紙の本
村上龍はかなり困っているらしい
2007/10/27 19:44
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ベホマ - この投稿者のレビュー一覧を見る
01年の『小泉劇場』の前夜から03年のイラク戦争のあたりまでに書かれた村上龍のエッセイ集。トピックは政治、経済、教育と多岐にわたり、格差やひきこもりなどについての考察もある。
著者は一貫して現状の直視と現実的な計画と手段によるサバイブを勧めてるように思える。それはとても真っ当で同意する箇所が多い。リスクの回避と打破のためにはできるだけ『早期』の正しい現実認識と計画的な準備が必要なのだ。しかし「すべての男は消耗品である」というやや達観したタイトルの本を手にしたのはオッサンになった今である。手遅れだ。「13歳のハローワーク」はそういうことかと今気付いた。自分は置き去りにされる人々なのだ。なんとなくそんな気がしたので本書を買ったのかも知れない。
暗澹たる気持ちで読んでるうちに気付いたが本書には「誤解されると困るが〜」というフレーズが六回、「勘違いしないで欲しいのだが〜」というフレーズが五回も多用されている。「ああ、村上龍は誤解されて困ってるんだな」と少し微笑ましい気持ちになった。変なカタルシス。
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ずっと読んでいる龍さんのエッセイ。突き刺さること学ぶこと沢山、龍さん、不謹慎ですが…かっこいいっす!
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三軒茶屋Book Offにて購入
みんな一緒だと思ってたら自分だけ置き去り。
こういう状況になることを誰も教えてくれなかった。
国民のみなさん、って俺と隣のあんたもじゃないのか。
日本はとか国民はとかってアナウンスは安心感は与えても
具体的にどうすべきかまでは教えてくれない。
内容あんまり覚えていない。
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経済レポートのまとめとしてはずいぶん古いほうになるのだけれど、
主張していることはだいたい正しい。
そしてみんなあんまり変わってない。
共同体の緩やかな死が始まってもうどのくらい経っただろうか?
きっとバブル期がその始まりで、どんどん下方に進路をとるんだろうな。
何年経っても、精密な工業製品は日本が一番だと思う。
だってそれに取って代わる国が無いから。
だって科学への信仰というよりも、宗教による制限が無いから。
逆に言えば、道徳による制限が大きいから、バイオ技術は伸び悩むと思し、
むしろ伸び悩んでいいと思う。
本書とはあんまり関係ないけれど、書き手のスタンスが鳥瞰しすぎて、何だかつらいなーと思った。
一人で経済全体を豊かにすることはできないけれど、その一人一人の集まりが経済だから。
国が求心力を失っているけれど、我々は日本国民だから。
離れた場所で憂うだけでは始まらない、近くだけでもいいからかえる勇気を持たないと。
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時代に置き去りにされたくない。
変化をどのタイミングで捉えることが出来るのか、そのためのアンテナの張り方はどうするのか。
確りと考え、実行していく必要がある。
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すべての男は消耗品である
というテーマからどんどん離れていってはいると思いますが、
この“すべての男は消耗品である”シリーズの村上龍さんのご意見はとても好きです
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今回のvol.は個人としての生き方を中心に書かれた内容で、生き方や世界とのつきあい方など普段考えたことのないテーマについて考えるきっかけを与えてくれる。
彼は情報として様々な分野について造詣が深く、尊敬できる人。
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50歳で誰からも尊敬されない人生というくだりで、ハッと気付かされた。
8年前の文章なのに、現在のことと読んでもそれほど違和感がない。
世の中が変化しすぎていないのか、あるいは。。
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タイムリーに読んでも面白いけど後から読んでも面白い。
今月号のダヴィンチで新刊のインタビュー読んでも思ったけど、○○なことに価値はない、とか逃げ道作らないで断言しちゃうとこが好きです。
示唆したことが当たってたりするのもまた面白い。
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ずっと、この「すべての男は」シリーズを読みたかったけど、読まないでいた。で、やっと読みだした。小説に大いに反映されているなぁ、彼自身の考えっていうのは。ということに大いに気づかされる。(12/3/26)