一策としてありかな?
2015/12/13 21:07
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投稿者:さんしろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
サスペンスものとしては単純な構成であったが、自分も近年医療関係の業務に従事したことがあり、また親が療養病床のお世話になっていることもあり、本作の内容にあながち小説とは思えない感覚を抱いた。現実社会を見ても、日本の高齢化はすでに末期的であり、我々は茫然とそれを見ているのみであり、自分は総論としては佐久間の考え方に肯定的である。
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あぁ-最後はそう落とすかぁ…って感じ。
みんな、高齢者医療とか福祉とか
ホント真剣に考えんといかんなぁって思う。
さすが、これも医者が書いただけはあるなぁ。
医療者の良い面も悪い面もきちんと描いてると思う。
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針を体内に置き忘れたせいで父親は死んだと、枝利子に訴えられている心臓外科助教授・香村。その一方で彼は、厚生労働省の佐久間に、あるプロジェクトへの協力を依頼されていた。佐久間が推し進めるプロジェクト「天寿」には、香村が研究しているペプタイド療法が不可欠だったのである。弱った心機能が一時劇的に回復するが、その後突然心臓が破裂して突然死が起こってしまうという副作用がまだ改善されていない、ペプタイド療法が・・・。なぜならプロジェクト「天寿」とは、高齢者抹殺を目的とするプロジェクトなのだ。
裁判の行方はまぁ、予想通りといったところか。やはり医療裁判というのは患者側にはまだまだ不利だなぁと思う。しかしそれ以上に高齢者問題や安楽死の問題に考えさせられるのが今作。”ポックリ死”を望む高齢者がいるというのは、きっと嘘ではないだろう。この先ずっと寝たきりの状態で何もできず、家族の世話になって”生かされている”状態が続くだけならば、最後は突然死するとわかっていても、一時でいいから元気な状態に戻って好きなことをしたいという気持ちもわかる。しかしだからといって、ペプタイド療法の副作用を、効果として使っていいとも簡単には思えない。これから超高齢化社会になっていく中、後期高齢者医療制度だったりこういった終末期医療問題だったり、本当に問題は山積みだなぁ。
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前作「廃用身」を読んだ時、何ともいえない気持ち悪さを感じた。
この作品はグロテスクさはないが、医療事故や医療の問題点・厚生労働省の官僚主義などをからめ、何が正しいのか解らなくさせる気持ち悪さは残る。
登場人物はみな弱い人間のままで、ヒーローはいない。誰が正しいのか解らない。たぶん正解はない。
視点が変わるたびにそれも正しい意見のように思わされ、読み終わった後、高齢社会を生きなくてはならない自分たちのこれからを考えさせられた。
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枝利子の裁判は、病院内外の圧力で難航する。
その裏で厚労省の佐久間が香村助教授に接触を始めた。
それが国家権力による高齢者抹殺計画=「プロジェクト天寿」だと
見抜いたジャーナリストの松野は、発表する矢先、何者かに殺される…。
裁判の結末は?権力に翻弄される江崎の運命は?
そしてプロジェクトの行方は?医療ミステリの傑作。
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上下巻あわせて
出てくる登場人物の誰もがうさんくさくて、
そこがおもしろい。
官僚のキャラ立ち具合は異常。
ただ、何度も読み返すかと問われると微妙。最初の驚きメイン。
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なかなか読み応えのある内容だった。ストーリーがグロテスクというか、生々しいというか。無さそうで有りそうと言うか…。
終盤は一気に種明かしされて、割とアッサリしている感があったのがちょっと残念。
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枝利子の裁判は、病院内外の圧力で難航する。その裏で厚労省の佐久間が香村助教授に接触を始めた。それが国家権力による高齢者抹殺計画=「プロジェクト天寿」だと見抜いたジャーナリストの松野は、発表する矢先、何者かに殺される…。裁判の結末は?権力に翻弄される江崎の運命は?そしてプロジェクトの行方は?医療ミステリの傑作(amazonより抜粋)
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登場人物&専門用語が多すぎてごちゃごちゃしてた…
医者が書いたんだなぁという感じ。
でも説得力のある問題提起だとも感じる…
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やっぱり落ち着かない感じはある。
が、ピンピンコロリ、安楽死、快楽死。実に考え込んでしまう内容。
一応の敵役がみな再起不能になるラストはいまいちスッキリしない感じ。
が、それもこのテーマだからこそ、勧善懲悪にしないところが奥深い、のか…
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本屋でなんとなく目に付いた久坂部 羊氏の「破裂」を読みました。
日本の長寿問題をクセのある登場人物を通して物語で描いています。
医療ミス、安楽死問題、官僚、報道、高齢化問題など多くの要素が含まれています。
はじめは一体どうなっていくのかと思いましたが、最後はすっきりとおさまりました。
久坂部氏は現役の医師で 他にも2作品が発売されているようです。
順番に読んでいきたいと思います。
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劇的な登場人物の割には、急に小説が終わってしまうようなせっかちな部分があります。それでも現代の医療に対する一面は確かに浮かび上がらせていると思う
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内容(「BOOK」データベースより)
枝利子の裁判は、病院内外の圧力で難航する。その裏で厚労省の佐久間が香村助教授に接触を始めた。それが国家権力による高齢者抹殺計画=「プロジェクト天寿」だと見抜いたジャーナリストの松野は、発表する矢先、何者かに殺される…。裁判の結末は?権力に翻弄される江崎の運命は?そしてプロジェクトの行方は?医療ミステリの傑作。
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すごくビックリした事があったんですが・・・・
ネタバレだろうと思うのですが、内容紹介に出ちゃってるので書きます。
ジャーナリスト松野さん死んじゃうの?( ̄□ ̄;)
主役級の人物死す・・・・
とりあえずそこが一番衝撃でした。
高齢化社会への問題提起と「プロジェクト天寿」計画。
テーマはとっても良いと思ったんですが、結局どうなの?って感じで終わってしまったのが残念でした。
これだけ問題提起したのだから、最後何らかの結論が欲しかったです~。
医療ミス、報道、高齢化問題、安楽死問題など興味深いテーマが山盛りなのですが、山盛りすぎたのでしょうか。。。
ラストがあっけないと言うか何と言うか。
あと、主役は誰なのか?ってのがいまいち分からないので、読む視点が定まらない感じがしました。
主役は松野じゃなかったのか?(←まだ言ってる。)
あんまりな感想になってますが、途中まではかなり面白く読みました!色々考えさせられる内容となってます。
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久坂部羊氏の二作目。四作目の神の手を読んでから戻る形で読んだので、あ、四作目はここを膨らませたんだなとすぐに分かりました。何となく彼は死ぬだろうと思っていた人が、文庫裏表紙であっさり殺される、と書いてあって、先に読んでしまって、複雑な心境で下巻を読み出しました。一冊で完結しない文庫本の下巻裏は危険ですね…。
最終章、墓前でほぼ全て事実が明らかになりますが、すこしボリュームが足りないような、バタバタし過ぎという感じがします。でもグダグダ長くするよりこれで良かったのかな?佐久間氏の最後はさらっと書かれているし、なんとなく予見もできたんですが、考えれば考えるほど怖いなぁと思います。
誰もいい顔ばかりの人がいなくて、自分の利益とか、保身とか、欲望に忠実なところが多かれ少なかれ見える登場人物がリアルで、そこがまた作品を面白くしている部分でもあるのかな、と思います。
ところで内諜さんたちはけっこういろいろやらかしたと思うんですが、その後が気になります。