立ち向かっていく日本人医師と彼の仲間たちの様子を描いた物です。
世界各国でエイズは今も蔓延しています。圧倒的に多いのはアフリカですが、日本でもエイズ患者は多くいます。決して他人事ではないのだと、この本を読んで思いました。
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アフリカの蹄に続く姉妹作。
前作未読だがとても引き込まれた。
重いテーマだが、読後感は爽やかで、アフリカのみならず、人間の未来を感じさせる終わりだった。
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アフリカにある某国でエイズ勢力が跋扈している。アパルトヘイトから解放された矢先のエイズ禍。低所得者層では、効果的な抗エイズ薬は買えない。彼らは製薬会社から人体実験のモルモットにされ、黒人政府には踏み台にされていた。そんな所に日本人医師・作田が多くの人達と共にエイズと戦う。
興味深く読むことができた。すんごい感動した。難しい本読むよりこういう小説絡みで読んで勉強できるんだから、もっと本を読もうと、読まないといけないと思った。力を合わせるって素敵な事、作田も皆もすっごい良い人。これは泣けるぞ。
さて、これは差別・エイズを問題にしたものだ。日本に住んでてエイズを心配したことがあったろうか。小中高と性教育が設けられているが、どこかよそよそしい。エイズのことだって、これ読んでちゃんと危険な病気なんだと分かった。軽視してた。
どっかの発展途上国に蔓延してる病気でしょ?薬あるんでしょ?
いや、他人事で片付けてはいけない。今アフリカでのエイズ感染者は減少を見せているが、反対に中央アジアなどで増加しているのが現状だ。楽観視は禁物。
援助の話も出たが、これも印象的だった。医師を派遣して病人の治療、食糧難なら食糧をあげればいいと単純に思ってた。大間違い‼自分も政府となんら変わらんじゃないかと落胆した。必要なのは育成。自分たちで生きていける力。現地の医師を育て、農業のやり方を指導する。自分の足で立てるようにすることこそが正しい。
今こんなことに気づくとは…情けない。色々勉強になる。
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南アフリカを舞台にした医療小説です。アパルトヘイト崩壊後の南アにてエイズが非常に流行っており、政府が私利私欲のために効果のない抗HIV薬を無料配布したり、アフリカが製薬会社の人体実験場と化している現状が描かれている。南アフリカは世界情勢を見つめるアフリカの瞳だという一説はささりました。
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どこまでが真実でどこまでがフィクションなのかわからないが、医者としての叫びのような作品。
インフラや食糧や衣料のやみくもの援助すらも生活を破壊していく。10人に1人がHIVに感染している国。民主化後も貧しい人々は正しい知識も知らされず、満足な治療は受けられず、欧米の製薬会社による新薬開発の人体実験場と化していた。エイズを通してアフリカのかかえる様々な問題が書かれている。
「アフリカの蹄」という作品が前篇として対になっているらしいが、これだけでも十分な完結したメッセージ小説となっている。
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南アフリカのエイズ問題に立ち向かう日本人医師の話。
アパルトヘイトが撤廃され、国民は自由を手に入れたはずだが、エイズに悩まされる事になる。
民族の伝統がエイズの啓発を遅らせ、欧米の製薬会社による卑劣な「治験」が蔓延する。
エイズ問題の根本が見える。
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HIV感染者とエイズ患者の違いを知らずにいました。援助することは大事だけれど、その結果に思いを寄せることも大事なんですね。さらに 国の施策を盲信しないことも必要だと思いました。疑問に思ったら追求するエネルギーを持っていたいものです。
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蹄の方が面白かったけど、こちらもやっぱり終盤は感動。
ただ金銭や物資、人間を送って援助するだけでは問題解決にはならず、場合によってはかえってその国の力を弱めてしまうということは、正直あまり考えたことがなかった。
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とても賢くなったような気分になる作品でした。
南アフリカでHIV感染治療に取り組む日本人医師作田信さんのお話です。
貧困社会の医療、政治、援助など色々な事が詰まっています
フィクションなのかノンフィクションなのか分からなくなります
ラストは感動します!
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『アフリカの蹄』の姉妹編。
白人極右組織による黒人抹殺の陰謀を書いている『アフリカの蹄』の後、南アフリカは黒人政権の国となったのだが、貧困は変わらず、そのうえエイズが国中に蔓延して、希望を失った人々はアルコールに依存したりするのだった。
出口の見えない南アフリカの現実。
白人は高価なエイズの治療薬を使うことができるが、黒人は病院にかかるお金も病院へ行く交通費もないのに、エイズの治療薬なんて買えるわけがない。
経済的に豊かな国が、企業が、個人が、ほんの少しのお金をエイズ撲滅のために使ってくれたら。
“要するに、アフリカの貧困とエイズから日本が学ぶことは多々あるのに、日本の眼はアフリカには向けられていない。日本がいつも視野からはずさないでいるのは合衆国であり、時々横目で見ているのが欧州、そして終始見下しているのがアジアなのだ。”
アフリカの女性は、人種差別の他に性差別も受けながら、それでも生きるために身を粉にして働く。
畑をつくったり、水を運んだりするのはいつも女性だ。
“負け続ける戦だと分かっていながら倒れるまで闘うしか、道は残されていない。広大な砂漠に井戸がひとつあるのとないのとでは大違いだ。砂漠全体の緑化は及びもつかないが、井戸さえあれば周辺の住民に水を与えられる。その井戸は枯らしてはならない。”
主人公の作田は外科医なのであるが、市立病院での勤務が終わった後、民間の診療所でボランティア医師として働いている。
ある日運び込まれた患者は、別の診療所でエイズの薬をもらっているという。
エイズの治療薬はとても高価なはずなのに、その診療所ではただで薬をくれるばかりか日当までくれるという。
しかしその薬の副作用ではないかと思われる症状で死んでいく人も多発している。
この薬は一体なんなのか。
また、特別よく効くわけではないが、それなりの効果があると言われるエイズ治療薬ヴィロディン。
安いので、外国産の薬を買うことができない国民は、この薬を使うしかない。
そして、出産時に母から子どもへの感染が多くを占めるこの国のエイズ患者のために、妊婦と新生児には無料で与えられている。
ところが、この薬を服用しているのにもかかわらず、新生児がエイズで死んでいく。
この薬は本当に効き目があるのか。
これらのことを作田を中心として、医師や患者たちが、また作田の妻のパメラから公衆衛生や女性問題などを教わっている人々が、患者に聞き取り調査などして問題を解明していく。
命を狙われたり誘拐されたりと、その調査が妨害される中、どうやって彼らは問題を公にしていくのか。
ミステリとして読んでもとてもスリリングで面白いのだが、南アフリカの現状が、虐げられている人からとことん搾取していくそのシステムが、システムの底辺にいる女性や子どもたちの苦しい息遣いが、ものすごく胸に迫ってきた。
作田の仲間たちが、この国の未来となるべき姿を芝居にして上演する。
その芝居のタイトルが「アフリカの瞳」
“この国はアフリカの中でも特殊で���。いろんな問題がこの国に集約されています。この国にいるとアフリカがよく見える。いやアフリカだけでなく、世界がよく見える。その意味で、この国は世界の瞳です。人間がどう動いているか、見据えている瞳がこの国にあるんです”
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ストーリーはなかなか面白いのですが、冗長すぎます。1/3くらいは削りたいかな。あるいは、その代わりに農村再生の動きをもっと書き込むか。そうすれば、全体に締まった感じになったろうと残念です。
しかし、エイズに実情、政府援助がもたらす問題、アフリカの貧困の実情などを描き、社会に対する警句としてはなかなか良く出来た作品と言えるかもしれません。
気になったのは、欧米の製薬会社はアフリカに無料でエイズ治療薬を配布すべきだという説が随所に出てくることです。会社勤めの人間としては、会社と言うのは営利団体であり、そこまで要求するのは酷な気がします。この薬で欧米では十分に利益を出しているのだからという根拠ですが、新薬開発は非常に多くの投資を必要とし、しかも全てが成功するわけではないのですから。むしろそうした要求は社会に対し行うべきでしょう。