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やっぱりこの人は、こういった怪しげな世界を書いている方が好きだなぁ。最近のはあまり毒気がなくなってしまった気がする。いっそホテルアイリス級のどーんとした物が読みたい。
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夜中に水の溜まった甕を覗き込むような底の見えない感覚。
全体的に一途に思いすぎて常識を通り越してしまった人たち。
素直、あるいは純粋なのかもしれないけど、それは決して目指す場所ではない。その人(モノ)だけしか見えていない感じが怖い、と思う。
この世界においては私の方が異端なのだろう。
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10年04月。
私とあなたの間の見えない何か。越えていくあなたと追えないこちらがわの私。そんな感じ。
繊細な小川女史の表現が浮き彫りにしていく、『さ迷う人々』・揺らぐ『縁』。
裏側ではどんな人が生きているのか…あたしも会いたいような怖いような。
ぞわぞわするけど好きです、小川作品。
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こういう本を書くから、小川洋子さんは魅力的なんだと思う。奇麗で高潔な文章で、人間の人間らしい部分を暴いている。それは時に傲慢だったり醜悪だったり、滑稽だったり美徳だったりするけれど、この矛盾さを孕んでいるのが人間だなと思ってしまう。そしてそれを一切の容赦なく記せる、鬼才だと思いますね。
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淡々とした口振りが作中で起きる不思議なことを不思議と思わせない短編集。離れているようで近い感覚を感じる。読みやすいが軽くはない。
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短編集の中から印象的だったものだけ。
イービーのかなわぬ望み
猫を抱いて~の原案と思われる。
視点が本人じゃないけど。
割と好きだった。
涙売り
この無国籍感とラストの描写がいかにも小川洋子!!
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中華料理店のエレベーターに生み捨てられたイービーは
店内から出ることもなくエレベーターの一部となった。
ウェイトレスの私はイービーのもとへ食事を運んでは
エレベーターを動かしてもらうことに夢中になる。
しかし老朽化から店の取り壊しが決定し…
「イービーのかなわぬ望み」
他には曲芸と野球、教授宅の留守番、お探しの物件、涙売り、
パラソルチョコレート、ラ・ヴェール嬢、銀山の狩猟小屋、再試合。
いしいしんじっぽい!どの話も古い部屋の匂いがする。
変わっていて、うらぶれたハッピーエンドじゃない話たち。
涙売りが痛すぎます。狂気を孕んでいたり。
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野球少年と曲芸師との奇妙な友情・・・「曲芸と野球」
まずは頭と胴体、すべての切断はここから始まる。冷凍ブリにのこぎりを入れる、大学の賄い婦・D子さんの手つきにためらいはなく・・・「教授宅の留守番」
街で一番古い中華料理店のエレベーターボーイ・E.B.。唐草模様が透かし彫りされた年代物のエレベーターで生まれ、そこで過ごした彼の一生・・・「イービーのかなわぬ望み」
物件が求める住人探しが仕事。不思議な不動産屋のセールストーク・・・「お探しの物件」
愛する関節カスタネット奏者のため、その身を捧げる放浪の涙売り・・・「涙売り」
シッターさんのおうちの書斎と、チェスの秘密・・・「パラソルチョコレート」
作家M氏の孫が語る、彼の全集十五巻の官能的な中身とは・・・「ラ・ヴェール嬢」
女流作家が買い求めた銀山の山奥の狩猟小屋。そこの隣人が仕留めようとするサンバカツギ。夕焼けに染まりだした空をまっすぐに進み、赤ん坊の泣き声が聞こえてくる・・・「銀山の狩猟小屋」
園長15回0対0で永遠に終わらない甲子園決勝戦。レフトの彼は変わらず片隅にいる。もし彼が世界の縁からこぼれ落ちそうになったら、私が受け止めてあげようと、両手をのばす・・・「再試合」
夜明けの縁をさ迷う哀しみ、全9編です。
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まだ読んでない短編集を見つけてしあわせな気分になる。読み始めると止まらなくて一気読み。『曲芸と野球』『イービーのかなわぬ望み』が好きかな。『教授宅の留守番』は新井素子の『ひとめあなたに…』(夫を○○しちゃう新妻が出てくる)を思い出した。
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小川洋子らしい1冊。静謐の美しさの中に怖さあるんだなぁ。
作品の紹介
もしあなたが世界からこぼれ落ちても、私が両手をのばして、受け止めよう―『博士の愛した数式』『ミーナの行進』の小川洋子が世界の片隅に灯りをともす、珠玉のナイン・ストーリーズ。
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猫を抱いて~が良かったのでわくわくしながら読み始めた。これは思ったよりもダークな感じ?イービーの話で猫を抱いて~思い出して胸が切なく。
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短編小説って、あまり好きじゃないのですが、これはおもしろかった。「お探しの物件」とか、長編小説でもおもしろそう。
静かで、美しくて、切なくて、時に残酷で。また読み返したい一冊。
猫を抱いて象と泳ぐを彷彿とさせる
エレベーターの中で一生をすごした「イービーのかなわぬ望み」や、「パラソルチョコレート」。
「涙売り」は、密やかな結晶みたい。
「教授宅の留守番」は、最後までは完全に小川洋子さんの世界だったんだけど、最後のオチ?はちょっと意外。
お客様のご希望を伺い、それに見合う物件をご紹介するのが、私どもの仕事ではございません。その逆です。物件が求める住人を探すこと、それが我々の役目なのですー。「お探しの物件」
帯にもなっていた、"もし彼が世界の縁からこぼれ落ちそうになったら、私が受け止めてあげようー「再試合」
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ダークファンタジーみたいな感じ。短編集で読みやすかった。個人的には涙売りの話が好き。痛みの涙が一番には驚いたけど、あとでしっくりきた。
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タイトルに沿った内容の短編。読んでいてギリギリとかキワに立っていてる感じがするなぁ、と。それは決して後ろ向きではなく、前向きと言う意味で。小川さんの作品には登場人物の名前のせいか、どことなく品の良い異国を感じます。そこがまた作品の魅力や不思議さを増しているんだと思いましたよ。
ええと。こーいう発想で物事を書く小川さんって、スゴイです。
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■もしあなたが世界からこぼれ落ちても、私が両手をのばして、受け止めよう-『博士の愛した数式』『ミーナの行進』の小川洋子が世界の片隅に灯りをともす、珠玉のナイン・ストーリーズ。
■■確かに夜明けの縁をうろうろとさ迷うようなお話でした。不思議で独特の世界観。