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遭難者を救助せよ! 富山県警山岳警備隊−極限の任務に立ち向かう男たち みんなのレビュー
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紙の本
命の尊さを今一度考えよう
2007/11/26 15:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:折鶴 - この投稿者のレビュー一覧を見る
北アルプスの景勝が眼前に迫り来る立山連峰。人々を虜にする剣山の冬景色、晩春だと言うに、残雪を切り開いた壁が覆いつくす国道、眼下に広がる高山植物、まるで別世界を演出しながらたどり着く室道。クライマーや登山者、旅人を飽きさせない秘境の山々。だが、一度自然界の猛威が吹き荒れると、まるで季節が半回転したように、恐怖の牙をむき出しにしてくる。尊い人命が一瞬のうちに飲み込まれてしまう山の掟。“一寸先が闇”の世界に敢然と挑む、富山県警山岳警備隊の決死のドキメンタリーがここにある
バスとケーブル、トロッコ電車を乗り継いで、「本書の出発点」室道に着いたのは何時の事だったのか。野原一面に咲き誇る高山植物、はるかかなたの関東平野、眼前にはアルプスの尾根がキラキラと反射していた。主人公の1人「高瀬洋副隊長」は語る。先輩の死、同僚の死などあいつぐ殉死事故が発生、山岳警備隊は極限の状態にまで追い込まれていた。そのような中でも「山の遭難救助は自分の仕事。山岳警備隊員である以上、遭難救助の現場から逃げてはいけない、真っ先に駆けつけるのが任務である。ならば我々も殉死してまで任務に当たった
二人の責任感に報いなくてはいけない」。力の限り人命を救った喜びや、充実感は何物にも勝るのだから。この一言は、ともすれば命を軽視しがちな現代社会に、一条の波紋を投げているのではなかろうか。
最近では年配の登山家だけだったり、とても山登りできるような姿ではない、軽装な若者が増えているようだ。
山の恐ろしさは、いつ急変してもおかしくない下地はあるのだから、無謀な行動や無理のある計画は、命をそまつにしているといわれても仕方がない。かけがいのない命なのだから、守れるものは自分で守りたい。万が一事故に遭遇しても<備えあれば憂いなし>、小さい傷口ですむかもしれない。
冬将軍の到来はもう直ぐだ。山岳警備隊員たちの休息の場は、少なくなるかもしれない。自ら選んだ仕事とはいえ、命の保障さえおぼつかない任務をこなしている人々がいるからこそ、山は守られているのだと、心から感謝しずにはいられなかった。
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