投稿元:
レビューを見る
親が老いる。
親が死ぬ。
誰にでも起こりうる、けれど考えたくないこと。
作者の親が亡くなり、遺品整理をしながら考えていること。
作者と不和だった親への怒りや、思い出がぶり返す。
彼らが大切にしていたものたちを、私が勝手に捨てたりあげたり。
まるで盗人のようだと苦悩したり、あきらめたり。
いつか誰もが直面する物語。
投稿元:
レビューを見る
国や文化が違っても、親を亡くしたときのこの感覚は、万国万人共通なんだなと思った。
愛情や敬意といった尊い感情はもちろん抱いている。そして、そういった感情は誰にでも理解されやすい。
でも時に、罪悪感だったり劣等感だったり、怒りに翻弄させられる。そしてこれらの感情はなかなか他人から理解されない。
そんな感情をも赤裸々に書いたこの著者はすごいと思う。
やっぱり本というものは、救いを与えてくれるね。
投稿元:
レビューを見る
フロイトの研究者である著者が、両親亡くし、相続した家やものを片付けながら揺れ動く気持ちが綴られた作品。
決して良い関係だと言えなかった母への想い。
わだかまりと共にその母を誇らしく感じてもいることが見事に表現されていて、
人っていうのは、人の気持ちは、こうも矛盾した存在であるのかと再確認。
簡潔な文章なのに、なかなか先を読み進められない作品だったが、読んで良かったと思う。
投稿元:
レビューを見る
誰もが必ず直面する親の死。
否応無く押し寄せる悲しみを抱きながら、同時に進行する手続きや片付け。
親が暮らしてきた全てを引き受けること。
自分の知らなかった親の秘密を知った時にはどう向き合えばよいのだろう。
とうてい人には理解してもらえぬ親子の間のみに存在する感情もある。
押し寄せる様々な思いと家の中を片付ける作業。
私にはできるのだろうかと複雑な気持ちになった。
投稿元:
レビューを見る
親の死に遭遇して人は何を思うのか。
ああすれば良かった、という後悔。
あれはどういうことだったのだろう、という晴れぬ疑念。
残された遺品を整理することで、暴いてしまう親の過去。
フロイト学者である作者に訪れた母親の死、遺品の相続は、
大分重荷だったようだ。
幸いにもまだ両親ともに健在な私だが、
反対に子供にどんな「親の死」を与えることになるのだろう、
とも考えた。
必ず出会うであろう家族の死。
投稿元:
レビューを見る
フランスでベストセラーになったという外国の本だが、文字が大きく、文章も必要なものだけが、シンプルに書かれている。実家の片づけを経験した身として大変共感した。