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高座の最中に血染めのナイフがあらわれる、後輩は殺人の疑いをかけられる、妻の知り合いは詐欺容疑…。次から次へと起こる騒動に、二つ目、寿笑亭福の助が巻き込まれながらも大活躍!落語を演じて謎を解く、一挙両得の本格落語ミステリー。
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“落語ミステリ”なるサブジャンルが存在するのかは知らないが、マニアックなテーマを扱った作品の中でも画期的な一冊であることは確かだろう。それぞれの占める割合は、圧倒的に落語の方が多い。ミステリはもはや小道具のひとつと化してしまっている。それでも、「オチ」を共通するその構造が似通っているため、不思議に感じたコラボレーションが徐々に痛快になってくる。残念なのは前フリの長さ。演目内容にリンクした事件が起こるという規則性があるため、落語家にある噺を披露させるまでは何も始まらないのが難点と言えばそうかもしれない。トリックの切れ味もゆるゆるだが、なぜか怒りは感じない。作品全体から発せられる小気味の良さに、まんまとハマってしまったようだ。
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落語ミステリです。
表題の「道具屋殺人事件」の他、「らくだのサゲ」、「勘定板の亀吉」の3編から成っております。
「らくだのサゲ」が秀逸!!!!!
福の助さんの高座、素で楽しませていただきました。
落語知識の勉強にもなります。面白かった!!!!!
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中篇の長さでありながら、非常に物語が複雑に入り組んで構成されていて驚く。
いくつかの話が平行して進んでいて、兄弟子の策に陥る主人公の亮子の夫、福の助、その亮子が遭遇する問題、そしてそれぞれの事件が、落語に絡めて構成されている。
謎解きも、師匠の馬春がまず真相を見抜き、言葉が不自由な師匠の言いたいことを福の助が気づき、それを基にした落語を演じ、犯人(というか問題の当人)がしゅんとなり、その後に亮子が事件の顛末を解決してくれる、という書いてて自分でも分からなくなるくらい。
さらに、ところどころに上手に落語の解説が挟まれているので、初心者でも楽しめる。
様々な伏線がしっかりと生き、謎解きが多少強引に感じることもあるが、十分に納得できる真相が明かされるので、最後まで楽しむことができた。
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落語とミステリと組み合わせるというとても高度なことを成し遂げた一冊。
なかなかなかなか。面白いです。
ただ、業界話に終始していいるので興味のあるなしによって好みがはっきり分かれそうな作品かも。
劇中落語『黄金餅』『家見舞い』聞いたことあったので取っ掛かりがあってよかった
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落語とミステリーの融合...というよりはほぼ落語
(笑)。でも面白い。
そういえば20代前半に落語にハマりたくて、訳も分からず
CDを
借りまくった時代があったのですが、当時はその面白さを単純に
理解出来ず断念。
でも今こうして、活字から凄くスンナリ入っていけますねー。
むしろハマりそう...。これ以上読み物増やしたくないんだけ
どー。
自分なりの解釈での落語の面白さは聞き手は、その物語や
ましてはそのオチまでも知った上で、楽しむという事。
演者もよってのその手法やアレンジを楽しむという、余裕さにあるような
気がします。 音楽でいうとカヴァーに近い感覚。
今作が面白いのも、単純に落語を題材にしただけでなく
その謎の解明自体を、ワトソン役(時にはホームズ役)の
噺家が、高座において噺を独自に展開させることによって
解明していく事にあります。一粒で2度オイシイ。
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これは・・・★10個です(笑)
大好きな落語(20年以上前のことです)が、推理小説に
3年前にもそういう世界でおきる事件をあつかった小説を
読みましたが・・・厳密に言うと推理小説じゃないし
落語(オリジナル部分が秀逸)
本格推理小説(愛川晶だからね)
しかも安楽椅子探偵も!
読むべきだ・・・絶対に!!
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落語ミステリ。事件とともに、落語の面白さも学べます。落語初心者にも分かりやすくってかなりおすすめ!
お気に入りは「らくだのサゲ」。事件の方の真相は、なんとなく分かりましたが。落語分野の方の話(これも一種の謎解きだもんねえ)が面白くって。なるほど、落語って共通する○○が多いよな、とは思っていましたが。こういう使い方があるんだ~と感服。しかもかなり数多くの落語が出てきて、それが逐一説明されているのだけれど、その説明もくどくないし。楽しめました。
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寄席って行ったことないけど、この本読んで行ってみたくなった。
いわゆる落語界の裏話や業界用語など色々な要素がぎっしり詰まっていて、落語を楽しみながらミステリも楽しめる、といった趣向。
まぁミステリの部分は大した話ではないものの、二つ目の主人公(?)が、謎解きをする過程と自分が舞台で演じる噺とが上手に絡み合っていくあたりは、作者が本当に落語を好きでないと書けないなぁと感心。
二作目の「芝浜謎噺」も評判いいみたいだし、こちらもスグ読むことにしよう。
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落語を題材にした、軽いミステリー。
落語家が探偵役と言うのはあるけど、噺のなかで解決していくのが面白い。
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落語をネタに活用したミステリー。落語家が探偵役、その奥さんが語り手役となり、落語的視点で謎を解いていく。
3篇を収録しているが、特に前2つのストーリーテリングは見事。客の前で落語を演ずることで謎を解決するとともに、他の伏線もすっきり収まっていく痛快さの読後感が素晴らしい。
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詳しくはないけれど落語は好き。会社員時代は友人や親と聞きにいったものです。
なので、落語を題材にした話題なので楽しめました。
もっともっと噺の内容に詳しければさらに楽しめたのではないだろうか? と思える。
ほかの作品も読んでみたいな。
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落語ミステリ。今まで落語にほとんど通じていない私でも非常に分かりやすく面白かった。落語ネタの本らしく、話のテンポも良く、オチもいい。福の助の落語には、まるで本物の寄席を見ているかのように楽しめた。一度寄席に行ってみたいなぁ、という気分にさせられる。もちろんミステリとしても楽しめた。安楽椅子探偵ばりの活躍を見せる馬春師匠も良い感じ。
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二つ目の落語家、寿笑亭福の助と、その妻・亮子(高校の事務職員)、また、今は身体を壊して引退同然だがかつての師匠である山桜亭馬春を中心とした、落語が縦糸、馬春のアームチェア探偵ぶりを横軸としたミステリーシリーズの第一作。(*^_^*)
実は、元々落語が好きで、噺を活字で読んだり(興津要の「古典落語」シリーズは何度読んだことか。(*^_^*))、東京に行った時には寄席に寄ったり、新潟でもよく独演会があるので楽しみにしていたり。
だから、もうお馴染みの噺ばかりで、それが上手い具合に大小の事件と絡んでくれ、うん、とても面白く読みました。
嬉しかったのは、馬春師匠のモデルが春風亭柳朝師匠だったということ。若くして脳血栓のために療養に専念、もう亡くなってしまって何年も経っているのですが、私、柳朝師匠、大好きだったんですよ。なんていうか、あの江戸前の口調とお顔の雰囲気がとてもしっくりとマッチしていて^m^ 、病に倒れられてかも、弟子の小朝から、おかみさんとのカラッとしたやりとりなど話される様子がまたよくてね。
だから、かつての弟子から持ち込まれる事件話を、おかみさんとの粋な丁々発止で解決していく本書が、さもありなん、と思えたし、師匠が生きておられる時に、この本を読まれてたら、どんなにか喜ばれただろう、なんて・・・。
ミステリーそのものは、正直、小粒かな、という気はしたけど、寄席や噺家たちの醸し出す空気で読ませられ、もう、それでオッケー、って感じ。(*^_^*)
しかも、ここが一番好きなのだけど、落語好きは知っていることをつい得意げに語ってしまう気がするのに、その蘊蓄が全然鼻につかない・・。
いや、愛川晶さんが意識的に避けたことなのか、それとも、元々、そんな厭らしさ^_^;は持ちあわせない人なのか。
福の助が事件に関わりながら、図らずも自分の芸を磨いていくことになったり、おかみさんの亮子さんが、まだ素人の目線も持ちながら、話を廻していく趣向もよかったです。彼女自身もとても好ましかったしね。(*^_^*)
少しずつ、このシリーズを読み進めていきたいと思います。
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本格落語ミステリと言うことで手にとってみたけれど、ハズレだった。自分には合わず。
まず登場人物に魅力がない。
狂言回し役の亮子は最悪。半可通で読んでいてイライラした。
落語を演じつつ事件の謎解きをする福の助も何故いきなりそんなことができてしまうのかが全然描写されていないので、ご都合主義的なキャラにしか見えない。
他のキャラクターにも血が通っていない。これでは感情移入できない。
加えて「落語」の世界を描いているのに文章にリズムがない。のっぺりとした平坦な文章で、読んでいて流れを遮る不自然な言い回しが目につく。
本編の中で散々噺家の客を乗せる口調について書いておきながら、基調となる文章で読み手を乗せられないのは致命的。
作家本人が好きなものを書いてもそれが巧くいく訳ではないといういい見本であろう。
謎解きを落語で見立てるという一点のみが面白かった。