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間抜けな設定も、ここまでディテイルにこだわると芸術になります。理屈抜きで楽しめる超一流の娯楽作品です。最後のパラグラフに、きっと「ニヤリ」とさせられるでしょう。
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最初読んだときは「なんとぶっ飛んだ設定だ」と思ったけど、読んでみるとハマる。
SFとして肩肘張って読むよりも、娯楽小説として楽しんだほうがいいかな。
最終話の最後のあたりの趣向にはニヤリとさせられる。
……ずーっと、何で管轄が気象庁なんだと思ってたけど、科特隊のパロディにしたかったんだねw
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070130 人間原理によるせかい。ヒトの世界観によって過去は支配される。世界に存在自体が否定されることが恐怖であり、屈辱。
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設定としては面白いのだが、ビッグバンだ宇宙の物理法則だと説明がわかりづらいし、しつこい。もっと軽いエンタメ小説に徹した方がよかったのではないか!?
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怪獣小説の分類になると言う。MM=モンスター・マグニチュードと表記され自然災害扱いとなっている。おもしろい!着眼点がおもしろい!戦うのは自衛隊で、防御戦略のみの設定が地味で良い。B級のテレビドラマ化したら、マイナーな者にはたまらない作品になりそうだ。
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怪獣SF神話小説。
帯にもあるけれど、MMとはモンスター・マグニチュードのこと。
9が最高値。
迫りくる怪獣の脅威から地球の平和を守れ!!
ってな感じの小説です。
SFと言っても難しすぎることはなく、さらっと読めます。
なんだか続きができそうな小説なので、ぜひつくって欲しいところ。
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はじめは「怪獣大国日本」、「モンスター・マグニチュード」、「怪獣学者」といった単語に「笑」と思っていたのですが、隙がありそうで隙がない!第三話目あたりからのめりこみました。最終話で、な、なるほどー!と、こうきたかー!が一度にきて気持ちよかった。「これより怪獣5号はメガドレイクと呼称する!」宣言にときめきました久里浜部長ー!
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日本を襲う多種多様な怪獣に立ち向かう気象庁特異生物対策部の話。
UMA(イエティとか)
妖怪
伝説の生き物
キメラ
神話に出てくる神。
みんな「怪獣」。幅広すぎるやろ笑。
登場人物・怪獣のキャラ立ちが激しいから、SFが苦手でも楽しめる。
最後まで、勢いとストーリー性を失わず、
ラストの壮大なテーマまで駆け抜けたと思う。
UMA好きな私は「神話宇宙の物理原則」に従いたい。
きっと現代はパラダイム・シフトしちゃっただけなんだと信じたい。
特にUMAが好きな人には、たまらない一品です。
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「アイ~」からのファンです。
これもすごいSF。
ありえないことなのにありそう!って思ってしまう。
SF小説、もっと読みたい。
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「怪獣災害」のある世界。
「日本は密集しているので被害も大きい」というのに納得。トクサツの世界が本当にあるなら、こうなるんだよなあ、と妙に感心しながら読みました。面白かったです。
だけど民俗学は難しい…。
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地震や台風などの自然災害に加え、怪獣災害というものがある世界(っていう設定を見た段階でシムシティ2000を思い出した)。世界有数の怪獣大国日本。だが甚大な被害をもたらす可能性がある怪獣に立ち向かうのは、アメコミ的ヒーローでもなく、宇宙から来た正義の使者でもなく、カラフルな五人組戦隊でもなく、怪獣対策のスペシャリスト「気象庁特異生物対策部」通称「気特対」、つまりは国家公務員である。怪獣の早期発見、データ収集・観測、被害規模の予測、警報の発令、そしてその撃退方法のアドバイスが主な任務である。気特対は怪獣を迎撃する攻撃手段を持ち合わせていないので、直接怪獣と戦うのは自衛隊ではあるが。
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怪獣はその規模にあわせてMM0からMM9までで評価される。MMはモンスター・マグニチュードの略だ。
「怪獣の体積が2.5倍になれば、人口密集地に及ぼす最大の被害は四倍になる」とガスリーは唱えた。怪獣の皮膚の厚さは体積の立方根に比例し、厚くなるほど弾丸は貫通しにくくなる。怪獣を殺すのに必要な累積ダメージは体積に比例する。単位断面積あたりの骨や筋肉の強度は体積の三分の二乗に比例し、地上での移動速度は体積の六分の一乗に比例する。建造物に加えられるダメージの大きさは体積の四分の一乗に関係する……といった要素すべて加味すると、怪獣が人口密集地に侵入した場合、軍に倒されるまでに最大どれだけの破壊を繰り広げるかが求められるというのだ。
(中略)現在は同体積の水の重量に換算したトン数を基準にMMが算出されている。MM0は1トンの水に等しい体積の小型怪獣で、MMが1上がるごとに体積は2.5倍になる。
兵器の殺傷能力が100年前よりも増大したこと、堅牢な高層ビルが増えたことなどにより、現在ではガスリーの法則は成り立たなくなっている。それでもMMは怪獣の脅威を予測する目安として使われ続けている。
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数字が一つ上がるにつれ、被害規模は格段に大きくなる、というところは地震のマグニチュードと同じ。怪獣の予想進路等発表しながら警報を出していく様はさながら台風。
数百トンを超える体重の巨大生物は、科学に照らし合わせると己の体重を支えきれないはず。それなのにMM5を超える怪獣達は地上に現れ、二本足で闊歩したりする。怪獣には人類が知っている物理学は通用しない。というのも、怪獣は人間が属する「ビックバン宇宙」とは異なる「神話宇宙」の法則に支配される存在だからである。
そんな人知の及ばない怪獣相手に日々奮戦する気特対。彼らの前に、一糸まとわぬ少女の姿をした怪獣(テレビ中継はモザイク付き)が現れたり、怪獣を使ったテロを企てる組織の存在が明らかになっていったり……。そして観測史上最大、伝説級のMM9怪獣が日本で目覚めてしまう。
怪獣に有効な必殺技を持つわけでもなく、ヒーローのような華々しい活躍をするわけでもなく、愛と勇気だけで人類が救えるわけでもなく。マスコミからの批難にさらされながらも、懸命に仕事をこなす命がけの現場、責任という重圧に耐える本部。SF的理屈付けに人間ドラマをおり混ぜたリアリティあふれる怪獣モノ。災害を扱った作品をエンターテイメント小説と称するのにいささ���抵抗はあるが、己らの力の限界を知りつつも、人を助けるため困難に立ち向かう隊員たちの姿には励まされるものがある。そしてラストに示唆されるこの世界のひとつの可能性。なんかもうわくわくが止まらない。
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MM9はモンスター・マグニチュード9。
地震、台風などと同じく自然災害の一種として”怪獣災害”が存在する世界。その怪獣災害の対策にあたるのが、気象庁特異生物対策部、通称「気特対」。怪獣災害対応が気象庁の管轄とういうのが面白い。(実際怪獣を攻撃するのは自衛隊だが)
よくある特撮ものと違うのは、なぜ怪獣が存在するのかということを科学的に説明されているハードSF作品というところ。
その説明はこうだ。
・多重人間原理:量子力学の観測問題と同じく、人間が今ここにいるという事実によって、物理法則や宇宙の過去状態が決定される。
・物理学者が解明してきた"ビックバン宇宙"のほかに、物理法則の異なるもう一つの"神話宇宙"が存在しえうる。
・人間が宇宙を認識する意識が無かった時代は、ビックバン宇宙と神話宇宙が共存していた。
・しかし人間に意識が芽生えるにつれ、二つの宇宙が同時存在する状態は不安定となり、神話宇宙が衰退し、ビックバン宇宙へと収束する”パラダイム・シフト」が起こった。
・かつて栄華を誇った超自然的現象はほぼ消滅しているが、巨大な実体を有し、大災害を起こし人々に恐れられることによって、その存在を認識されている怪獣は、例外として消滅しなかった。
なるほど、説得力がある。
この理論を聞いたあとだと、最後の気特対メンバーの会話が、妙にリアリティーがある。もしかしてあの作品も・・
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【地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では、怪獣対策のスペシャリスト集団「気象庁特異生物対策部」、略して「気特対」が日夜を問わず日本の防衛に駆け回っていた。多種多様な怪獣たちの出現予測に正体の特定、そして自衛隊と連携するべく直接現場で作戦行動を執る。世論の非難を浴びることも度々で、誰かがやらなければならないこととはいえ、苛酷で割に合わない任務だ。それぞれの職能を活かして、相次ぐ難局に立ち向かう気特対部員たちの活躍を描く、本格SF+怪獣小説】
「MM」とは「モンスター・マグニチュード」の略。
人間界にモンスターが出現し、人間と戦う姿は現実味を帯びていないけど、
昔からウルトラマン等の特撮ものを見てた日本人には容易に想像できて楽しめるのではないかと思います。
ちょっと難しい話もできてくるので、大人向けの怪獣小説という感じ。
人間とモンスターの間に芽生えた友情みたいなものにも注目です!
2010年7月、ドラマ化決定。
http://www.mbs.jp/mm9/
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怪獣が自然に存在する世界で、怪獣に立ち向かう人たちのお話。
色々とSF関係だったり、軍事関係だったり、架空の理論だったり、少し難しい事が出てきたり、
とっつきにくいイメージはありますが、概ね、面白いです。
ただ、消化不良の部分が残ってたりするので、爽快感には少し欠けてしまうかもしれません。
続編が現在、連載中だというので、そちらも含めないと楽しみきれないのかもしれません。
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自然災害の一種として『怪獣災害』が存在する現代。有数の怪獣災害国である日本においてその対策にあたっているのが『気象庁特異生物対策部』略して『気特対』である。彼らの任務は多種多様な怪獣の生態を調査し、警報を出したり対策を練ることであるが、たびたび予測を外し非難を浴びることもある。責任は重大でありながら、過酷で割に合わない仕事だ。
怪獣の規模は『MM』で表わされ、これまで確認された最大の怪獣は『MM8.9』である。兵器の殺傷力の増大と堅牢なビルの増加により、以前に比べ被害は減少しているものの対応を間違えれば大惨事になりかねない。そして今、怪獣をテロに利用しようとする謎の組織が現れ『MM9』クラスの怪獣が目覚めさせられようとしていた。
地震や台風被害の多い日本ですが、怪獣ですか!面白いのは怪獣がそれらの自然災害の一種となっていることです。なので管轄は『気象庁』、武器は持ちません。怪獣映画のように戦闘機で銃撃したりましてや隊員が変身したりなんてことは一切なく、彼らは予測と対策を立てるのがお仕事です(実際に戦うのは自衛隊)。なんだか突拍子もない設定なのにそこらへんが妙にリアルで微笑ましく思えました。
設定は現在、といっても微妙に前、20世紀終ぐらいでしょうか。なぜなら
未来の観測者によって過去は決定される。人の価値観が変われば、宇宙の過去も変化するということ。神が世界を作ったと信じられていた時代から、今では科学の発展によりビックバンが宇宙の始まりとされていますよね。そうなると神話はもはや物語でしかなく・・この怪獣災害もしだいに姿を消し、それが過去の自然災害と同化しているのが現在ということなんだと。昔話や伝承の中には災害を擬人化したとされるものも多数ありますので。逆を返せば、「一昔前は怪獣災害が本当にもあったかも」というロマンあふれるお話です。
そして、消えゆく存在として妖怪が「自分が存在したという事実を完璧に否定されるのは、最大の恐怖であり屈辱だ」と仰っています。確かに人は、この場合彼は人間ではありませんが同じ知性を持つ種としていえば、何か生きた証というか自分に存在意義を求めるものでしょうから。それに対する答えが「自分のいる世界だけではなく、いずれ完成するはずの世界にも影響を与えるなら、こうしてやっていることも決して無意味でも無駄でもない」ということ。確かに宇宙から見たら平凡で取り立てて才能のない自分なんかほんとにちっさな細胞、いや原子かもしれないけど、その原子だってなければ遠い未来に大きな影響があるかもしれないですもんね。まあそう思って生きていきたいです。
内容は、とても面白かったです。TV取材風にした「密着!気特対24時」とか、最後は怪獣大戦になったりだとか。巨大な少女の『ヒメ』ちゃんも可愛い。しいていえば最初に出てきた『灰田涼』、名前もかっこよかったのでもっと活躍してくれるのかと思ってたのが違ってた。まあ彼は戦闘員ではないしね。そんな彼らの活躍が現実世界で『ウルトラマン』的な特撮に繋がっていると感じさせるラストがgoodでした。