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紙の本

大阪への力強い応援歌

2008/01/27 13:05

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:CAM - この投稿者のレビュー一覧を見る

 大阪出身者としては書名がうれしい。大阪の沈滞が言われ始めて久しいものがあるが、最近はその“沈み方”が加速されてきたように感じる。 地域活力の基礎的要素である人口について言えば、大阪市が横浜市に抜かれて、「人口第三の都市」になってしまったのは昭和53年(1978年)であるから既に30年になるが、最近では遂に大阪府が神奈川県に抜かれてしまった。 しかも、2008年1月26日付日本経済新聞によると、東京圏、名古屋圏においては転入超過となっているにもかかわらず、大阪圏では転出超過が続いている。

 2008年1月11日の朝日新聞記事によると、資本金100億円以上の企業のうち、大阪に単独で本社を置くものは、99年から04年の間に92社から75社に減った。国内総生産に占める大阪府内総生産の割合は70年度の10%から05年度は7.7%に低下。府民一人あたりの所得も大阪万博が開催された70年には東京に次いで2位だったが7位に転落している。

 以上のような数字は、大阪経済沈滞の実態を冷厳に示すものであって、大阪出身者にとっては到底耐え難いようなレベルのものである。それでは、「大阪の再生」はどうして実現できるかについては、現在進行中の大阪府知事選挙で主要3候補が種々の公約を掲げているが、いずれもそのスケールは小さくしかもその実現可能性は不透明である。

 そこで、本書が主張する「大阪経済大復活」への要因であるが、まずは、2002年の工場等制限法の撤廃である。既に、大阪湾岸地方でのシャープ、パナソニックによる大工場建設という結果につながっている。 第二に、鉄道建設工事の活発化による鉄道交通の利便性向上である。 第三に、大阪市内におけるデパート設備投資競争の激化。 第四に、大阪湾岸における港湾物流施設の設備投資競争である。

 しかも、こうした4要素が東京の発展とは全く違うかたちで進んでいることが重要であることが主張される。こうした4要素を踏まえながら7点の具体的提言が行われている。それらは以下のとおりである。

1)新幹線の大阪駅乗り入れと、京阪神交通圏通勤鉄道のネットワーク性改善
2)梅田、中之島、心斎橋、難波に一校ずつ、合わせて四つの都心型大学キャンパスを
3)人口減少・少子高齢化対策にもなる保育園・幼稚園の大増設を
4)大阪商人の小売力を生かしたデパート集客特区の設定を
5)大阪圏、町工場集積地帯の老朽狭小工場の建て替え、耐震補強、道路拡幅を支援する基金の創設を
6)関西国際空港、りんくうタウンを24時間営業の商品・穀物取引所に改編し、臨海埋め立て地帯を東アジアの物流ハブに
7)関西発のロボットに海洋堂おたくフィギュアの造形を

 以上の7点、いずれも増田氏らしいユニークな提言であるが、さらに終章「経済で負けたことをトラウマとして引きずる必要はない!」における、関西経済圏の最大の障害は大阪人の負け癖というか自虐趣味であり、自分たちの実力を卑下しすぎた固定観念から脱却すべきだという主張も、大阪関係者には耳が痛いものながら認めざるを得ないだろう。

 さらに、最後に、大阪地域経済の地盤沈下が過去三十年つづいたのは、法律制度・政治制度の仕組みが悪かったからで、大阪はその最大の被害者であったという指摘も全く同感である。 これからの規制撤廃の中で一番高い成長性を持っているのは大阪だということを自覚して、積極的な企業活動・経済活動を推進しなければいけないという著者の主張も的確だと考える。 そして「単純な物量では東京に負けても、大阪は質で東京を超えることができるのだ」という本書結びのことばを心強く感じる。 こうした積極的な主張、構想、提言が、大阪関係者から出るのではなく、関西最長滞在記録が二泊三日だという著者から出てきたことを悲しくかつ悔しく感じるが、本書は大阪への力強い応援歌であることは間違いない。

 たまたま本日は大阪府知事選投票日であるが、主力3候補による提言にはスケールの小ささを感じるものが多い。誰が選ばれようとも、「大阪経済大復活」に向けて、もっとスケールアップした構想をもってがんばって欲しいものである。

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