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紙の本
眼を向ける先が違うだろ!
2007/10/30 04:41
13人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
10月26日付け朝日新聞によると、福祉事務所の窓口を訪ねながら生活保護を受けられなかった人のうち、49%は実際には受給資格があった可能性が高いことがわかったそうである。
病気などのため、働きたくても働けない人が生活していくための最低限の保護を求めるのが生活保護であり、それでさえ、決してゆとりのある生活ができるほどの額ではない。
しかし、行政は、わざわざ窓口を訪ねてきて、生きるための最低限の保護を求める声の多くを、受給資格があるにもかかわらずはねのけていたのである。
極端な例については、今年北九州市で問題となったばかりである。行政が生活保護をすでに受けている人に辞退届けを書かせ、保護を打ち切られた人が餓死するという悲惨なニュースがあった。
行政による殺人事件といっても過言ではない。
一方で、景気の良い話はいくらでもある。
ブランド品をはじめ高級品の売れ行きはあいかわらず好調のようである。連休には海外旅行へ向かう家族連れの笑顔がニュース映像にあふれかえる。
日本では、完全に国民の経済的二極化が定着してしまったようである。そして、先の例からもわかるように、その二極化を強く促進させているのが、行政であり、国の施策なのだ。
われわれは、この現実をどう受け止めるべきか。
多くの人は、必死である。自分が二極化の“下のクラス”に落とされることがないように必死である。なんとか這い上がろうとして、他の人のことには、かまってられない。いや、もしかしたら、他の人を蹴落とそうともがいていることもある。
そんな低レベルの争いを、高見に立って笑いながら眺めている、“上のクラス”の人たちがいる。その人たちのさじ加減ひとつで、ほとんどの人は、あっけなく“下のクラス”に転落させられる。
そして、そんな場面が、多分、究極的に現れることになるのが、戦争である。
日本は、今、戦争のできる国に向かって一直線に突き進んでいる。そして、いざ戦争が始まった時、戦場の最前線で、適の弾に直面させられる“下のクラスの兵士”となるのが、いま“みにくい”争いを続けている多くの人たちなのだ。
そうなってからでは、絶対に遅い。
下に眼を向け、自分より下の者を蹴落とすことばかり考えず、高見に立って笑う人たちの“言われ無き特権”に疑問を持ち、それを突き崩すことから考え始める必要がある。
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