紙の本
主人公は犬
2022/04/27 00:15
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
しかも、百年以上前に書かれた小説……なのに、現在読んでも、違和感があまりなくて……。涙するシーンもありました。ただ、タイトルは、これでいいのでしょうか?
翻訳のそのまま……?
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‐放浪への原始の渇望がわきあがり、
習慣の鎖にいらだつ。
その冬の眠りよりいまふたたび、
野生の血筋がめざめる‐第一章 冒頭文より
アメリカ西海岸の裕福な飼い主の下で、恵まれ暖かな生活を送っていた大型犬バック。
しかしある日、使用人の背信行為により、ゴールドラッシュに沸くカナダ・アラスカ国境地帯に売り飛ばされてしまう。
橇犬となり過酷な自然の中で生き延びてゆくバック。
そんな日々の中で、少しずつその血に眠っていた野生が目覚めてゆく。
シンプルでリアリズム溢れる文章。
野生に目覚めて行くバッグの様子が生き生きと書かれ、物語の中にぐいぐいと引き込まれる。
本当に自由に誇り高く生きるとは、常に孤独にさらされ厳しい戦いに勝利せずば手に入らない・・と思ってしまいました。
新訳、大きめの文字で読みやすいのも○。
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純粋に、物語として楽しみました。荒々しく、男性倫理で貫かれた小説で、1903年に出版されたのに全然古くさく感じない。とりあえずゴールドラッシュのことをもっとちゃんと知りたいかも。ただ、訳はもうちょっと荘厳な感じで読みたかったなあ…タイトルも「荒野の呼び声」の方が好き。柴田さんの訳で出てる「火を熾す」が本当に読みたい!!
作者について言うと、女性差別・人種差別は時代が時代だから仕方ない…んだろうと思う。1日19時間も勉強してようやく大学に入って、それなのにお金がなくて退学せざるを得ない、なんて、社会主義に転倒するのも当たり前だ。
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ずいぶん昔に読んだことがある。
再読して、「こんな話だったっけ?」というのが第一印象。昔はきっと筋を追うので精一杯だったんだろう。
新訳の効果か、ゴールドラッシュに沸く北方の雰囲気、そこで一山当てようとしている男達、犬の群れの中のリーダー争いなど、決して「犬と人との交友」なんて甘っちょろい言葉には決して当てはまらない空気を感じる。
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ゴールドラッシュ時代の犬の話。
あらすじはお金持ちに飼われてぬくぬく暮らしていたけど、ひょんなことから犬ぞりに使われることになって、次第に野生に目覚めていく…!みたいな感じ。
ジャックロンドンは、柴田元幸さん訳の『火を熾す』が良かったから今回これを読んでみたけど、だいぶ趣の違う話しでびっくり。
解説によると、ジャックロンドンはいろんなジャンルの小説を書いてはるらしい。知らなかった。
でもまさか犬が主人公とは。
まあ楽しんで読めた。
ハウス名作劇場とかにでもなってそうな話の流れだったと思う。
多分ほんとにアニメになってるんじゃないだろうか。
最後の野生に帰る直前の雰囲気が好きだった。
なんとなく視点が上にあがって視野が広がっていく感じがした。
なんでや。
ジャックロンドンの本では「どん底の人々」っていうのがおもしろそうだったから読んでみるかもしれない。
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まわりの声が聞こえなくなるくらい夢中になった。
犬の野性について描かれているけど、
これは人間にもあてはまると思った。
自分の人生を超えた、血の流れ。
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NUMA BOOKSに選んで貰った1/12冊。
ほんとは現代教養文庫、辻井栄滋訳のものなんだけどブクログでヒットしなかった。
読み始めた時はどうしてこの本がわたしの元へ来たのかよく分からなかったけど、なるほど読み終わると気持ち良かった。
本来というものは美しい、と思わせてくれる作品だった。
野蛮に見えがちな野性をありのまま描いてなお美しかった。
向かうべき到達点に見えた。
題材が犬だったこともあるかもしれないけれど、ロンドンが書く人の本来についてもとても興味がある。
小説だけでなく戦地ルポなども書いた人なのでいくつか作品を読んでみようと思う。
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野生のオオカミが、人間に飼われ、慣れていく話。
ブルドッグと闘うシーンなど、昔読んだことを覚えている場面もあった。
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この小説を読んでいる最中、まず思い出してしまったのが「水曜どうでしょう」の企画のひとつ、ユーコン川160キロでした。ちょうどその近隣が主な舞台ですし、ユーコン川も何度か出てきますし。おかげで情景がより良くイメージできたような気がします。ですがこの作品は「どうでしょう」のようなユルさが魅力の番組とは対極の荒々しくて逞しい犬の物語でした。苛烈な環境の中で野生に目覚めていくバックの姿は、さまざまなものにすっかり飼い慣らされてしまった私の目には誇り高く、また、気高く映り魅了されました。
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犬が次々と落伍しながらソリを引く話。最終的に野生に帰ったのか忘れたけどとにかく空腹や喧嘩などボロボロに次ぐボロボロで身体は意外にもつなと思った。気が触れた小型犬が印象的。
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児童文学のときには読む機会はなかったですが、
大人になってから読むことができました。
犬という生き物が使役として有用、という時代に
「誘拐」されて使役されることとなったバックという犬。
彼は、賢い頭脳と、勇敢な心を持っていました。
持ち主が変わり、数々の苦難を味わうバック。
時に、もう動けなくなるところまで
いくときもあります。
だけれども、彼はその精神で苦難を
乗り越えます。
そして、眠れる野性は、
最後の主人の死によって解放されます。
野性ってなんだろう。
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【本の内容】
ゴールドラッシュに沸くカナダ・アラスカ国境地帯。
ここでは犬橇が開拓者の唯一の通信手段だった。
大型犬バックは、数奇な運命のもと、この地で橇犬となる。
大雪原を駆け抜け、力が支配する世界で闘い、生きのびていくうちに、やがてその血に眠っていたものが目覚めはじめるのだった。
[ 目次 ]
[ POP ]
ゴールドラッシュ時代のアメリカで活躍するそり犬バックに焦点をあてた物語です。
『もののけ姫』に出てきたあの白くて大きい犬を思い浮かべていただくとわかりやすいかもしれません。
原書は1903年に出版されました。
主犬公(?)バックの目から見た人間の愚かさや優しさ、当時の社会がうかがえる歴史小説としても読めます。
1905年に発表された『吾輩は猫である』と比較しながら読むのも面白いかもしれません。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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伝説の狼王バックの数奇な運命を辿る小説の旅。
余計なエピソードや描写が多く、またバックがあまりにもスーパー犬なのにはちょっと鼻白むところもあったが、ここまで犬視点で物語を構築した手腕はさすがです。
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「卵をめぐる祖父の戦争」のラストで「祖父」が読んでいる。
犬の話ということで、作中で登場人物が構想する「中庭の猟犬」と関連があるのだろうか。
2014/4/30
読んだ。
とても活き活きと描かれている。ゴールドラッシュ当時の風俗が映像をみるように浮かんでくる。
人間が登場しないシーンで、台詞が全くなく、描写的な記述が続くシーンが特に良い。ヘラジカを斃すシーンや、最後に狼の群れを率いるシーン。魔の山の雪山のシーンが浮かんできた。
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100年以上前の作品ながら、ストーリー展開や戦いの描写に引き込まれて、登場人物(犬物)も魅力的で面白かった
最強的わんこの物語
ジャック・ロンドンのほかの書物も読みたいと思った