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紙の本
歴史的評価は未来に託す必要あり
2007/11/18 21:34
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る
魯山人という人の歴史的評価はいまだに定まっていないと思う。その事実だけで いかに魯山人が 巨大な人間だった事の証左であると思う。誤解を恐れずに言うが これは例えば田中角栄であるとか 正力松太郎などの事例に似ている気がする。
魯山人という人は他に類を見ない人だ。書、てん刻、絵画、陶器、料理、鑑定という極めて広い分野において 天才的な能力を発揮した人である。どれか一つの大家というものはいらっしゃるわけだが どれも大家という人は空前であり絶後である。
しかも その人となりたるや
「聖にして俗]
「静にして動」
「晴にして濁」
「正にして邪」
「制にして惰」
とも言うべき 本当に二面性に満ちている。両義性という点では 山口昌男のトリックスターを思わせるものがあるがいずれにせよ 僕らの言葉の限界を超えた方だったのだろう。
魯山人を巡る本には 非常に毀誉褒貶が多いと思う。本書は 魯山人に対して 非常にフェアーに努めているという点で良心的なのだと思う。
もちろん 本書で描かれている魯山人が正しい姿であったかどうかは解らない。著者と魯山人との距離も微妙に近い点もある。
但し いくつかの魯山人の評伝を読んできた僕として 大変読後感は爽やかであったことは間違いない。
冒頭に戻ろう。魯山人の歴史的評価はまだまだこれからなのだと思う。本書は そんな将来に対する大きな一石を投じたのだと思う。本当に面白く読めたことも最後に言いたい。
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