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ショーン・タンの「遠い町から来た話」を借りた時、同じ棚にあってふと目につき、思わず手にした本書。
ジョン・バーニンガムの自伝、ということなのだが、彼の生い立ちにまつわる写真はもちろん、デビュー前のスケッチやイラストレーター時代のポスター、絵本作家としての作品など、非常に豊富に収められ、作品についてのバーニンガム自身の解説もちょこちょこあったりして、かなり見応え読み応えがある!
なんでも、イラストで身を立てる前は兵役免除の奉仕活動で世界中をまわって様々な仕事を経験したそうで、それを読むとなるほど、彼の作品が持つある種の奥深さというか、懐の深さのようなものの正体がちらりと見えた気がした。
意外や意外、大阪や和歌山のエキスポにあわせ、絵本作りや建物のデザインなどを手掛けたこともあったのだそう。初耳でちょっとびっくり。
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まず、なんとなんと。「親愛なるジョンへ」ってタイトルでセンダックの寄稿から始まっていて、のっけから大興奮。
そして本人により半生記が語られるのですが、シニカルでユーモラスな感性は幼い時から持ち合わせていたものなのだなぁとわかります。例えば、
戦時中に通っていたある小学校での記憶についての
<この学校のある教師は、黒板に妖精の絵を描いて、自分は夜になるとこういうものを見ると主張した。それで1時間目の授業では、生徒たちは妖精になって、教室中をぐるぐるとまわらなければならなかった。あの教師は今頃、病院に閉じこめられているのではなかろうか。>
だとか、
自身の作品『コートニー』のモデルはペットショップで買ってきたスタンリーという飼い犬らしいのですが、
<でもおそらく、海岸の釣り小屋あたりで起きた、雑種犬同士の密事の結果できた子にちがいない。この犬に話しかけるときは、ついつい北部なまりになっていたが、あれは役に立ったのだろうか。>
だとか。
豊かな自然の中で自由に過ごした幼少期や、ヘレン・オクセンバリーとの出会いについてや写真も。子どもの頃に描いた絵も!
私は裏表紙のバーニンガム氏の写真をiPhoneの待ち受けにしていて、勉強仲間から笑われました。
だってほんとに尊敬してるんだもーん。
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かれの気取らないユーモアに満ちた作品が、どのようにはぐくまれたのかがわかる1冊。家族と生い立ち、仕事の多方面にわたるキャリア、もちろん素晴らしい絵本の数々が、本人の筆によって紹介されている。全部カラーの大型本。