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投稿者:タタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
けっこう渋いです。ですがミキハウスの絵本なのでプレゼントにもお勧めですし、呼んだ子供の反応も良かったです。
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宮沢賢治の中で一番好きなもののひとつです。
動物の生死。その不思議な関係をこれほど静かに表現した本を私は他に知りません。
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とことん素朴でとことん人間味のあるなめとこ山の猟師
追われるはずの熊にまで慕われる生き様
賢治のゴツゴツした語り口がたまらない
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何とも悲しいような話でした。涙が出てきます。こんな自然は、もう日本にはなくなったでしょうね。淵沢小十郎も、いつも一緒の犬も、まちの荒物屋の主人も、熊たちも、みんなみんな、いなくなってしまったんでしょうね。
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ミキハウスの宮沢賢治絵本シリーズ
https://www.mikihouse.co.jp/pages/pickup-miyazawakenji
私の好きなお話「なめとこ山の熊」の挿絵はあべ弘士。絵にも合っている。
またぎの小十郎は、なめとこ山のことは知り尽くして、自然とともに生きている。熊撃ちで肝を取って家族を養っているが、その熊たちとさえ心を通じあわせている。
だから<ズドン>と熊を撃った後も言うのだ。
<熊、おれはてまえを憎くて殺したんでねえ。てめえも熊に生まれたが因果なら、おれもこんな商売が因果だ。やい、この次には熊になんぞ生まれるなよ>
そんな小十郎も町に出るとてんで縮こまってしまう。畑に作物は取れねえ、養う家族は多い、荒物屋の亭主に頭を下げやっと熊の肝をやすく買ってもらう。
小十郎は熊の言葉だって分かる。親子熊が月夜の晩に花を見ている姿は嬉しくって仕方がねえ。
ある時小十郎に狙われた熊が頼んだ「やらなきゃいけないことがあるから2年待ってくれ。そしたらかならずお前の前で死ぬから」。熊がそのとおりにしたときには、さすがにやりきれねえ気持ちになった。
そんな小十郎だから、山で死んだ時は熊たちがまるで祈るようにひれ伏して動かなかったんだ。
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あべ 弘士 絵
「「熊、おれはてまえを憎くて殺したのでねえんだぞ。てめえも熊に生まれたが因果ならおれもこんな商売が因果だ。やい。この次には熊なんぞに生まれなよ。」自然と人とがむきだしに生命をやりとりする場所で、やるせない淋しさのなか、神聖なるものが、静かによりそい、結びあう…。」
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1934年
「なめとこ山のくまのことならおもしろい」
冒頭の一文は、賢治の願望を作品に書こうとする気持ちの表れかと思います。
なめとこ山には、熊がたくさん暮らしています。
小十郎は、猟師であり、熊を捕り、その毛皮や肝を売って暮らしています。職業としての猟師です。
生活の為の狩猟です。そして、熊達は、そのことを知っています。小十郎に、親を亡くした孫、年老いた母親の生活がかかっていることも知っています。小十郎と熊達は、互いの気持ちまで理解して共存しています。
山では、優秀な猟師の小十郎も、街へ下り、熊の毛皮を売る時には、ズル賢い商人に搾取される側となります。賢治は「書きながらしゃくにさわる」と嘆きます。狭い経済社会の頂点の商人は、猟師と共生する気持ちは見られません。
しかし、賢治は、この熊の毛皮の売買が済んだ後、商人である荒物屋が準備した夕食をありがたくいただく様子を挿入します。これは、知識を持たない純朴の哀れと読むのか、目先の接待を享受するあさましさと読むのか。人との関わりとするのか、わからないまま。
親子熊の会話をそっと見守る小十郎。
二年後、死ぬ約束を守った親熊。
なめとこ山で、小十郎は、死を迎えます。
「熊どもゆるせ」という言葉と共に。熊達に 祈るように送られます。
美しい山は、生きるための殺生を含めた共生の母体のようでした。
Kumaさん、ご紹介ありがとうございました。
kumaさん、淳水堂さん、他皆さんの宮沢賢治のレビューを再読含め読ませていただきながら、上手く表現できそうにないなあと、そろそろとあきらめててのレビューです。
ありがとうございました。
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人と熊の死を通して、死生観を考えさせられる。
命を奪ってまで手にしたものは、そんなに重要な価値のあるものだったのだろうか。そう思いながらも、こうする以外生き方が分からないということもある。それを表現したストーリー。